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  • 2019.12.3

    【入門者必見!】ナットク!のドローンスクール選び 「ここでよかった」を見抜く14のチェックポイント

    account_circle村山 繁
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      ドローン前提社会が近づいています。そうだ、ドローンスクールに行こう!そう思って検索すると、想像以上にたくさんのスクールが表示されてしまいます。国土交通省のホームページに掲載されているものだけで638団体。ナットク!できるスクールはどう選べばいいのでしょう。そんな相談の声にこたえて今回は、「ここでよかった」と思えるドローンスクール探しをサポートするため、14のチェックポイントをまとめました。あわせて、実績が多数の安心して学ぶことができるスクールをいくつか紹介します。

    目次

    1、チェックポイントの確認が「ナットク!」を支える

    2、理由や目的を書き出して、照らし合わせる

    3、「ナットク!」のスクール選びのための14のチェックポイント
    3-1、第一印象 パッと見をチェック あとで振り返る
    3-2、カリキュラムを点検!~自分向きか? わかりやすさへの工夫はあるか?
    3-3、機体は何か? 見落としがちな「モード」も確認を
    3-4、時間はどれだけ? 座学、実技の内訳も知りたい 日程も!
    3-5、会場の立地は? 座学はどこ? 実技はどこ?
    3-6、環境は魅力的? 教室はキレイ? 飛ばす場所は?
    3-7、講師はどんな人? 実績は? 少人数?
    3-8、スクールの実績は? 本業も確かめておく
    3-9、卒業後のサービスは? 交流、修理、申請などの頼り先
    3-10、「講習団体」? 「管理団体」の認定校?
    3-11、受講料は? 得られる価値に見合う?
    3-12、マイ・チェックポイントは?
    3-13、説明会へGO! 直接訪問で雰囲気、熱意、相性を確認
    3-14、第一印象を振り返る

    4、バラエティ豊か! ドローンスクールの個性を生かす
    4-1、アキバ徒歩1分の好立地 補講は追加料金なし 秋葉原ドローンスクール
    4-2、会場は一流ホテル 専門家が高いホスピタリティーを発揮 アマナドローンスクール
    4-3、教習コンテスト入賞、「満足度90.6%」が示す教える力 行田ドローンスクール
    4-4、日本初のドローン専用飛行場が講習会場 つくばドローンスクール
    4-5、8日間の圧倒的な分厚さ 卒業後も集まる濃いコミュニティー ドローン大学校
    4-6、Inspire1で2オペ練習 屋外実技はサバゲーフィールド? 日本ドローンアカデミー
    4-7、機体はヤマハ製「YMR―08」 アグリテック人材を強力サポート ヤマハマルチローターアカデミー北陸
    4-8、野生鳥獣調査、災害対策の専門家が寄り添う基礎講習 Sky Seeker Academy
    4-9、日本初のDJI代理店が運営 機体を熟知した講習 SUSCドローンスクール

    5、最後に~ドローン前提社会を担う人材への第一歩を

    1、チェックポイントの確認が「ナットク!」を支える

      自分にあったドローンスクールを選ぶには、押さえておくべきポイントをチェックすることが第一歩です。

      ただ、確認すべきチェックポイントを自分で洗い出す作業そのものが一苦労。そこで、今回、14のチェックポイントを用意しました。これにそって確認していくと、きっと、ふさわしいスクール像が見えてくるはずです。また、チェックポイントを眺めているうちに、自分だけのオリジナルのチェックポイントが浮かび上がることもあります。そんなときにはそれも加えると、より絞り込めます。

    2、理由や目的を書き出して照らし合わせましょう

      チェックポイントを確認するときに大事なことは、ドローンスクールに通いたいと思った理由や通う目的です。旅行先で空撮を楽しみたいから、とか、仕事にいかしたいからなどを書き出して、いつでも見られるようにしておくと、照らし合わせるときに便利です。

      理由や目的を考えるさいの参考に、ドローンはこれから社会で幅広く頼られる、ということをお伝えしておきます。減り続ける労働力を補ったり、きつい仕事から人間を解放したりするのに大きな期待が寄せられているのです。ほかに映画やテレビなどの映像の現場でも、田んぼや畑でも、ショービジネスやレースなどエンターテインメントでも使われ始めていて、幅広い活躍が予想されています。

      もうひとつ、ドローンスクールでは、ドローンを使う人が知らないといけない機体の仕組み、法律、ルール、飛行許可、申請のための手続きなどの知識、正しく安全に操縦するための技術を、まとめて学べます。ドローンを飛ばすために国家資格は必要ありませんので、自力で身に着けてもいいでのですが(実際、自力で腕を磨いた第一人者が第一線で活躍しています)その方たちが、後進が効率的に学べるように必要な知識、情報、トレーニングなどをまとめたものがスクールにいかされているのです。

    3、「ナットク!」のスクール選びのための14のチェックポイント

      これまで述べてきたことをふまえて、ドローンスクールを選ぶさいにチェックしておきたいポイントを14点、書き出してみました。これまで一口に「ドローン」という言葉を使ってきましたが、ここでは航空法が対象としている無人航空機のスクールをとりあげます。

    3-1、第一印象 パッと見をチェック あとで振り返る

      最初のチェックポイントは、気になるスクールが検討の俎上に乗ったときの、第一印象です。印象だけで決めつけることは危険なので、このあと細部を検討するわけですが、その前に、最初の印象を記録しておくと、後に比べるさいに役立ちます。そのスクールで学ぶ自分がイメージできるかどうか、それをイメージしたときに前向きな感情が芽生えたかどうか、ご自身が抱えておられる通う目的や理由を満たしてくれそうかなどになると思います。

      インターネットのホームページやパンフレットに書かれている概要や内容からの印象や、ひきつけられた言葉、魅力に感じた表現、写真があったら、どの言葉、どの表現、どの写真を魅力に感じたのか、記録しておくと、複数のスクールを比較検討するとき役立ちますし、チェックポイントを一通り確認し、見る目が備わったあとに見返すと、第一印象が変わることがあるので、その気持ちの変化を確認することも有効です。

    3-2、カリキュラムを点検!~自分向きか? わかりやすさへの工夫はあるか?

      気になるスクールが見つかったときには、そのスクールのカリキュラムが、ご自身の理由や目的に合っているかどうかを確認します。初心者でドローンに不慣れ、などと自覚しているなら、そのカリキュラムが初心者に適しているかどうかが確認のポイントになるかもしれません。その場合はたとえば電源の入れ方や、プロペラの取り付け方などといった、準備や機体の扱い方を初歩から教えてもらえるかどうかなども事前に確認しておきます。ほかにも、テキスト、シミュレーター、Eラーニングなど、講習内容を身に着けるための工夫は事前に把握しておけば比較のさいに役立ちます。

    3-3、トレーニングで使う機体は何か? 見落としがちな「モード」も確認を

      機体の知識がなくても、そのスクールでトレーニングに使う機体を確認しておくと判断を助けます。練習機が、卒業後に自分で使う可能性が高い機体であれば、スクールでのトレーニングがそのまま卒業後の準備に直結します。卒業後に使う機体がトレーニングする機体と違う場合については、スクールに相談をすると、多くの場合相談に乗ってくれます。

      ドローンを操縦するときに手元で操作する送信機の扱い方には、モード1、モード2などの方法があり、そのスクールで教えるのはどのモードであるかを知っておくことも地味ではありますがとても大事です。操作の方法が異なり、一度学ぶと、事後に変更することが難しいといわれます。日本ではラジコン飛行機の操縦に慣れている人はモード1で飛ばすことが多く、現在もモード1で活躍されている方が大勢いらっしゃいます。その後、ドローンの普及とともにモード2が増えているといわれ、海外ではモード2が主流です。スクールのホームページで紹介されていることもありますし、ないこともありますが、事前にモード1か、モード2かそれ以外かを聞いておきましょう。

    3-4、講習時間はどうか? 座学、実技の内訳も知りたい 日程も!

      講習は教室で学ぶ座学と、実際にドローンを飛ばす実技があります。それぞれにどの程度の時間を使うのかを確認することも大切です。スクールごとの個性も出やすいところです。講習時間が長いスクールは、そこに力を入れていると読み取ることができます。一方、指導の密度の濃さを磨き上げているスクールなら短時間でひと通りをマスターできます。日程が、ご自身の学業や勤務に影響がないか、無理なくこなせるか、融通がきくかなども確認しておくことも判断の前提になります。

    3-5、会場の立地 座学はどこで? 実技はどこで?

      ドローンスクールの会場の立地を確認することは必須です。オフィス街に座学の会場を設けているスクールがあるので、勤務終了後の帰宅前に寄れる利便性もあります。

      なお、テキストで学ぶ座学のほかに、実際にドローンを飛ばす実技の会場が分かれていることがあるので注意が必要です。スクールによっては実技をさらに、屋内で飛ばす会場、屋外で飛ばす会場に分けているところもあります。一か所で集中的に学べるかどうかが大切になるかもしれませんし、実技だけ郊外に出向いて広々とした場所を確保していたり、飛ばす準備から体験できたりするほうが目的にあうかもしれません。合宿形式でスクールを開講しているところもあります。会場までのアクセスとともに確認しておくことが大切です。

    3-6、会場の環境は魅力的? 教室はきれい? 飛ばす場所は?

      ドローンスクールの会場として確認すべきポイントは、立地だけではありません。学ぶ環境や設備に魅力があるかどうかも判断材料になります。

      座学の会場であれば、清潔かどうか、新しいかどうか、受講生を迎える設備として機能するか、などそこで学ぶ意欲をかきたてそうかどうかを見ておくと、適否が判断しやすくなります。スクールによっては、休憩スペースを準備しているところや、トイレの清潔に気を使っているところもあれば、一流ホテルを活用して受講生が学びやすい環境を用意しているところもあります。環境が学ぶ満足感を左右することがありますので、環境重視の方には重要なポイントです。

      実技では、ドローンを飛ばす会場環境を知っておくことが重要です。屋外で周囲を気にすることなく思い切り飛ばす体験をしたい、という方には、その要求を満たす会場を確保しているかどうかはひとつの判断基準になりそうです。

    3-7、講師はどんな人? 少人数?

      講師の人物像や実績、講師と受講生の人数比も、多くの受講生が気にするポイントです。講師については、性別、年齢のほか、活動領域や実績などを知っておくと、スクール選びの助けになるだけでなく、受講したさいに、その講師からより深く学べる領域が何であるかをイメージできます。スクールの中には、よく知られたテレビ番組の映像を提供している空撮の専門家を講師にそろえていたり、教え方のコンテストでの入賞経験者を抱えていたりするところもあります。あわせて、その講師に対して受講生が何人いるのかも知っておくことも、受講状況を想像しやすくします。

    3-8、スクールの実績や運営母体の本業も参考になる

      ドローンスクールや、スクールを運営している会社のドローンについての実績を事前に知っておくと、選択の判断に大きく関わることがあります。

      映像などビジュアル制作が本業の会社が映像の機器のひとつとしてドローンを扱い、そこからドローンスクールを運営しているケースもあれば、本業のひとつが農機製造でそこから農薬散布ドローンの生産を手掛けた流れで操縦士の育成の一環でスクールも手掛けているケースもあります。ドローンの代理店として豊富な経験を持ちドローンを熟知しているところもあります。

      スクールや運営企業の本業や専門領域が、自身の学ぶ理由や目的にそっているかどうかも判断するさいの情報として重要です。

    3-9、卒業後のサービスはあるか 修理、申請などで駆け込めそうか

      受講生のドローン活動は主にスクールを修了したあとに本格化します。そのさいに新たな課題が発生したり、仲間や相談相手が欲しくなったりすることがあります。ドローンスクールによっては、受講終了後にも定期的に集まる機会を設けていたり、相談をできる仕組みや、機材修理、割安購入、飛行申請の補佐などのサービスを提供していたりするところがあります。

      卒業後の頼り先、駆け込み寺にしたい人には、重要なチェックポイントです。

    3-10、「講習団体」? 「管理団体」認定校?

      ドローンスクールは現在、民間で運営されており、その信用度をはかる公的な指標はありません。参考になるのが、国土交通省航空局のホームページです。

      パソコンの検索窓に、「国交省航空局」「ドローン」と入力し、表示された「無人航空機(ドローン・ラジコンなど)の飛行ルール」のページ

    を見ると、「無人航空機の講習団体及び管理団体一覧」があります。(2020年改訂:2020年以降、「ドローン情報基盤システム」(DIPS)内の「申請書類の一部を省略することができる技能認証を発行する団体」で公開されています)ここに一覧表があります。表には、一定の要件を満たしたドローンスクールを「講習団体」として、講習団体を管理する統括機関を「管理団体」として表示してあります。

      原則、毎月1日に更新されていますので、気になるスクールが「講習団体」ここに表示されているかどうかを調べられます。「講習団体」に見当たらない場合、次に、そのスクールが「管理団体」に所属しているかどうかをスクールに問い合わせれば、一定の要件を満たした「管理団体」に認められたスクールかどうかが確認できます。航空局のHPに掲載された「講習団体」が発行した技能認証、ライセンスを取得すると、ドローンの飛行申請手続きをのさいに、手続きの一部が免除される利点があります。たとえば一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールを修了すると、「JUIDA無人航空機操縦技能証明証」や「JUIDA無人航空機安全運航管理者証明証」の発行を受ける資格が得られ、それが申請手続きの簡略化に役立ちます。

     一方、航空法の適用を受けない機体の操縦を教えるスクールや、点検、測量などすでに基礎技能を保有している技術者向けの専門的な講習、エンジニアを要請する講習などは、掲載対象になっていないことが多いようです。基礎的な技能をみにつけたあとに、さらなる技能向上を目指すときに検討することがよいかもしれません。

    3-11、受講料は得られる価値の対価

      受講料は、受講生にとって大きな検討要素です。相場や平均的な価格との比較をするでしょうし、ご自身の支出可能額との相談も重要ですが、もうひとつ、その金額で得られる価値が何か、いう視点も大切です。そこでもう一度、ドローンルクールに通う理由や目的を確認し、それが得られるかどうかを見ることが大切になります。またこれまで見てきたチェックポイントの中で、ご自身が重視する項目が何かを判断して、それらをもっとも多く満たすスクールがどこであるかを確認することも大切になります。ご自身が得たい価値と照らし合わせることで、受講料の適否を判断することが重要です。

    3-12、自分のこだわりを“マイ・チェックポイント”で

      ここまで11のチェックポイントを点検して、もう一度自分の理由や目的を確認します。ここで、自分の目的を果たすために大事なポイント、こだわりのポイントが抜けていれば、それをチェックポイントに加えます。オリジナルの“マイ・チェックポイント”を加えることで自分だけの確認表が出来上がります。

    3―13、説明会や直接訪問で数字以外の側面を

      気になるスクールが絞り込まれてきたら、実際に講習会場や説明会に足を運ぶと、それまでに分からなかった重要な情報が得られることがあります。講師やスタッフの熱意や物腰、会場の雰囲気、受講生の表情などが代表的です。インターネットの書き込みや知人の評価も参考になりますが、ご自身の感覚ほど重要なものはありません。スクールによっては説明会の参加が申し込みの条件になっていることも多く、未確認ポイントのチェックにも役立ちます。

    3-14、第一印象を忘れていないか、変化はないか

     最後にもう一度、最初の第一印象を振り返ってみることは、大きな意味があります。

      第一印象で魅力的に感じた項目を忘れていないかを確認するとともに、養われた目で再確認することで、当初、魅力と感じていたものの価値に変化がないかどうかを確認できるからです。このときには、内容、立地、会場、講師、受講料を含めて総合的に判断できます。

      ここまで確認作業を重ねてくれば、自信をもって自分で選択したスクールに通うことができるようになっているはずです。

    4、バラエティ豊か! ドローンスクールの個性を生かす!

      ドローンスクールはそれぞれに個性を持っています。自分にあったドローンスクールを選ぶことは、ドローンスクールの個性を見極めて、自分の目的達成に生かすことでもあります。ここからは、いくつかのスクールを取り上げ、その個性を読み解いてみます。以下に掲載するスクール、またはスクール運営母体は、国交省航空局のホームページで「講習団体」として掲載されています。複数の講座、コースを運営している場合もありますが、本文では原則として、そのうちのひとつを取り上げています。記事を書くにあたり、各スクールにはアンケートへの回答や、問い合わせ対応などで協力を頂きました。ここで掲載していないスクールも含めて、豊かな個性があることを理解する参考となれば幸いです。

      記載内容は2019年11月現在の状況に基づきます。掲載の順番は日本語表記で五十音順に並べたのち、英語のアルファベット順です。本文中の金額は税別です。

    4-1、アキバ徒歩1分の好立地 補講は追加料金なし 秋葉原ドローンスクール

      無線通信工事業の田中電気株式会社は「秋葉原ドローンスクール」を運営し、「ドローン操縦士及び安全運航管理者養成コース」を展開しています。一般社団法人日本UAS産業振興協議会の認定スクールで、終了後には「JUIDA無人航空機操縦技能証明証」「JUIDA安全運航管理者証明証」の発行を申請できます。

      受講生がこのスクールを選ぶ最大の理由は、座学会場の立地。JR秋葉原駅から徒歩1分の場所にある「田中電気ショールーム」のセミナールームが会場で、通いやすさが評判です。また飛行実技も都心から1時間の埼玉県さいたま市にサッカーコート1面の広さの「田中電気グランド」を確保してあります。講座は座学2日間、実技2日間ですが、実技2日間はあくまでも最短。GPSなど位置情報機能を切った状態での操縦もしっかりと身に着けたうえで修了させることにしています。ただ、修了までは追加料金をとらない面倒見のよさが、実は受講生から信頼される大きな理由です。

      運営主体である田中電気は無線通信工事業を手掛けているため、ドローンに重要な無線通信事情に詳しい点も受講生にとっては心強いポイント。未経験者がほとんどで、合格までサポートをする姿勢が家族的だと受け止められていて、修了後のアンケートでは多くの受講生から「アットホームな雰囲気」と評価されています。

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     ・講習:ドローン操縦士及び安全運航管理者養成コース
     ・日程:最短4日(座学11時間、実技最短12時間)
     ・人数:定員10名
     ・講師:6人、男性5人、女性1人、20~60代
     ・機体:Phantom3、Phantom4。モード1、モード2
     ・会場:
       座学=田中電気ショールーム内セミナースペース

       実技=田中電気グランド(埼玉県さいたま市)
     ・料金:228,000円。団体割引あり。合格まで追加不要
     ・備考:より実践的な「チャレンジコース」あり
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    さいたま市の田中電気グランドで行われている秋葉原ドローンスクールの講習会

    4-2、会場は一流ホテル プロ空撮の専門家が高いホスピタリティーを発揮 アマナドローンスクール

      「アマナドローンスクール」はビジュアルコミュニケーションのエキスパート、アマナグループのアマナビが展開しているスクールです。基礎から専門までさまざまなコースをそろえる中で、「JUIDA操縦技能取得講座」は千葉県木更津市にある研究開発拠点かずさアカデミアパークを会場に、1泊2日の集中合宿スタイルで行われていることで知られています。オークラアカデミアパークホテルに宿泊するなど洗練された環境で、知識や技能の習得に集中できます。これまでに1000人以上の卒業生を輩出し、2019年8月には、JUIDAから「JUIDA認定スクール最多卒業生輩出校」として感謝状が贈られました。
      1泊2日で成果を出すカギは、効率的、かつ快適な環境で学べる会場の選定とともに高い技能を持つ専門家集団の講師陣にあります。アマナドローンスクールの講師はアマナグループの空撮チームairvisionのプロフェッショナル。映画「魔女の宅急便」の実写版やNHK大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像など映画、CM、MVなどの実績があるほか、2017年にスタートしたairvision surveyでは、インフラ点検、測量、精密農業などの実証実験を経て、産業用ドローン導入の企業向けコンサルティングを数多く展開していて、講師一人一人がドローンの操縦にとどまらない広範囲な知識と経験を持っています。こうした知識と経験をもとに、アマナドローンスクールが独自に、飛行に必要な47の評価ポイントを設定して実技の基礎固めに活用するなど、質の高いカリキュラムにも定評があります。
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     ・講習:JUIDA操縦技能取得講座
     ・日程:1泊2日合宿(座学6時間、実技13時間)
     ・人数:最大10人(実技は講師1名に生徒5人以下)
     ・講師:男性8名、全員が空撮のプロ、30代~60代
     ・機体:Mavic2シリーズ、モード1、モード2など
     ・会場:かずさアーク(千葉県木更津市)
       講習場所=かずさアカデミアホール会議室など
       宿泊場所=オークラアカデミアパークホテル
     ・料金:198,000円。企業向け割引制度あり
     ・備考:上記コースのほかにJUIDA安全運航管理者取得講座、DJI CAMP 検定&特訓コース(DJI CAMPスペシャリスト技能認定講習、管理団体はDJI JAPAN株式会社)、アマナドローングラファーライセンス講座(管理団体は株式会社アマナビ)、ドローン空中写真測量基礎講座、アマナ空撮技術コース(UTCキャンパス内でのみ申込可能)も展開。企業にあったオリジナルカリキュラムの提供も可能。卒業生限定勉強会あり
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    4-3、教習コンテスト入賞、「満足度90.6%」が示す教える力 行田ドローンスクール

      「行田ドローンスクール」は、有限会社羽生モータースクールが運営していて、「JUIDA総合取得コース」などのコースを開設しています。このコースを修了すると一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の「技能証明証」「安全運航管理者証明証」を申請できます。
      特徴は「卓越した教える力と笑顔」。スタッフは全員、教習所検定員、または指導員の資格を持つ教えるプロで、教える技術を競うコンテスト「令和元年一般社団法人埼玉県指定自動車教習所協会教習技能競技大会」で第3位に入賞した指導員ら高い教育力を持った講師が、オリジナルの動画を活用しわかりやすさを重視しています。座学と屋内実技講習は平成29年12月に竣工した自社所有の最新の施設が会場。トイレに最新ウォシュレットを採用していたり、休憩スペースにハンモックを備えていたりと、学ぶ環境の居心地のよさを追求しています。なお屋内コースは全天候型で、25m×25mの広さを確保。約5キロ(約8分)離れた羽生モータースクールに、屋外の実技会場も確保しています。
      羽生モータースクールでは卒業生を対象に満足度を調査していて、平成30年1~12月の調査では90.6%の満足度を獲得。この教習ノウハウをドローンスクールにもつぎ込み、さらに高い満足度を目指しています。
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     ・講習:JUIDA操縦技能取得コース(他にもコースあり)
     ・日程:平日3日、土日2日(共に座学6h、技能11h)
     ・人数:1開催5名以下
     ・講師:6人(男性5人、女性1人、平均29.4才)
     ・機体:Phantom4 Pro Plus ver2.0、モード2
     ・会場:
       座学=行田ドローンスクール教室(埼玉県行田市)
       技能屋内=行田ドローンスクール屋内コース
       技能屋外=羽生モータースクール(埼玉県羽生市)
     ・料金:200,000円(操縦技能取得コース)
     ・備考:料金には説明会参加割引、団体割引あり。受講生層は10~70代、初心者~経験者と広範囲。「笑顔・キレイ・楽しさ、想像以上!」がモットー
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    行田ドローンスクールの講習のようす

    4-4、日本初のドローン専用飛行場が講習会場 つくばドローンスクール

      茨城県つくば市には日本で初めてのドローン専用飛行場「JUIDA・GOKOつくば試験飛行場」があります。2015年5月のオープンしたのですが、オープン直前の4月22日に、首相官邸の屋上で不審なドローンが見つかり、ドローンの存在が広がるきっかけになりました。試験飛行場もこの事件をきっかけに話題性が高まり、オープン記年式典は多くのメディアが取り上げました。
      飛行場は主に実験や練習に使われますが、一般でも使用料(午前、午後とも40,000円、学生や教員など教育機関関係者は20,000円)を払えば利用できます。
      ここを管理している五光物流株式会社が運営しているドローンスクールが「つくばドローンスクール」で、JUIDAの認定スクールでもあります。国土交通省航空局がホームページで掲載している「講習団体」として、2017年6月1日の初回掲載時に名を連ねたスクールのひとつでもあります。
      甲子園の高校野球、花園のラグビーのように、特定領域にとって特別な意義を持つ場所があることがあります。ドローンの歴史に名を刻んだこの飛行場もそのケースにあたるかもしれません。
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     ・講習:JUIDA認定スクール座学・実技
     ・日程:4日(座学2日=12時間、実技2日=12時間)
     ・人数:座学は最大20人、実技は最大5人
     ・講師:4人、30~60代の男性、JUIDA認定講師
     ・機体:Phantom4シリーズ、モード1、モード2
     ・会場:
       座学=五光物流株下館物流センター
       実技=JUIDA・GOKOつくば試験飛行場
     ・料金:340,000円
     ・備考:国立の研究機関、警察、自衛隊など法人、団体の受講が多い
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    つくばドローンスクールの講習風景

    4-5、8日間の圧倒的な分厚さ 卒業後も集まる濃いコミュニティー ドローン大学校

      一般社団法人ドローン大学校が運営している「JUIDA無人航空機操縦技能証明証・無人航空機安全運航管理者証明証取得セミナー」は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定スクールで、他の認定スクール同様、修了後には標題のライセンスを取得できますが、内容の分厚さが他と一線を画します。

      日程はほかのスクールの2~4倍の8日間。学科(座学)39時間、実技39時間で、JUIDA のカリキュラムに加え319ページフルカラーのオリジナルのテキストを使い、オリジナルのメニューに則った学科講義(座学)、実技実習を⾏います。安全運航管理修了検定では、実際の運航を想定した模擬運航シミュレーションを実施。

      ⻑時間の濃密なカリキュラムは基礎を徹底的にしみこませる内容で、学科では海外も含むルールなどの知識、実技では、DJI GO4のカメラ設定やインテリジェントフライトモードの設定、 DJI GS PROのウェイポイント⾶⾏のミッション作成を教えます。講義期間中に「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力」の要件をすべて満たし、ドローン情報基盤システム(DIPS)を使った許可承認申請も体験。一貫して受講生に向き合い続ける面倒見のよさが評判を呼び、米インテル社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社、テラドローン株式会社、株式会社スカイマティクスとの提携にもつながり、現在は修了生向けにより高度な講座も開講しています。
      ビジネス志向の受講生が多く、空撮、測量、農薬散布、害獣調査、スクール講師などの第一線で活躍している修了生が多くみられます。また、イベントなどが開催されるごとに修了生が顔を出す仲の良さ、コミュニティーの濃さも特徴で、魅力のひとつに数えられます。
      料金は受け取る価値を理解したうえで評価すべきとチェックポイントで指摘しましたが、受講料が説明会でのみ示される理由もそこにあります。
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    ・講習:⼀般社団法⼈ドローン⼤学校・JUIDA無人航空機操縦技能証明証・無人航空機安全運航管理者証明証取得セミナー
    ・日程:8⽇間、学科39時間、実技39時間
    ・人数:各期とも定員12人
    ・講師:11人(20〜50代)
    ・機体:Phantom 4 Advanced、Tello Boost Combo
    ・会場:キャンパスは東京、名古屋、瀬戸内、博多に開設
    ・料金:ドローン大学校主催の学校説明会などで説明
    ・備考:修了後も学科講義・実技実習に参加可能。クリスマスパーティーなどのイベント、測量・リモートセンシングなどの修了⽣向け講座を定期的に開催
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    名倉真悟理事長(前列中央)を囲んで記念撮影。結束の強いコミュニティーを形成するドローン大学校

    4-6、Inspire1で2オペ練習 屋外実技はサバゲーフィールド? 日本ドローンアカデミー

      「日本ドローンアカデミー」は、俳優や監督を要請する映画と演劇の学校として知られ、最近では映画『カメラを止めるな!』の製作元として話題になったENBUゼミナールが運営しているドローンスクールで、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールです。「ドローン操縦士+安全運航管理者コース」では、修了生は「JUIDA無人航空機技能証明証」と「JUIDA安全運航管理者証明証」を申請できます。
      座学は東京本校のあるJR五反田駅から徒歩2分の立地。この利便性が注目されがちですが、ドローンを飛ばす屋内実技、屋外実技にそれぞれ別の環境を選んでいることも注目されています。屋内会場は、都内にあるもともとプールだった場所を改装したフィールド、屋外の実習場所は千葉市郊外でサバイバルゲームにも使われる広いエリア。実践重視のため、実技には18時間をかけ、その中にはInspire1という映像作品をつくるための機体で、ドローンとカメラの操作を分担する練習も組み込まれています。
    修了生を対象に、1泊2日の空撮合宿を開催していることでも知られていて、20~70代と幅広い年齢層から支持されています。
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     ・講習:ドローン操縦士+安全運航管理者コース
     ・日程:12日間(座学12時間、実技18時間)
     ・人数:最大10人
     ・講師:3人、現役パイロット、男性、50〜60代
     ・機体:、Phantom2および4、Inspire1、モード1、2
     ・会場:
       座学=ENBUゼミナール(東京都品川区)
       実技屋内=TOKYO POOL LABO Drone Field
       実技屋外=SKY GAME SPLASH(千葉県千葉市)
     ・料金:270,000円
     ・備考:平日コースと週末コースの間で授業の振替が可能など日程に融通がきく余地あり
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    日本ドローンアカデミーの講習風景

    4-7、機体はヤマハ製「YMR―08」 アグリテック人材を強力サポート ヤマハマルチローターアカデミー北陸

      石川県金沢市で病害虫防除、農薬や種子の散布など、農業の現場で産業用無人ヘリコプターを使ったサービスを展開している北陸スカイテック株式会社が、ヤマハ発動機が開発した農薬散布ドローン「YMR-08」の操縦技能を教える「ヤマハマルチローターアカデミー北陸」を運営し、産業用ドローンのトレーニングに力を入れています。「YMR-08」の機体販売も含め、全国でも高い実績をあげていることから注目度が高まっています。
      北陸スカイテックは、無人ヘリによる水稲基幹防除、麦、大豆などの防除、除草剤散布のほか、栽培システムの設計なども手掛け、農業のテクノロジー導入支援を手広く手掛けています。一般社団法人農林水産航空協会の指定校として、無人ヘリの教習も実施しています。
      「ヤマハマルチローターアカデミー」でもサポート精神は生かされていて、座学ではEラーニングを活用。受講生はここで航空法、農薬取締法、食品衛生法などドローンを農業に使うための知識を学びます。実技ではYMR―08の実機を操縦するほか、専用シミュユレーターも用意し練習環境を充実させています。機体の操作や散布のさいの飛行などの農業での基本のほか、突風体験など、現場でのリスク対応も組み込んでいます。
      卒業後も、散布シーズン前に練習会を実施しています。現場で立会いや、整備場の見学や整備士との面談も可能と、サポートの充実も評価の背景にありそうです。
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     ・講習:ヤマハマルチローターアカデミー北陸
     ・日程:新規受講は5日間、別機種取得者は2日間
     ・人数:1教習3~5人
     ・講師:5人、全員男性、30~50代
     ・機体:YMR-08、「ノーマルモード」などを練習
     ・会場:
       座学=北陸スカイテック株式会社本社(金沢市)
       実技=河北潟フライト場
     ・料金:新規受講は280,000円、他機種取得者140,000円

     ・備考:ヤマハマルチローターアカデミー北陸の管理団体は一般社団法人農林水産航空協会。北陸スカイテックはDJIの産業用機向けのマルチローターアカデミー北陸、エンルートや丸山製作所の産業機向けのクロノスアカデミー北陸も運営
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    ヤマハマルチローターアカデミー北陸の講習風景

    4-8、野生鳥獣調査、災害対策の専門家が寄り添う基礎講習 Sky Seeker Academy

      株式会社スカイシーカーは、産業用ドローンを活用した野生鳥獣調査、災害対策などのソリューション開発を手掛けています。実務を担えるだけの高い技術を持つ人材の育成に力を入れる中、初心者向けの講習を求める声もあがるようになり、その声にこたえて開設したのが「Sky Seeker Academy一般技能認定コース」です。

      本業は物資運搬、物件投下、夜間飛行、目視外飛行などの技術を使っているため、高度な技術を教えるスクールと思われがちですが、あくまでも初心者向け。実務に特化した「Sky Seeker Academy (SS.A)特殊技能習得コースA」と区別しています。使う機体はPhantom4シリーズが中心です。
      SS.A専用テキストをベースに、座学では安全に飛行させるために必要な航空法、飛行原理、申請などを学ぶほか、機体の組み立て方、点検事項、アプリによる飛行設定を習得します。受講生が講習修了後に一人で安全に飛行させることができるよう、受講者の習熟にあわせて丁寧な助言をすることで定評があります。要件を満たした修了生には、国交省ホームページ掲載の管理団体でもあるスカイシーカーが「Sky Seeker Academy一般技能認定証」を発行します。
      なお、講師は野生鳥獣調査、点検、空撮などの実務経験を持ち、受講生からは現場のエピソードが役に立ったという声が聞かれます。
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     ・講習:「Sky Seeker Academy一般技能認定コース」
     ・日程:4日間
     ・人数:2人以上10名以下
     ・講師:男性3人、30~40代、女性補助者配置も
     ・機体:Phantom4シリーズが原則、モード1、モード2
     ・会場:戸倉しろやまテラス(東京都あきる野市)
     ・料金:200,000円、別途テキスト代、ライセンス発行料
     ・備考:DJI代理店のため、DJI製最新機種を特別価格で購入できる。実務飛行に特化した「Sky Seeker Academy特殊技能習得コースA」ではクアッドコプターQS4、物資運搬用オクトコプターQS8、Matrice210RTKなどを飛ばし、ズームカメラZ30、赤外線カメラXT2なども使う
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    Sky Seeker Academyの講習の様子

    4-9、日本初のDJI正規販売代理店が運営 機体を熟知した講習 SUSC無人航空機操縦士

      2012年に日本国内初の正規販売代理店としてDJI製ドローンの取り扱いを開始した、株式会社セキドが2017年から運用している技能認証制度「SUSC 無人航空機操縦士」は、東京、横浜、新潟、福岡、宮崎など全国の「SUSCドローンスクール」で受講できます。各地のスクールは順次、国交省航空局のホームページで「講習団体」として掲載されていて、管理団体の「SUSCセキド無人航空機安全運用協議会」も国交省のホームページに掲載されています。
      DJIのドローンを黎明期から知るセキドだからこそ構築できる、ドローンを安全に運用するために必要な、必要最低限の知識や技能の習得が可能な技能認証で、ドローンオペレーターとしての普遍的な心構え、法律、気象、電波などの知識、実用的な飛行の技能、ドローンの最新機能などを網羅しています。3級は入門者向け、2級では業務利用など、より実務的な内容となり、3級の内容に自動航行の操作法などが加わります。カリキュラム受講後の技能審査で認められると、「無人航空機操縦士」の認定書や携帯に便利な認定カードが発行されます。飛行許可申請のさいに添付することで手続きの一部が簡略化できます。
     インストラクターが付き添うフライト練習などを含んだうえで3級は3日間、2級は4日間のカリキュラムですが、料金設定がリーズナブルであるところにも受講生の評価を高めています。なお1級は講師資格。ドローンスクールの講師を目指す受講生の目標のひとつです。ドローン測量に特化した「ICT測量講習」なども展開していますので、終了後の次の目標に設定する人もいます。
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     ・講習:SUSC 無人航空機操縦士
     ・日程:3級3日、2級4日、講師資格の1級4日
     ・人数:最大6人
     ・講師:講師はスクールごとにホームページで紹介
     ・機体:Phantom 4 Pro Plus V2.0、Mavic2 Pro など
     ・会場:全国のSUSCドローンスクールで受講可能
     ・料金:3級125,000円、2級155,000円
     ・備考:技能認証はSUSC 無人航空機操縦士、管理団体はセキド無人航空機安全運用協議会。スクールは東京、横浜、茨城、新潟、徳島、広島、宮崎、熊本、福岡。受講者は飛行技術に関するオリジナル動画コンテンツの視聴が可能。機体などを特別価格で購入可能。業務紹介あり。
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    SUSCドローンスクールの講習風景

    5、最後に~ドローン前提社会を担う第一歩を

      ドローンスクールの個性の一端をご紹介してきましたが、日本にあるドローンスクールは、いずれもそれぞれの個性を磨き続けています。そのほかのスクールもチェックポイントを参考に個性を見抜いて、ご自信の「通う理由や目的」にあった、ナットク!に出会い、ドローン前提社会を担う人材としての第一歩を踏み出されると信じています。

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
  • 2019.10.31

    台風19号被災からの再興宣言 福島ドローンスクール郡山校の思い

    account_circle鬼生田 顕英
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    「一千年に一度の台風」。台風19号はまさにこの言葉が当てはまる災害でした。台風襲来の数日前からネットやテレビは、その危険性を訴えていました。当社は「水穴1番地」という所在地名が示す通り、降水量が300ミリを超えると阿武隈川に注ぎ込む支流の影響から建物の1階部分が水没する恐れがあります。今回の台風予想降水量は400ミリ。今まで聞いたことのない降水量に警戒心も高まりました。(福島ドローンスクール郡山校 鬼生田顕英=寄稿)

    スクール運営のための機体が全滅

    台風19号の襲来に伴う水害で散乱したスクール内部(10月15日、FBから)

      当社が避難を開始したのは10月12日午後。奇しくもその日はドローンスクール開催中でした。もちろんスクールは中断。受講生の安全を第一に考え帰宅を促しました。また、精密機械であるドローンは水没を最も警戒しなければならないため、社内保管場所から専用の車両に載せ替えました。経験から言えば、社屋正面に停車しておけば水に浸かる事はなく、またいざという時に車ごと避難させられると思っての行動でしたが、今回の台風はその予想を大きく上回るものでした。

      10月12日午後から降り続いた雨は阿武隈川の警戒水位を容易に超え、支流河川の堤防を決壊させました。計り知れない量の水が社屋に入り込み、1階部分は水没。2階フロア1メートル付近まで浸水。1階の入り口サッシは「く」の字に曲げられ、関係資料の多くが流される事態となりました。

     

      社屋正面の車も移動する間も無く水没。車内にあったドローンも同じく水没。早く機体を取り出したいという思いを嘲笑うかのように水位は下がらず、ようやく車内を確認できたのは台風が去った翌日の14日夕方でした。スクール運営のために揃えておいたPhantom4機がケースごと全滅する事態にただ唖然とするばかりでした。農業用ドローンMG-1は、たまたま開催されていた福島産業博に展示してあったために事なきを得ましたが、充電器とバッテリーが水没してしまいました。

     

      しかし悪いことばかりではありません。近づくことのできない社屋の状況を確認するために一役買ったのもドローンでした。私用のMAVIC とPhantomが残っていたのです。台風一過とは言え風が強く、風力計を確認しながらのフライトでしたが、水没した会社の様子や阿武隈川周辺の状況を知ることができました。

     

      さて、復旧作業に取り掛かりつつあった時に起こったのが、隣接するメッキ工場からの有毒物質流出事故でした。猛毒のシアン化ナトリウムが近くの側溝から検出されたのです。最も恐れたのがスタッフへの健康被害と風評です。前者については即座に保健所の健康調査を受けましたが、後者については時を待っていては誤解を生みかねません。咄嗟に思いついたのがSNSの活用です。これについても、ドローンで撮影した写真情報をweb上にアップすると言う経験が活かされました。迷う事なく情報を適切に発信することができたと思います。

     

      台風から3週間ほど過ぎた現在、会社の復旧作業もヤマ場を迎えようとしています。スクールも私用のPhantomで急場を凌ぎつつ、水没した機体の修繕に取り掛かっています。

     

      ありがたいことにスクール受講生の動きも止まる事なく稼働しています。水没した機体分、実技講習に不便を感じさせてしまうのが恐縮なのですが、継続できる事に感謝し今後の運営に活かしていきたいと思います。

    受付カウンターを長机で代用して業務再開(2019年10月30日)
    教習も再開。これまで通りの風景が復活(2019年10月30日、FBから)

    経験から学んだ3つのこと

      ところで、今回の経験から学んだことが3つあります。

    ①保管場所について
    自然災害が間近に迫っている際には、100%の安全を確保できる場所にドローンを保管する事。

    ②緊急時の対応について
    緊急の撮影のためにバッテリー充電は完全に行っておく事。また、アプリのアップデートを確実に行っておく事。

    ③保険について
    スクール運営においてドローン機体は大きな財産です。しかし、いわゆる車両保険に該当する保険に加入させていなかったことが今回の致命傷となりました。各保険会社様においては、ドローンの保険制度を更に充実して頂くことを切に希望します。


      今回、災害時においてはドローンが有効であるということを再認識しました。災害状態を把握するため、多くの場面でドローンが利用されていたと思われます。スクールを運営する立場から言えば、より多くの方々にドローンを学んで頂き、緊急時に多くの人命を救う手段としての活用が進むことを祈念しております。また、今後はその願いを実現すべくスクールの運営に臨みたいと思います。

     

      最後になりますが、今回の復旧に際しまして多くの方々から心温まるお見舞いとご声援を頂きました事を感謝申し上げますと共に、今後ともドローン社会の育成に微力ながら協力していく事を再興の宣言としまして筆を置きたいと思います。

    筆者・鬼生田顕英氏

    <筆者>
    鬼生田顕英(オニウダ・ケンエイ)
    1969年生まれ
    駒澤大学大学院(博士課程) 満期修了
    大学院在学中より自動車学校勤務
    2009年より代表取締役
    2018年福島ドローンスクール郡山校開設
    福島県郡山市出身
    曹洞宗僧侶

    5月に開催された福島ドローンスクール郡山校開校1周年記念イベントでは正面玄関に受付が設置された。
    1周年記念イベントでは農業機のデモフライトも行われ近隣から多くの来場者が訪れた
    カレーの屋台。ほかに地元名産のピーマンをねりこんだ「三春メンチ」などが1周年記念イベントに彩を添えた

    AUTHER

    鬼生田 顕英
  • 2019.5.31

    斎藤和紀の「空飛ぶクルマの新産業創出にみる新しい働き方や副業の形」

    account_circle斎藤 和紀
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     ドローン、エアモビリティーが価値ある未来を手繰り寄せると期待される中、世界規模のコンテストで善戦中の「テトラ」に注がれる視線が熱い。テトラとは何か、チームのの取り組みとはどんなものか。その実態について、テトラに詳しいアイ・ロボティクスの斎藤和紀CFOに原稿としてまとめてもらった。以下、そのまま紹介する。(村山繁)

    ボーイングのコンテストへ切り込む侍集団

    テトラの創業メンバー。左から2人目が中井佑氏

     ボーイングがメインスポンサーを務めるGoFlyというコンテストがあることをご存じだろうか。2020年の春までに、軽自動車サイズの空飛ぶクルマ(有人エア・モビリティ)を30km以上飛行させ、そのスピードやデザイン、静粛性などを競うコンテストであり、賞金総額は日本円で2億円を超える。

     実は、このコンテストには日本からも東大発の「テトラ」が参戦している。設計を競う第一フェーズで世界トップ10入りを果たし話題となったことは記憶に新しい。プロトタイプを競う第二フェーズでも好成績を残し、現在、実飛行に向けた最終フェーズへの出場権を手にした。世界では現在31チームがエントリーしているが、テトラはGoFlyの技術陣からも高評価を受けているチームの1つとされている。

     筆者が創業メンバーでもあるアイ・ロボティクスもテトラを技術面などで支援している。そのため、色々見聞きするのだが、テトラに集まる人とその集まり方はまさに新時代の働き方、副業の在り方を示している。デジタルツールを呼吸するように使いこなし、新しい産業を創り出す志の下に集まる、熱狂を帯びたギルドとしての性格を有している。新しい働き方がそこでは体現しているのである。

    生き物のようなギルド組織から生まれるイノベーション

     このテトラのリーダーは東大工学部博士課程に現役で所属する中井佑氏である。開成高校から東大工学部へと進学、傍から見れば順風満帆なエリートコースを進んできた人間だ。普通に研究を続けていれば大手建設や重工メーカーへの道が約束されていたはずだ。しかし、彼はいとも簡単にその道を捨ててしまう。「何かをやらないことの方がリスクだろう」

     中井氏は博士課程に所属しながらテトラを旗揚げした。JAXA社会連携講座の受講や企業インターンなどの経験を通し、企業という形にこだわるよりも「エキサイティングな未来に繋がる活動であれば自然と仲間が集まり、実現に近づいていく」ということを実感したのだろう。中井氏がテトラを旗揚げするために筆者を訪ねてきたのは2018年1月。GoFlyのコンテストに個人で登録していたメンバーに対し、一人ずつ声をかけていったという。

     現在、この若いリーダーの下、実に30人以上のエンジニアやデザイナーが集結している。航空力学の専門家もいれば、航空機エンジン技術者、ラジコン制御の専門家、航空管制の専門家等20代から60代まで様々な年齢層が集結している。彼らは一様にプロであり、昼間は自らの仕事を持つものがほとんどだ。そのプロたちが、就業後になるとSlackと呼ばれるツールで議論を始める、クラウドのコミュニケーションツールで回線をつなぎっぱなしにして設計に没頭する。クラウドツールでプロジェクト管理を行い、議論を行うのだ。

     彼らの機体の組み立ては大手町のビルの中で行われることもある。協賛する大手デベロッパーが場所を提供し、制作や試験を担当するメンバーは夜な夜なこちらに集まって作業をするのだ。その機体を週末になると北関東に運び、飛行テストを行う。メンバーの中には、学生時代に琵琶湖で鳥人間コンテストの夢を追っていた者も多い。彼らを突き動かすのは、空を飛ぶという夢、世界の航空産業にもう一度日の丸を輝かせたいという情熱だ。

    気になる本業との関係

     この30人は全てそれぞれの領域のプロであり専業はいない。メンバーは相当な時間を費やしているとは言え、それは空飛ぶクルマを飛ばすという夢に対しての投資であり、今のところ対価は得ていないのだから副業でもない。全て業務外の時間を当てているのだ。必要があれば有給休暇をとってテストに参加する。

     だが、メンバーのほとんどは所属する会社に対し、副業の申請をして了解をもらっているのも事実である。これは会社の機密情報を持ち出さないという誓約でもあり、ここで得た人脈や情報は本業に還流して活かせるという自信の表れでもある。全員正々堂々とテトラに参加しているのだ。いずれにせよ、企業内で純粋培養されているよりは相当に戦闘力が高まっているはずである。

     一方、テトラにはテトラ・アビエーション(通称TAC)という運営会社が存在している。TACはテトラの資金管理を行い、プロジェクトの途上で発生した知財を管理する。また、GoFly後の事業化の目的を担っている。さらに、TACはGoFlyに参加するための保険の契約や、航空機としての認証をうけるための窓口としての機能も担う。

     TACは、先日、投資家数名から多額の資金調達を行った。その中にはドローンファンドやインキュベートファンドといったベンチャーキャピタルの他、鎌田富久氏、成毛眞氏といった著名なエンジェル投資家も名を連ねている。TACには給与を受け取る従業員が1人もいないが、このテトラの志に集まる30人以上の優秀なエンジニアと、GoFlyのコンテスト終了時に本格的な資金調達を行って事業化の軌道に乗せることの期待に対しての初期投資が集まっている。一方のテトラは現時点では調達資金の100%を機体の開発費に充てるとしている。これも通常のベンチャー企業ができることではない。

     GoFlyコンテスト終了時にテトラは解散し、TACを中心とした事業化フェーズに移ることを明言している。その際に、集まったメンバーはいくつかの選択肢を与えられることになるのだろう。賞金の分け前を受け取って去るのもひとつの選択肢だ。しかし、多くのメンバーは志に対して集まってきたのであり、事業化まで見届けたいと思うに違いない。彼らは本業の雇用主を説得して出資をさせるかもしれないし、ちゃんと雇用契約を締結して副業として業務を開始するかもしれない。退職して転職という道を選ぶものもいるだろう。

     現在、大企業は若者のパワーをうまく使いこなせてはいない。多くの優秀な若者は大企業内で悶々とした日々を送っている。彼らは一様にボールを投げたくても受け手となるキャッチャーがいないという問題を抱えている。テトラはうまくそのボールを受け取る役目を担っているのだろう。企業にとってもよいピッチャーを育てる役目を社外のテトラが担ってくれているのは非常に喜ばしいことではないだろうか。結果として、日本社会には多くの良いピッチャーが育っていくのだ。

     テトラは現在GoFly事務局との守秘義務の関係で多くの開発経過を明かすことができないでいる。しかし、私が知る限り、このフルスケール機体は実験場の中ですでに「飛んでいる」ということを最後に申し伝えたい。空飛ぶクルマはもはや夢物語ではない。

     テトラは引き続き、メンバーとサポート企業・投資家を募集中だ。

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    斎藤 和紀
  • 2019.5.31

    6月1日は“DroneFund設立記念日” 2017年に発足して2年

    account_circle村山 繁
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     日本発のドローン系スタートアップ特化型のファンド、DroneFundが創設されて6月1日で2年になります。2017年5月30日、個人投資家の千葉功太郎さんが創設を発表し、翌々日である6月1日にDroneFundが正式に発足しました。現在、DroneFundはドローンのエコシステムにとって重要なだけでなく、日本経済にとって重要となっています。経済の血液である資金が、ドローンのエコシステムに注がれる流れを築いたインパクトは大きく、6月1日は、日本のドローン経済記念日いっても過言ではありません。DroneFundの2年を振り返りました。(DronTribune編集長 村山繁)

    1号は16億円 2号は世界最大規模の52億円 空も海もカバー

    2017年5月30日の創設発表会でドローンを飛ばしながら発表にのぞむ千葉功太郎氏

     DroneFund(正式名称:千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合)の設立発表は2017年5月30日、東京・永田町のホールで開催され多くの報道陣が集まりました。当時(たった2年前ですが)は、ドローンのエコシステム作りへの関心は高まりつつあったものの、リスクを引き受けて資金を提供する動きが活発ではなく、刺激剤の登場を求めている状況でした。そこにさっそうと登場したのがDroneFundでした。集まった報道陣の多さに注目度の大きさを示していました。

     DroneFund創設を発表した千葉功太郎さんは、その年の春、ドローン関係者が集まった合宿で、6月のファンド創設を予告していました。それまでとそれ以降、準備を入念に重ねて臨んだ発表会でした。

     発表会で語られた内容は、2017年度中に10億円の積み上げを目指すこと、知財管理に力を入れること、ファンドの運用を通じて実現した未来の姿など、いずれも誰かの頭の中にしかなかったものが、言葉、イメージ、金額、組織として具体的に示された画期的な発表でした。投資ステージごとにアーリー、シードなら1000万円~5000万円レベルなど基準が明確で、専門家集団のアドバイザリーボードがあり、特許の共同出願など知財管理をたばねる「Drone IP Lab」もあり、居合わせた多くの報道陣が納得の表情を浮かべていたことを思い出します。そして肝心のファンド規模は結局、翌2018年2月に、目標を大幅に上回る16億円でファイナルクローズしたことが公表されました。

     DroneFundの挑戦はここからさらに加速します。

     16億円のファイナルクローズを発表してから半年たらずの2018年7月31日、千葉さんは「DroneFund2号の設立する」という発表をしました。発表会場は、茨城県龍ヶ崎市にある川田工業が所有する、龍ヶ崎飛行場。バスをチャーターしたうえで報道陣の足回りも確保してまで開催した発表会に、報道陣は千葉さんの「2号」に寄せる強い思いを会場到着前から強く感じとる機会となりました。(ちなみにバスの中で、乗り合わせたササモモさんとずーっとしゃべりっぱなしであったことは秘密です。なにしろササモモさんがずーっとしゃべっていたので、誰かが聞いてあげないと気の毒でしたので。はい)

     発表はやはり、異次元でした。

     会場である空港は貸し切り、千葉さん個人所有する飛行機が置かれ、DroneFundや慶応義塾大学ドローン社会共創コンソーシアムなどが提唱している「ドローン前提社会」をイメージしたイラストが次々と表示されて世界観を想像しやすくする工夫がなされ、イラストに登場する高校生の公式キャラクター「美空かなた」ちゃんに扮した俳優でモデルの諸江雪乃さんがMCをつとめ、ファンドのアドバイザリーボードのメンバーで、マイクロソフトエバンジェリストの西脇資哲さんが発表会をサポートする手厚い体制で発表会が行われました。

     発表された2号の概要も、まずその規模で発表会参加者の度肝を抜きました。総額は「30億円~50億円」。1号ファンドが半年前に16億円でファイナルクローズしたばかりのタイミングで、その2倍以上の資金を集めるという高いハードルを課す挑戦的な目標を設定し、公表したわけです。そしてもうひとつ、1号からの変化がありました。それは出資によって実現する世界観に「エアモビリティー社会」が加わったことです。「空飛ぶクルマ」や「ドローンタクシー」など、移動の自由に貢献する手段を幅広く支援しようとするファンドの姿勢をさらに明確にしたことで、未来像をぐっと引き寄せる効果をもたらしました。

     ここから資金集めと出資の快進撃が続きます。出資、資本提携先としては、米クラウドサービスDroneDeploy、ノルウェーのGRIFFアビエーション、マレーシアのソリューションカンパニー、エアロダイン(Aerodyne)グループ、エネルギーデバイスのスペースリンク、農業用ドローンのナイルワークス、空飛ぶクルマのSkyDrive、テトラ・アビエーションと続き、つい最近、今年5月28日には水中ドローンのFullDepthへの出資も公表されました。そして2号ファンドが調達総額は今年2019年5月7日、「52億円となった」と公表されました。龍ヶ崎飛行場での異次元発表会で示した「30億円~50億円」の高い天井を超えた金額をまとめあげたことになります。

     この間、DroneFundは新体制を発表。ファンド創設時から手を携えてきた大前創希さんが千葉さんと同格の共同代表パートナーとなり、Fundも千葉さんもさらに機動的に活動できるようになりました。千葉さんは2018年12月、ホンダのビジネスジェット機、ホンダジェットエリートの最初の顧客となる発表会で空域移動の重要性を訴え、出資先である自立制御システム研究所(ACSL)の上場を見届け、空の異動革命に関わる官民協議会に出席してエアモビリティー実現の工程表公表に参画するなど、空への参画を強めています。

     日本では令和に時代が切り替わり、ドローンへのリテラシーの高い層が着実に増えてきました。これからさらに増えることが予想され、日本のドローン経済はこれから成長期を迎えます。政府は5月24日に発表した月例経済報告で総括判断の表現を「弱さがみられるものの緩やかに回復」と引き下げました。景気全体に活気が乏しくても、ドローン経済は周囲とは異なる成長を遂げ、日本経済全体の機体を担う立場になることが展望できます。

     

     DroneFund設立記念日である6月1日を前に、これまでを振り返ってみました。DroneTribuneはこれからもドローン前提社会を構築する動きを歓迎します。
    DroneFund: http://dronefund.vc/

    2017年5月30日のDroneFund創設発表会見で
    2018年7月31日、2号ファンド創設の発表は茨城県の龍ヶ崎飛行場で行われた。イラストが多様されドローンに馴染みの薄い層にもドローン前提社会の世界観がイメージしやすい工夫が凝らされた
    2018年12月、ホンダのビジネスジェット、エリートの第1号顧客として発表会に登壇した千葉さん
    ホンダジェットの発表会のさいにも空の移動の重要性を訴えた
    空の移動革命に関わる官民協議会に出席した千葉さん(着物の後ろ姿)は、正面の世耕経産相の話に耳を傾ける

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
  • 2019.5.8

    「ドローン産業エコシステム構築に重要な2つの視点」 春原久徳特別寄稿 

    account_circle春原久徳
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     平成の時代をもって「DroneTimes」はサイトをクローズし、令和の幕開けとともに、この「DroneTribune」はオープンした。まずは新たなドローン関連の情報サイトがオープンしたことに喜びを示したい。と同時に「DroneTimes」の時代を振り返りながら、現在の日本のドローン産業が置かれている地平を見ていきたいと思う。

     「DroneTimes」は正式には2017年の2月にオープンしたが、その前年の2016年8月1日、ドローンに特化したニュースサイトとして仮オープンした。

     日本におけるドローンの認知は、首相官邸への落下という事件から始まったが、その後、2015年12月10日の航空法改正の施行を受けて、ドローンの産業化にむけてのルールとしての土台が決まり、様々な方向でドローンの検討が進んでいった。

     2016年3月にはインプレス総合研究所から、「ドローンビジネス調査報告書2016 」(この2016が最初の報告書で、2017、2018、2019と毎年出版されている)が出版された。(筆者はこの調査報告書のメインの執筆にずっと携わっている)

     その「ドローンビジネス調査報告書2016 」で、“2016年度は、業務利用でいけば、現状の農薬散布や通常空撮に合わせ、観光地のマーケティングを目的とした風景空撮、「i-Construction」に伴う公共道路工事での三次元測量、橋梁やトンネルでの目視検査での利用、メガソーラーでのパネル点検といった市場が立ち上がってくることが予想される。その後、個々の分野においてのルール作りや技術向上が伴っていきながら、その市場が拡大していくだけでなく、新しい技術の登場により、新たな分野での市場が立ち上がっていくことが想定される”としていた。

     その後、農薬散布や空撮といった分野においては、それまでの産業用無人ヘリや有人ヘリといったところからのコスト削減や手軽さといったメリットにおいて、既存業務からのシフトやその利用範囲の拡大といった点で、ドローンの活用が増えてきた。農薬散布に関しては、まだ、産業用無人ヘリが実施している面積には遠く及ばないが、空撮に関しては、映画、TV、CM、ニュースなどでドローンの映像が盛んに使われている。特に手軽になったという点においては、TVのバラエティでの活用はここ数年で相当数増えた。(朝日放送テレビの「ポツンと一軒家」などはドローンの登場で生まれた番組といってもよいのではなかろうか)

     そして、メガソーラーでのパネル点検といった市場は予想通りに立ち上がった。しかし、ここにある橋梁やトンネル、構造物の検査といった市場は、まだ立ち上がっているとはいえないだろう。当然、そこには技術上の難しさというものもあるのだけれど、その問題に加えてソリューションの形をなしていないということがある。メガソーラーでのパネル点検に関しては、エナジー・ソリューションズが、「DroneEye」というドローンに搭載した熱赤外線カメラで検査するだけではなく、自動航行やモジュール検査報告書といった点検業務をソリューション化したサービスとして提供したことが大きく、また、それを自社サービスというだけではなく、パートナーモデルとして展開していったことも大きい。これは今後様々なドローンのソリューションサービスを展開していきたい企業にとって示唆にいまだに示唆に富んでいる。

    http://www.energy-itsol.com/service/droneeye.html

     その後、屋根の点検に関して、CLUEやテラドローンなどからソリューションが発表され、2018年ぐらいから定着してきている。

     その他、日本国内において、2018年までに業務として立ち上がってきているのは、損害保険会社での災害時査定調査といったものがあるだろう。そして、「i-Construction」も公共道路工事におけるルールとしては、かなり広まってきているけれど、それを現場が十全に活用しているかといえば、まだまだ遠いだろう。

     「平成」までは上に記したような市場において、その業務としての立ち上がりは示してきたが、それ以外は実証実験から、分野によっては実用検討段階に入ってきたものもあるといった状態だろう。

     特に2015年~2018年度ぐらいまで「国プロ」といった国の研究開発予算をベースとした実証実験に頼っていたこともあり、「国プロ」に関しては、日本全体における社会課題の解決に向けての技術向上といった面はあるが、その一方でコストやビジネス性の考慮が少なくなりがちという要素もあり、社会実装にむけて工夫を強いられている。

     2017年度ぐらいから、民間でのドローン関連の投資も進んできており、各民間企業のドローンを産業化するための実証実験も多く行われてきた。ただし、「国プロ」と違って、民間においては、その実証実験の検証結果をベースに一定期間ごとに企業が評価し、その中でその効果があるといった判断の上、実用化のステップが踏まれていく。

     その他、産業として立ち上がったのは「操縦スクール」というものがあったが、実際の業務活用がまだ進んでいないといった点や、実用化の過程において、そのスキルのかい離(航行アプリケーションや業務知識などの不足)がみられることもあり、多くの「操縦スクール」がその方針の見直しを迫られている。

     ここに示してきたように「DroneTimes」の時代は、業務としてのドローン活用は一部の分野であり、実証実験が主体であったことは間違いない。

     そういった意味では、メディアも含めたドローン産業のエコシステム(お金が回る仕組み)は未熟であったといえる。中国や欧米でも、エコシステムが回り出したとはいいがたい部分もあるけれど、それでも、もう少し広い分野において、ドローンの業務活用が進んできている。この日本での遅れにおいて、私自身を含むドローン関連者は反省をしなければならないだろう。

     令和が始まり、「DroneTribune」の時代が始まった。

     何としてもドローン産業のエコシステムを構築していかねばならない。
    ここにおいて、重要な視点は2つである。

     まず、1つが、今できること、そこにあることから積極的に使っていくということである。

     ドローンも業務活用という点からみれば、その道具に過ぎない。日本ではその製品化やサービス化といった点において、レベルの高さや完全性というものを求めすぎる傾向がある。ドローンもその他のAIなどの技術と同様に、日々技術向上をしていく世界である。いつまでも完成などに到達しないといってもよいだろう。ドローンも現状の状態でも十分に活用可能な部分は多いだろう。また、そこにおいて、世界の技術を積極的に取り入れるべきだ。特にアプリケーションやソリューションという点においては、世界はどんどん進んできている。

     2つめは、業務に対してのソリューションという視点だ。ドローンを道具と見立てた時に、何を改善・解決するものなのかという視点だ。そして、そこにはその投資に対する見返り(ROI:Return of Investment)を明確にしておく必要がある。

     特にドローンは、フィールドに関わるもの、農林水産業や建築・土木、そして、各地方(物流や災害対策など)で使われる場合も多いし、そこでのソリューションも多い。

     けれども、そこに欠落しがちなのは、使う側からみたROIの視点である。ドローンを公共事業にしてはならない。この財源が枯渇している国で、そこに頼れば未来はない。その財源を助けるものにいかに出来るか。コスト削減や付加価値向上といった視点であり、ドローンのサービスやソリューションの提供する企業は、具体的にその提案を作成し、それによって事業推進していくことが重要だ。

     令和の号砲とともに、そのスタートが切られ、「DroneTribune」にはそういったニュースが多く掲載され、そして、その事業を拡大させるために、広告を出稿していくといった循環が築かれんことを望む。(寄稿)

    すのはら・ひさのり ドローン・ジャパン株式会社取締役会長、一般社団法人セキュアドローン協議会会長、一般社団法人ドローン自動飛行開発協会代表理事。ドローンの業務活用や農業活用のコンサルティングを行っている。三井物産のIT系子会社三井物産デジタル、日本マイクロソフトを経て、2016年にドローン・ジャパン株式会社を創業し現職。2016年からはドローンエンジニア養成塾も企画。

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