神戸市は4月17日、神戸市中央区の三宮の繁華街に隣接する生田神社でスピーカーを備えたドローンを飛ばし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出を控えるよう空から呼びかけた。ドローンの運用は一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が担った。
神戸市がドローンを飛ばしたのは、兵庫県には4月7日に特措法第32条第1項に基づく緊急事態宣言が発令されたにも関わらず、県内最大の繁華街の玄関口、三ノ宮駅周辺の人手が目標ほどに減っていない事態を重くみたため。この日は、DPCAのパイロットが生田神社からスピーカーを装備したMavicを飛ばし、上空50メートルほどの高さから「兵庫県には緊急事態宣言が出ています。みだりに外出しないようにしましょう」と女性の声で呼びかけた。
呼びかけた声は地上で明瞭。関係者は「ドローンからであれば呼びかけが広範囲に届く。地上でもはっきりと聞き取れる。新型コロナウイルス感染症対策での一環としてドローンをもっとうまく使うべきだと思う」と話し、この日のドローンの有効活用への手ごたえを感じていた。
新型コロナウイルス感染症への対策としては、世界各国でもドローンが殺菌剤などの散布、監視、輸送、呼びかけなどで活用されている。DPCAはこうしたドローンの有効活用を、災害協定を締結している自治体などに提案しており、賛同を表明した神戸市で今回の取り組みが実現した形だ。
この日は兵庫県や県の要請をうけた神戸県警も外出自粛を呼びかける活動を展開。夕方には三宮の繁華街で制服姿の警察官が通行人に外出自粛を促した。今後、福原エリア(神戸市兵庫区)や神田新道エリア(尼崎市)、魚町リエア(姫路市)などの歓楽街でも、同様の活動を実施するという。