エアロセンスが新型VTOL機「エアロボウイング」を発表 航続距離50㎞、価格は500万円から

2020.08.12

  エアロセンス株式会社(東京都文京区)は8月6日、都内で新型VTOL機の発表会を開いた。「AEROBO wing(AS-VT01)=エアロボウイング」と名付けられた固定翼産業用ドローンは、1kg までの荷物を搭載して垂直離着陸を行い、最大時速100kmで航続距離は50kmとなる。発表会に登壇した佐部浩太郎代表取締役社長は、1年間で100台の販売を目指すと語った。

測量・点検・物資輸送など多岐にわたるソリューション向け

新型VTOL「AEROBO wing(AS-VT01)」とエアロセンスの佐部浩太郎社長

 今年で設立から5周年を迎えたエアロセンス。佐部浩太郎代表取締役社長は新型VTOL機「AEROBO wing(AS-VT01)」について「FRPで空力性能に優れたデザインにし、チルトローターと推進ローターをあえて別に装備することで、パラシュートが不要な安全な飛行が可能になる」と説明する。

 同社では、これまでにもVTOL機の開発に取り組んでおり、従来機は、単一のローターが回転する構造で、離着陸と水平飛行を担っていた。それに対して、新型機では、マルチコプターのように離着陸用の4つのローターと、水平飛行用の1つのローターを備えた。その結果、旧型機に比べて安定したホバリングを実現し、緊急時の対応も安全性が増したという。

 また、新設計の機体は軽量かつ強靭なFRP製。羽を取り外せばコンパクトになり、輸送、運送の利便性が高まった。会場では、軽さを示すために佐部社長が機体を持ち上げてみせた。

 新型VTOL機「AEROBO wing(AS-VT01)」は、これまで同社が提供してきたマルチコプターのAS-MC03-Tに比べて、航続距離は50kmと5倍になり、1kgのペイロードで空撮や測量が可能になる。佐部社長は「鬼怒川の2kmに及ぶ河川のモニタリングに、これまでは3日で30フライトが必要だったが、エアロボウイングなら20分で完了します。精密農業や測量など、1回のフライトで広域を飛行できるので、効果の出るソリューションを提供できます」と話す。

 「AEROBO WING(AS-VT01)」の導入には、本体の価格に加えて、測量などで利用するカメラと、飛行制御のためのPCやソフトウェアも必要になる。また、年間の保守料は、本体価格の1割となる50万円を予定している。

【AEROBO wingの主な仕様】
 機体名称 AS-VT01
 外形寸法 プロペラなし(mm) 2130 x 1200 x 450
 本体重量(バッテリー込み)(kg) 8.54kg
 最大離陸重量(kg) 9.54kg
 最大搭載可能重量(kg) 1kg
 最大使用可能時間(分) 40 分
 最大飛行距離(km) 50km
 最高速度(km/h) 100km/h
 巡航速度(km/h) 75km/h
 飛行可能風速(m/s) 10m/s
 飛行制御 飛行計画による自動航行、またはマニュアル飛行
 改正航空法 対応済み。全国包括申請にも対応
 安全機能 飛行中の自動航行/マニュアル操作切り替え
 LED 灯火(赤/緑/白)
 飛行禁止領域への侵入防止設定(ジオフェンス機能)
 自動帰還(無線切断、バッテリー残量低下時)
 自動着陸(GPS 異常、バッテリー残量低下時)
 障害物検出/通知
 フライトコントローラー 自社製フライトコントローラー +高性能アプリケーションプロセッサ(Linux)
 センサー GPS、IMU、カメラ、他
 拡張端子 USB,UART、他

 質疑応答では、1kgというペイロードに対する疑問に対し、佐部社長は「いきなり30kgからではなく、1kgから安全性を確認して広げていきたい」と説明した。ちなみに、空撮用のカメラは固定式で、高速なシャッタースピードにより速い速度で移動しても、正確な撮影が可能だという。今後は、カメラ用のジンバルも開発していく計画がある。海外の高性能なVTOL機に比べほぼ半分の価格となり、国内生産という点からも、産業分野で高い需要があるとエアロセンスでは期待している。

機体の底にカメラが取りつけられている
いいね!と思ったらシェア!
関連するタグ
関連する記事