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ブルーイノベーション株式会社(東京)が、開閉式屋根を持つドーム施設、「仙台市屋内グラウンド(通称:シェルコムせんだい)」の漏水箇所をドローンで特定したことを報告している。天井の外装側、内装側のそれぞれでドローンを使い分けて点検し、内装側を飛行したELIOS3が特定した。足場を組んで点検するより短時間で危険もなかったという。

屋内活用の拡大に可能性 災害現場などですでに実績

仙台市屋内グラウンドは市民スポーツを中心にイベントなどに活用されている施設だ。仙台市が所有し公益財団法人が運営している。2000年7月に開場した開閉式屋根が特徴で、1050の観客席を備え、硬式野球、テニス、サッカー、フットサルなどに対応する。アイドルのコンサートで使われたこともある。

特徴的な屋根のため点検作業には難しさが伴う。内装では、グラウンド面から天井まで約51mの高さがあり、足場を組むと費用も時間もかかり危険も伴う。外装面だけを点検しても、開閉式の構造を持ち、点検しきれない。今回は漏水箇所の特定を目指したため、雨水の侵入経路となる屋根の外装面に加え、屋根から入った雨水が屋内にしたたる内装面側(天井側)からもそれぞれ別々のドローンを使って点検した。

作業にあたったブルーイノベーションは、外装側をDJI製の「Matrice 3TD」を使って屋外から飛行して点検し、内装側をスイスFlyability社製「ELIOS 3」を屋内グラウンドから飛ばして点検した。特に、内装面側からの点検では、天井裏の空間に入り込むなど細かく点検することができ、漏水箇所を発見につながった。発見した漏水箇所はその位置を3Dマップ上に表示するなどして、特定したという。

建物内側でのドローンの活用については、災害発生現場で倒壊家屋、道路陥没などの内部を点検などですでに使われている。ドローンという言葉は「空高く」など空や航空、空域などとともに使われがちだが、屋内イベントの空撮などに活用促進の余地が見込まれる。

2024年3月に大阪市内の木造モジュール施設「咲洲(さきしま)モリーナ」で行われたドローン体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会、実行委員長、増尾朗・株式会社奈良自動車学校代表取締役社長)では、施設の美しい木組みが特徴の天井の木組みの間を、狭小空間ドローンが飛行したり、FPVドローンで周回したりする様子を、一般来場者の目の前で披露し、屋内活用の可能性を示した。

仙台市屋内グラウンドでの点検に関するブルーイノベーションの報告はこちら

ドームの屋内を飛行したELIOS3がとらえたドーム天井内装側
ELIOS3の飛行前準備
屋根の外側はMatrice 3TDで点検
2024年3月に大阪市の「咲洲(さきしま)モリーナ」で行われたドローン体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」ではLiberawareの「IBIS」が施設の木組み天井を来場者の前で飛行してみせた。

AUTHER

村山 繁
DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
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