航空宇宙・防衛産業の大手、米レイセオン・テクノロジーズ(Raytheon Technologies Corporation、バージニア州アーリントン)は、米陸軍と不審ドローンに対抗するUAS迎撃システムを供給すると発表した。供給するのは不審ドローンを検知するKuバンドRFセンサー(KuRFS)と、可搬可能な迎撃用ドローンシステム、コヨーテ・エフェクター。レイセオンは日本の防衛産業とも共同開発などで取引があり、国内のカウンタードローンへの関心を引き上げそうだ。
レイセオンによると受注金額は2.37億ドルで、米陸軍の低空、低速、小型ドローンの迎撃システム、LIDS(Low, slow, small-unmanned aircraft Integrated Defeat System)に組み込まれ、システムの一部として、精密照準レーダーのKuRFSが高度な脅威検知機能で360度の全方位監視を担い、コヨーテ・エフェクターが迎撃する。レイセオン・テクノロジーズが4月19日に発表した。
この技術を担うレイセオン内部の一部門、レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスのトム・ラリバティ氏は発表の中で「世界的な脅威になりつつあるUASを効果的に検知・迎撃することができる」とコメントしている。
レイセオンはUAS迎撃システムの開発・供給で数多くの経験と実績を持つ。同社は、SM-3迎撃ミサイルやSPY-6レーダーなどの先進的なミサイル防衛ソリューションを米海軍や日本などの同盟国に提供している。KuRFSやコヨーテ・エフェクターは、欧州や中東などの地域で実戦配備され、弾道ミサイルやUASなどの多様な脅威に対処してきた。SM-3ブロックIIAは、イージス艦から発射され、飛来する弾道ミサイルを迎撃するミサイルで、海上自衛隊にも配備するなど日本国内でも関係者の間では話題になった
同社は日本企業とも防衛産業を中心に共同開発や技術移転などで関係が長く、カウンタードローンへの関心を引き上げるきっかけになる可能性がある。