株式会社アイ・ロボティクス(東京)と建設機械製造・販売の光洋機械産業株式会社(大阪市)は共同で昇降式足場と3D壁面作業システムを組み合わせたスパイダーロボを開発したと発表した。高所での作業に順次投入し、他のソリューションとも組み合わせドローンが作業できない人口密集部や、重工業プラントの内部での運用を目指す。
光洋機会はビルなどの壁面に2本の昇降の軸となるマストを固定し、その間に渡した足場で壁面作業ができる昇降足場、『パワーマスト』を持つ。これにアイ・ロボの一定範囲内を上下左右に移動できるウインチ制御式壁面吸着ドローンを組合せた。カメラ、洗車ノズル、塗装ガンなど作業機器を搭載した壁面吸着ドローンが、壁面に吸着しながら作業をする。打音検診、タッチアップ塗装などピンポイントアクションに強みを持つ。壁面での作業をより安全で効率的にするために開発した。
壁面作業は、検査にはドローンが活躍する場面が増えてきたものの、検査で発見した劣化の補修などの作業は人が行うため、結局、足場を建設しなければならないことが多い。倒壊事故、落下・転落などもつきまとい、昨年度だけでも間2万件超の墜落・転落事故が起き、 191人の死亡が報告されている。足場が不要になる遠隔技術を期待する声が高まっていた。
アイ・ロボティクス、光洋機械はさらに開発を進め、現場投入を順次開始。他のソリューションとも組み合わせ、ドローンが作業できない人口密集部や重工業プラントの内部での運用を目指す。(【DF】アイ・ロボティクスはDRONE FUNDの投資先企業です)