商用ドローンの自動飛行をサポートするサービスを手掛けるインドのFlytBase,Inc.は、倉庫にデジタル変革をもたらすうえで自律ドローンの果たす役割が大きいと強調した白書を公開した。ドローンが定期的に倉庫内を自律飛行することの有用性を提唱している。
公開された白書の序文に、以下のような記載がある。
安全性、コスト、収益の向上に向けて、倉庫のデジタル化が世界中で進行している。 IoT、AI、ドローンなどのテクノロジは、RFID、ロボット、およびリアルタイム分析の採用によって生み出されるビジネス価値を高めている。ドローンは、自律的に飛行およびホバリングし、荷物を運搬し、障害物を回避し、屋内および屋外で移動し、艦隊で動作し、遠隔で使用できる。これらの能力を考慮すると、倉庫業務のインテリジェントな自動化についてドローンは中心的な役割を果たせる。
ドローンによるビジネス上の利点は、設備投資やインフラ投資の低さ、商品化されたドローンの利用、および倉庫業務のためのSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)ベースのソリューションによる成長が期待できる。ドローンのクラウド接続性とAPIベースの統合を組み合わせることで、既存の倉庫管理システムが自律型飛行をエンタープライズのワークフローに容易に組み込める。カスタムダッシュボードや4Gまたは 5Gを介した通信によるリモートコントロールと高品質のビデオ録画などの機能は、在庫照合と監査、安全と監視、アイテムの検索と認識など、倉庫アプリケーションでの価値を実現するための鍵となる。
Warehouse 4.0は、研究開発、IT、運用、および上級管理職などの利害関係者により、すでに複数のユースケースに対してPoC(実証実験)プロジェクトを実施している。これらは現在、ドローン艦隊の繰り返し可能な任務を含むパイロットプログラムを実行している。こうした取り組みは、サプライチェーン全体で大規模なドローン配備によるビジネスケースの構築につながる。
倉庫の在庫検索や集計に監査などでドローンを採用したビジネスケースは、大きな説得力がある。そこでは2つの重要な要素がドローン導入の成功とROI(投資効果)を左右する。
1つ目は、GPSのない環境での飛行。倉庫では、継続的な人間の活動と高い価値のある在庫にフォークリフトなどの動く障害物がある。そうした環境で、ドローンが確実かつ安全に、繰り返し繰り返し室内を飛行できなければならない。
2つ目は、認識精度の確立。倉庫内はほこりで覆われ、プラスチックで包まれ、在庫品は通過中に損傷を受け、斜めからしか見えないマーカー(バーコードなど)などの悪条件でも、ドローンが特定の通路やラックにパレット、スロット、アイテムを正確に見つけなければならない。その他に考慮すべき要因には、連続自律飛行、周囲条件、在庫回転率、WMS(倉庫管理システム)との統合の容易さなどがある。
FlytBaseは、インテリジェントなソフトウェア、コモディティハードウェア、シームレスな統合で倉庫でのUAV活用促進を目指すため、これまで蓄積してきたノウハウを白書として公開した。マルチセンサーデータ、コンピュータービジョン、ディープラーニング、モジュラーアーキテクチャー、ハードウェアにとらわれないOSレイヤー、そして複数のフェイルセーフメカニズムを組み合わせたアプローチで、ソフトウェアプロバイダーは、Warehouse 4.0の真の完全自動化へのトレンドをドローンにより加速できるという。
公開された白書のダウンロードはこちら:
https://flytbase.com/warehouse-management/?utm_source=Dronebelow&utm_campaign=Warehouse