ドローン運用人材の育成事業を手掛ける合同会社Kanden DOTs(カンデンドッツ、大阪府大阪市中央区)が、関西電力株式会社の社員ら8人に、ドローンによる電力設備点検に関する技能や知見を授ける講習を実施した。関電は設備点検をグループ内で遂行できる体制づくりを目指していて、今回の講習が体制づくりへの前進となる。講習は10月4~7日に行われた。
Kanden DOTsによる講習は、姫路第二発電所全体(兵庫県姫路市)の外部設備の日常点検に向けて行われた。受講者は関電社員4人と、発電設備の運営、管理を手掛ける関電が100%出資する株式会社関電パワーテック(大阪市)の社員4人の8人からの出向社員で、DJIの業務用機、Matrice 300 RTKを設備内で自動航行させる方法などを学んだ。
関電は8人でドローンによる設備点検をスタート。その後順次、運用者を拡大する方針だ。関電が進めているDX推進の取り組みを加速させる狙いもある。
関電は点検について、作業員の危険回避と安全確保、精度向上、コスト削減、点検結果のデータ化などを目指し、スマート保安の導入を進めている。姫路第二発電所で、株式会社オプテージと自営で構築できるローカル5Gを活用するスマート保安の実証実験も進めており、ローカル5Gの予備免許も4月に取得済みだ。
Kanden DOTsは関電パワーテックと、ドローンの運用や操縦講習などの事業を展開する一般社団法人DPCA(京都市)が折半出資して4月に設立したドローン操縦士養成の講習事業を行う会社。送電線や鉄塔などがそろう関電の研修施設、茨木研修センターで点検を想定した講習を提供している。関電とDPCAは2017年に業務提携しており、電力設備の点検を見据えた講習で豊富な実績がある。