ドローンスタートアップ特化型のベンチャーファンドDrone Fundは、一般財団法人先端ロボティクス財団(ARF)が2020年6月28日から7月5日に開催予定の協議会「第1回先端ロボティクス・チャレンジ(ARC)」に参画し、Drone Fund Awardを提供すると発表した。出場チームから最大3チームを選抜し、起業準備に50万円、起業が実現したら500万円の資金を提供するほか、Drone Fundから専門スタッフを6か月間メンターとして派遣するなど、経営的、財政的に支援する。
先端ロボティクス・チャレンジは大規模地震の発生を想定し、ドローンなど飛行ロボットを使って人命救助に取り組む災害対応の競技会。救急車のルート確保、SOS発信者の発見と救難物資の配送、倒壊家屋の要救助者の捜索など、部門ごとに協議する。応募して参加が認められたチームには200~300万円が助成され、優勝すると1000万円の賞金が授けられる。
主催する先端ロボティクス財団の野波健蔵会長は、競技会開催の目的を「若手の人材育成、スタートアップ文化の醸成、ドローン産業の振興。技術があるのにお金がないから出られないとは言わせたくない」と説明。12月20日まで参加を受け付けていて、1月に選抜審査のためのプレゼンテーションを実施する。
今回提供されるDrone Fund Awardでは、Drone Fundが競技会に出場するチームを独自に審査し、起業を目指すチームを選ぶ。Drone Fundが最大3チームに、財政的、経営的なサポートするほか、大企業への橋渡しまで一気通貫で提供する。参画する目的についてDroneFundの千葉功太郎代表パートナーは「ドローンのエコシステムを強化し、起業前から若手人材を支援したい。大学、研究室などにイノベーティブな出口戦略を提供、支援したい。“まだ研究段階”というところを掘り起こしたい」と述べた。
DroneFundの大前創希共同代表パートナーは「競技会で出てきた企業がDroneFundファミリーになって頂ければありがたい」と今回の参画に期待を表明した。野波氏は「日本の沈滞ムードに風穴を開けたい」と意気込みを述べた。