8月1日の「講習団体」は820に 航空局がHP更新 “重複カウント”増加で比較困難に

2020.08.13

 国交省航空局は8月1日付けでHPに掲載する「管理団体」、「講習団体」の情報を更新した。管理団体は先月(8月)と変わらず49、講習団体は先月から20増えて820となった。講習団体では24件が新規掲載となった一方、4件が姿を消した。講習団体は、「操縦者に対する講習等を実施する団体」だが、一つの事業所が、複数の技能認証を別名義で提供することで、ひとつの事業所が複数の団体として“重複カウント”されるケースが急増している。講習「団体」数は事業所数とはもとより一致しないが、このところの増加が目立ち、実質的には、スクールとして掲げられている看板の枚数(件数、本数)になりつつあることに留意が必要だ。

「底上げ」に一定の役割も、内容にバラつき、団体数≠事業所数、レベル4での役割、など議論本格化へ

 数字を機械的に整理すると、49ある管理団体のうち、傘下に抱える講習団体が10以上ある管理団体は14だ。このうち一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が169と最も多い。これに一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が156、DJI JAPAN株式会社が119、一般社団法人農林水産航空協会が78、一般社団法人無人航空機操縦士養成協会が34で追う。

 ただ、この「団体」の数は、法人や事業所の数と必ずしも一致しない。複数の技能認証を、複数のスクール名(講習団体名)を掲げて運営すれば、ひとつの事業所でも個別に「団体」としてカカウントされる。ひとつの事業者が別の顔でも1団体とカウントされることになり、たとえて言えば、プロデューサー、古坂大魔王とアーティスト、ピコ太郎を、2人と数えたり、歌手、加山雄三と作曲家、弾厚作を2人と数えたりする状況に似る。

 最多のJUIDAは、認定スクールの重複カウントがみられず、事業所の数とほぼ一致する。しかし管理団体の中には、複数の技能認証を発行し、所属事業所が別のスクールとして運営しているところがある。所属団体数を管理団体の規模の目安にすることへの限界はかねて存在したが、その傾向が顕著になってきた。所属団体の数で管理団体の規模を比較する意味は希薄になってきている。そもそも管理団体の規模の比較を目的として公表されているものでもない。

 8月1日に新規に掲載された24の講習団体をみると、管理団体に所属していない団体が5つ掲載されており、管理団体に頼らない講習団体が増えている。DPCAに所属する講習団体として6つが新規掲載されているが、同一事業所がふたつの技能認証を別名義で提供しており、実施的に事業所としては3つだ。

 一方で、ひとつの事業所が、同一名義で複数の技能認証を提供するケースもある。ホームページでは、ひとつの事業所が、複数の技能認証を提供していることを明示しているが、「講習団体」の数としては、技能認証ごとにカウントされるため、1事業所が複数団体とカウントされる。DroneTribuneでは、ひとつの事業者が2つの技能認証を提供している場合に「2刀流」、3つの技能認証を提供している場合に「3刀流」として紹介している。

 こうしたことから、8月1日時点で820ある「講習団体」は、事業所の数ではなく、重複カウントを含め、どれだけの看板が掲げられているかを示す数字となっている。

 現在、ひとつの事業所で提供する技能認証の数としては、株式会社ピットモーターズジャパン(茨城県筑西市)、一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山市)、株式会社スペースワン(福島県郡山市)の4本が最多で、それぞれ「4刀流」として活躍している。事業所の意図とは無関係に、4団体とカウントされることになってる。

 8月1日付で新規掲載された24の講習団体のうち1団体は、すでに2団体を運営している事業所で、今回の掲載で「3刀流」の事業所となった。また2事業所が「2刀流」になった。

 なお、「管理団体」、「講習団体」については、今後の環境変化への対応も議論の対象だ。2022年度を目安に「レベル4」の飛行を解禁とする準備が進むと、2017年に「操縦の底上げ」を目的にはじまった「講習団体」「管理団体」のありかたも論点になる。

 現在は、航空局ホームページの「無人航空機の講習団体及び管理団体一覧」に記載された講習団体等の講習修了者は、「飛行許可を受ける際に当該講習団体等が航空局HPに掲載された日以降に発行した技能証明書等の写しを提出することで申請書様式3及び無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性の提出が不要となる」と定められている。「レベル4」解禁に向けた議論が本格化する中では、この規定の適否や改変が議論の対象となる。

 すでにスクールごとに、指導の巧拙、内容、密度、方針に大きな開きがあることも指摘されており、レベル4時代に向けた議論は、これまで国内のドローンの普及に一定の貢献してきたスクールに、新たな方針の策定や戦略の構築を促す局面がありそうだ。

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