自動車学校によるドローンスクールネットワーク、全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)の第1号となった福島ドローンスクール郡山校(福島県)が5月12日、昨年4月に第一期生を迎えて1年が経過したことを記念したイベントを開催した。ジドコンでの一周年記念イベントとして一番乗りで、デモフライト、体験会、専門家の講演などを実施し多くの人出でにぎわった。今後もドローンの魅力を発信し続けるという。
イベントを開催した福島ドローンスクール郡山校は、富久山自動車学校(福島県郡山市)が昨年2月に開校、4月に第1期生を迎え入れた自動車学校系ドローンスクールの草分けだ。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定校のひとつで、この1年で約50人の修了生を輩出し「操縦技能証明証」「安全運航管理者証明証」の交付につなげた。3月に開催された大型展示会JapanDrone2019では「JUIDA SCHOOL AWARDS 2019」で表彰でも取り組みが表彰された。
イベントでは、ドローングラファーで有限会社クレセントエルデザイン(東京)代表取締役社長の渡邉秋男氏が講演を開催。午前の講演では、渡邊氏のチームが製作にかかわった有名CMのシーンを投影しながら撮影秘話を披露したり、拠点にしている富士山に関わる豆知識をクイズ形式で紹介したりして会場をわかせた。
特に富士山山頂でドローンを飛ばそうとすると、気圧が標準気圧の3分の2であるため勝手が違うこと、など撮影経験者ならではのエピソードは参加者を引き付けた。渡辺氏は午後にも別のテーマで講演を実施した。
この日は、自動車の教習コースとなっているエリアをドローンに開放。農薬散布機のデモフライトでは株式会社NSi真岡(栃木県)の縄野和幸さんが、機体の機能、特徴、利点などを説明したうえで、実機のデモを披露した。見学者からは「農薬はどれぐらい積むことができますか」と質問が相次ぎ、好奇心の高さがうかがえた。これに対して縄野さんが「1リットルです。ただし高濃度のものを少量散布します」と応じるなど、活発なやりとりが交わされた。
体験会ではPHANTOM4を、親子連れなどにフライトしてもらう機会を提供。小学生の男の子と母親の親子連れはお母さんが「ほら、こうすると上がるよ」などと覚えたばかりのレバーさばきを伝えながら操縦に夢中になっていた。初フライトを楽しだ母親は、「クルマのラジコンなら自宅で時々遊んでいるのですが、ドローンは初めて。私もおもしろかった」と感想を話した。そして「来年もやってほしいです」と早くも次年度への期待を表明した。
なお飲食コーナーでは200円のカレーライスや、会場の郡山市に隣接する三春町の名物、ピーマンの香りが高く肉汁たっぷりの「三春グルメンチ」が来場者の人気を集めた。
同スクール室長の鈴木道男専任講師は「福島ドローンスクール郡山校はジドコン系のスクールとして一番に開校した誇りもあり、1周年イベントもジドコンの中で一番にと考え、令和元年の最初の月のうちにという思いもあり本日のイベント開催が実現しました。本業の自動車教習で培った安全教育をこれからもドローンの教育に生かして、安全確保の重要性とともに、ドローンの無限の魅力を伝えて地元での普及に努めていきたいと考えています」と意気込みを語っていた。
福島ドローンスクール郡山校:https://koriyama.fukushima-drone.com/