山梨県早川町が4月22日、廃校を再生させた宿泊型研修施設「ヘルシー美里」を会場にドローンの知識や操縦を伝授する「南アルプスドローンスクール」の開校式を開いた。スクールの運営主体は早川町。一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)に加盟する認定スクールで、自治体がスクール運営者に名を連ねたのは早川町が初めてという。スクールの名付け親でもある辻一幸町長は開講式で「ドローン振興にお役に立つ町として、町のさらなる個性化も目指したい」とあいさつした。
「南アプルスドローンスクール」は2泊3日でJUIDAの操縦技能証明証などを取得するための講習が受けられる宿泊型のドローンスクール。自前の指導者はおらず、辻一幸町長は「指導者の育成をまずはしたいと考えています」と話す。当面はドローンの人材育成などを手掛けるドローン・アイティー株式会社(横浜市)が運営する「横浜ドローン・アイティー・スクール」などがインストラクターを派遣する。開校式にはドローン・アイティー株式会社の金子信洋代表取締役や、インストラクターの宮沢雅幸氏が駆け付け、講習で用いられる機体や、株式会社石川エナジーリサーチ(群馬県太田市)が開発した農薬散布向けのドローンの飛行を実演した。
スクールは1年間に4回開く計画で、第1回は6月24日に始める。
開講式で辻町長は、「南アルプスを背景とした370平方キロメートル広大な山峡のまちで、これからのまちづくりの一環としてドローン振興にお役に立つためにスクールを開校することになりました。同時にまちのさらなる個性化を目指し、スクールを核としたドローンアドベンチャーの町をめざす早川町でありたいと考えています」とあいさつした。
来賓として参加したJUIDAの鈴木真二理事長は、「JUIDAのスクールとして現在、海外も含め270校が活動していますが、自治体としてJUIDAスクールに取り組むのは早川町が初めてです。辻町長には改めてお礼を申し上げたいと思います。早川町を訪れましたのは本日が初めてですが、実証の場として非常にすばらしい環境だと感じました。ドローンの活用を広げる活動をぜひ一緒に続けて頂ければと思っています」とあいさつした。
式典は、スクールの会場となるヘルシー美里の敷地に大型のテントを準備して、地元の官民関係者、県の関係者、ドローンの事業者ら50人が参加した。