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  • 2025.2.27

    自動ドローンとAI編集で自撮り動画提供サービス「SKYPIX」 fly、JAL、JTBが寒霞渓で3月から

    account_circle村山 繁
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    fly株式会社(東京)、JAL、JTBは2月26日、QRコードをスマホで読み込めばドローンが自動で飛んで撮影し、映像をAIで編集して利用者に届けるサービス「SKYPIX」を開発したと発表した。3月1日に瀬戸内海国立公園の寒霞渓(かんかけい<香川県小豆島町>)で実証を始める。実証中の利用料は1組2000円だ。説明会でflyの船津宏樹社長は「ドローンに触ったことがなくても、飛ばし方を知らなくても、許可の取り方を知らなくても、ドローンでの空撮や自撮りができます。ドローンを使ったことのない方にこそ楽しんで頂けると思います」と話した。flyなどは5月6日まで実証し、8月1日の正式な運用開始を目指す。説明会にはアイドルグループCANDY TUNEの7人も応援にかけつけ会場を盛り上げた。

    発表会は2月26日に都内で行われた。flyの船津社長のほか、株式会社JTB(東京)の森口宏紀常務執行役員、日本航空株式会社(JAL、東京)の宮脇久美子常務執行役員が登壇してサービスの目標や経緯を説明した。またJTBの大津耕平氏がサービス内容を説明した。

    さらに会場に隣接する庭園で模擬飛行の実演が行われ、応援に駆け付けたCANDY TUNEがファーストシングル『キス・ミー・パティシエ』にあわせてパフォーマンスし、ドローンに向かって笑顔を振りまいた。

    SKYPIXの実証は利用者が寒霞渓の山頂第二展望台に設置されている案内板のQRコードをスマホで読み取ると利用できる。メールアドレス登録と決済が完了すると、設置されているドック(DJIのDock2)から格納されているドローン(DJIのMatrice3D)が飛び立ち、予めプログラムされたルートを約2分間飛行して撮影する。利用者は決められた場所からドローンに向かってポーズをとったり手を振ったりすると、寒霞渓の絶景を背景にして自撮り撮影ができる。撮影された映像はAIで自動編集され、現地の風景などをはさみながらオリジナルの動画として、登録したアドレスに送られる。動画が届くまでは30分ほどの時間を見込むが、それより早いこともあるという。

    このサービスの特徴は手軽さと利便性にある。スマホさえあればQRコードを読み込めばよくアプリをダウンロードする必要がない。またドローンの飛行に必要な許可申請はサービスの提供側が済ませていて、利用者が行う必要はない。さらに撮影者がドローンの飛行は自動制御されているため操縦者を用立てる必要もない。グループで出掛けた場合に、一人だけがカメラマンとして写真から抜け落ちる事態も回避できる。英語、中国語など複数言語に対応していてインバウンド対応も想定している。

    事業運営は寒霞渓ロープウェイを運航し関連事業も運営する小豆島総合開発株式会社(小豆島町<香川県>)が担う。SKYPIXは無人サービスだが、利用者の不安やトラブルに備え必要に応じて現地で対応する。寒霞渓ロープウェイは「空、海、渓谷を一度に眺望できることで観光客に知られ、小豆島観光を支えている。小豆島総合開発はDroneTribuneに対し新サービスSKYPIXについて「このサービスを目ざして寒霞渓を訪れる方が増えてくれればうれしいと思っています」と期待を寄せている。

    flyなどが配備するドローンとドックは、現時点では1セットを想定している。ただし利用が増え。待ち時間が長くなるようなことがあれば設置数を増やすなどの対応も検討する方針だ。

    実証は原則、3月1日から5月6日までの金、土、日と祝日の午前9時~午後5時を想定している。実証期間後に反応や改善点などを整理し、必要な検証をしたうえで8月1日に正式に運用を始める計画だ。正式運用の料金は今後検討するが、現時点では2500円から3000円程度と見込んでいる。

    説明会では、ドローンでの撮影に臨んだCANDY TUNEの7人も登壇し、ドローンが撮影した映像をAIが編集した動画が披露されると「かわいい!」「MVみたい!」と歓声を上げた。どこで使いたいか問われると「コンサート会場の周辺でファンの方が使えるといいと思いました」などと期待を寄せた。fly、JTB、JALは説明会で「地域の魅力を引き出して収益化し持続可能な観光にするサービスを目指します」と述べ、SKYPIXをビジネスモデル特許に申請していることも明かした。

    3社のリリースは以下(画像のあと)の通り。JTBのプレスリリースのリンクはこちら

    ドローンやドックなど技術的な説明にのぞむflyの船津宏樹社長
    実演中の船津宏樹fly社長
    CANDY TUNEが見守る中ドックが開きドローンが離陸
    CANDY TUNEがドローンに向かってパフォーマンス
    CANDY TUNEはSKYPIXを「“すかぴ”使いたい♪」「“すかぴ”楽しい♪」などと呼んでなじんでいた
    説明会で記念撮影。CANDY TUNEに囲まれる登壇した3人。左から宮脇久美子日本航空常務執行役員、船津宏樹fly社長、森口浩紀常務執行役員

    日本初!ドローンによる無人空撮サービス「SKYPIX」を開始

    ~持続可能な観光地づくりに向け、絶景を手のひらへ。~

    株式会社JTB(本社:品川区 代表取締役 社長執行役員:山北栄二郎、以下「JTB」)、fly株式会社(本社:目黒区 代表取締役社長 船津宏樹、以下「fly」)、日本航空株式会社(本社:品川区 代表取締役社長 鳥取三津子、以下「JAL」)は、観光地の魅力を創出にするため、日本初(※)のドローンを活用した自動無人空撮および、AIによる動画自動編集サービス「SKYPIX」(以下、本サービス)を開始します。3月1日(土)から5月6日(火)の間、香川県小豆島寒霞渓にてサービス実証を行い、8月1日(金)より正式サービスの開始を予定しています。 ※fly株式会社調べ

    HP

    本サービスは、通常では見ることはできない空からの視点で、誰でも気軽に動画撮影や視聴を楽しむことができる日本初のサービスとなります。設置されたQRコードをお客様のスマートフォンで読み込み、決済を行うとドローンが飛び立ち、空からの美しい景観とお客様を、事前にプログラミングされた最適なルートで自動撮影します。ドローンが撮影した映像はAIによって自動で編集され、高画質でインパクトのある映像がお客様のお手元に届きます。アプリをダウンロードする必要はなく、英語や中国語等の複数言語に対応しているため、海外のお客様も簡単にご利用いただけます。

    今後の展開

    本サービスは日本国内、および海外に向け事業展開をする予定です。2027年を目途に国内47か所(各都道府県に1基以上)の設置を目指しています。本サービスが普及し、記念撮影を新たな”体験コンテンツ”に変えていきます。

    〇株式会社JTB

    JTBは、「交流創造事業」を事業ドメインとし、地域・社会課題に対して、人×場所×交流をデザインすることでその解決に取り組んでいます。地域資源を活用した観光コンテンツの開発により交流人口の拡大につなげるとともに、持続可能な地域づくりに貢献してまいります。 ※「交流創造事業」は(株)JTBの登録商標です

    〇fly株式会社

    flyは、ドローンをはじめとしたテクノロジーで「心×躍る×未来」を共育し、プロダクション・エデュケーション・コンサルティング事業を通してチャレンジし続ける集団です。ドローンの可能性を最大限に活かし、新たな分野での活用を進めることで人の心が動く体験を提供し、より豊かな社会の創造に貢献していきます。

    〇日本航空株式会社

    JALは、最上位戦略に掲げているESG戦略を今後も全社一丸となって推進し、「移動」を通じた「関係・つながり」の創造によって、持続的に社会的・経済的価値を創出することで、世界で一番お客様に選ばれ、愛されるエアライングループを目指してまいります。

     ドローンによる自動無人空撮を用いることで、日本全国、四季折々の豊かな観光地の魅力を発信が可能となります。また、観光地における事業者負担も少なく、世界へ向けて情報発信ができると考えています。

    ■本サービスの概要

     ドローンの運航・運用は fly・JTBが行います。各社の役割については以下のとおりです。

    〇株式会社JTB

    ・観光地におけるコンテンツ開発の知見を活かしたSKYPIX事業の企画・設計

    ・事業計画および収支計画の作成、事業体制の構築、運営手法の確立

    ・全国展開に向けた、導入地域の開拓および横展開フローの整備

    〇fly株式会社 

    ・クリエイティブ・産業分野でのドローン運航管理の知見を活用したSKYPIX基幹システムの開発・運用・保守

    ・ドローンの運航管理体制(法規制対応含む)の構築並びに現地運航管理者に対する指導・サポート

    〇日本航空株式会社

    ・お客様操作性向上のため、JALが提供するアプリの知見や客室乗務員によるお客様目線を活かしたアドバイス

    ・JALWebサイト等を活用した観光地の魅力発信と誘客プロモーションの実施

    ■実証運用概要

    期間:2025年3月1日(土)-5月6日(火)

    営業時間:金・土・日曜日、および祝日の9時~17時 ※寒霞渓ロープウェイの休業日を除く

    場所:香川県小豆島 国立公園 寒霞渓 山頂第二展望台

    料金:1回あたり2,000円(税込)

    ※寒霞渓のSKYPIXは、寒霞渓ロープウェイの運行や物産店の運営を行っている小豆島総合開発株式会社が事業運営を行います。

    FLY.INC, JAL, and JTB to start new service “SKYPIX”in March Provide selfie videos with automatic drone and AI editing

    Fly.inc, JAL, and JTB announced on February 26 that they have developed “SKYPIX,” Japan’s first service that allows smartphone users to have a prepared drone fly automatically and take selfies as long as they read a QR code printed on the information board. fly and others will launch the service on March 1. The service will be demonstrated in Kankakei, a Seto Inland Sea National Park (Shodoshima Town, Kagawa Prefecture) on March 1. The fee for the demonstration period is 2,000 yen per group. At the briefing session held on the same day, Hiroki Funatsu, president of fly, Inc. said, “Even people who have never touched a drone, do not know how to fly a drone, or do not know how to obtain a permit can enjoy taking aerial photos and selfies using a drone. In this sense, SKYPIX will be a service that will provide an opportunity for those who have never used a drone to become familiar with and enjoy it. fly and others will conduct a demonstration until May 6, with the aim of starting official operations on August 1. The seven-member idol group CANDY TUNE came to the briefing to celebrate the SKYPIX announcement.

     

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。