電源開発株式会社(Jパワー)と岡山理科大学は1月12日、ドローンで送電線や保護設備である架空地線を自律撮影する技術を開発し、特許を取得したと発表した。電源開発送変電ネットワーク株式会社と実用化に向けた検証や評価を行い、4月からの2021年度に本格的な導入を目指すとしている。
発表によると取得した特許は「自律移動制御システムおよび自律移動体」(特許第6719738号)で、センサー技術や高速画像処理技術でドローンをリアルタイムに制御し、点検業務の安全性、点検質の向上を図る。これにより「従来の架空電力線点検の作業時間から50%以上の効率化が期待できます」としている。
Jパワーなどは「自律移動撮影制御システムおよび自律移動体」 につて、送電設備情報、センサー技術、制御技術、カメラ技術、画像処理技術を搭載したドローンが、自動で飛行ルートを計画し、撮影対象物である送電線・架空地線に接近し、一定速度で飛行しながら精細な画像を取得する技術と説明している。
あらかじめドローンに送電設備情報を入力することで飛行ルートを自動で計画し、撮影飛行中には、複数のセンサー情報、画像処理技術で、GPSに頼らずに撮影対象物と一定距離を保つという。強風などの飛行環境の変化、撮影対象物の状態の変化などに強みを発揮するとしている。
Jパワーなどは、「衛星電波の届かない橋梁下やトンネル内の自動撮影など幅広い用途に活用できる可能性があります」としている。