(プレスリリースの内容をそのままお届けします)パワフルなサーマルセンサーとビジョンセンサー、高精度のRTK技術、32倍デジタルズームを搭載した最高クラスの高性能ドローンが、DJI業務用ドローンのラインナップに新登場
2020年12月15日 – 民生用ドローンと空撮テクノロジーで世界をリードするDJIは、Mavic 2 Enterprise Advancedを発表しました。前モデルから引き継いだ性能は大幅にアップグレードされ、専門性の高いミッションで活躍するDJI業務用ドローンに、新たに高性能ドローンが加わりました。DJI Mavic 2 Enterprise Advancedは、重要かつ複雑な作業でドローンを使用する顧客向けに、作業効率改善を目的として設計されました。業務用ドローンの利用経験者は、Mavic 2 Enterprise Advancedの優れた効率性、最先端のサーマルカメラとRGBカメラ技術、RTKモジュールによるcmレベルの測位精度を実感することとなるでしょう。
「私達は、業務用ドローンの利用者がMavic 2 Enterpriseを工業分野での点検で頻繁に使用していることに気が付きました。そのような点検では、サーマルセンサーやビジョンセンサーの高い精度や解像度が、業務遂行に不可欠です。主要機能をアップグレードさせたことにより、Mavic 2 Enterprise Advancedは、複雑な検査において、理想的かつ必須ツールとなりました。点検担当者は、欠陥や異常をより詳細に特定することができ、効率的に作業やメンテナンスを行えるようになります。また、ファーストレスポンダーや消防隊は、迅速に被害者の位置を把握し、ホットスポットを特定、火災のリスクを確認してから、人員の安全も確保しながら最適な救助プランを作成できます」と、DJIコーポレートストラテジー&コミュニケーションシニアディレクター、Christina Zhangは述べています。
進化したセンサーでパワフルな映像技術を実現
640×512ピクセルのHD解像度サーマルカメラと、1/2インチCMOSセンサーを搭載した48MPビジュアルカメラを特徴とした進化したデュアルセンサーにより、現場の対象を迅速に把握し、情報に基づいた意思決定を下すことができます。サーマルカメラは、30Hzフレームレートと±2°Cの温度測定精度に対応しています。パイロットは、プロジェクトのニーズによって、ビジュアル、サーマル、分割ビューに切り替えて、フィードを確認することができます。Mavic 2 Enterprise Advancedは、安全な距離を保ちながら、HD画像や4K動画を撮影できます。高解像度カメラセンサーは32倍デジタルズームと16倍サーマルズームに対応し、オペレーターは、空撮でしか実現できない詳細な点検を実行し、細部まで確認できます。
他にも以下の機能を搭載しています:
スポットメーター – 対象物の平均温度が表示されるので、パイロットは安全な距離を保ちながら、重要または危険な対象物を監視し、測定することができます。
エリア測定 – 平均温度/最低温度/最高温度をそれぞれのエリアに一致する位置で表示するので、点検員は対象物を素早く査定し、過熱しているかどうかを判断できます。
cmレベルでの正確性を誇る測位システム
新製品DJI Mavic 2 Enterprise Advancedには、DJI RTKモジュール[1]を搭載することができ、cmレベルの精度を実現します。また、NTRIP(インターネットを介してDGPSデータを配信するためのプロトコル)に対応し、簡易点検も可能です。オペレーターは最大240個のウェイポイント(経由点)を作成でき、複雑な環境でも、自動で綿密な点検ミッションを遂行できます。Mavic 2 Enterprise Advancedの軽量かつ携帯性に優れたフォームにより、1分以内でセットアップし離陸でき、高い機敏性を発揮します。上昇下降速度が高速化されたため、複雑な作業環境でも効率的に業務を行うことができます。
[1] RTKモジュールは別売りです。向上した飛行安全性とデータセキュリティ
Mavic 2 Enterprise Advancedは、DJI Enterprise製品に特化された様々なデータ保護機能を備えているため、ユーザーがドローンデータのセキュリティに自信を持つことができ、機密性の高いフライト中に生成された写真、動画、フライトログ、その他のデータの完全性を保護することができます。DJI Pilotアプリで操作する場合、Mavic 2 Enterprise Advancedは、データを保護する機能の1つとして、ローカルデータモード[2]を備えています。ローカルデータモードを有効にすることで、重要なインフラ点検や政府機関のプロジェクトなどの機密性の高い業務に従事する操縦者に、より一層のセキュリティ保護を提供します。機体とリモートコントローラ間の無線リンクは、AES-256暗号化されています。
Mavic 2 Enterprise Advancedには、24GBのオンボードデータストレージとパスワード保護機能が搭載されています。これにより、機体とその搭載データストレージのセキュリティを強化し、機体の物理的破損からもデータを保護します。
新しいMavic 2 Enterprise Advancedにも、飛行機やヘリコプターからのADS-B信号を受信し、近くの航空交通をドローンパイロットに警告するDJIのAirSense[3]システムと、6方向の障害物検知機能[4]が搭載されています。また、オペレーターは、LEDナビゲーションライトを無効にしたディスクリートモードでの飛行、さらに-10°C(14°F)までの寒冷地での運航時には自己加熱式バッテリーを利用することが可能です。
[2]ローカルデータモードについて:https://www.dji.com/jp/newsroom/news/dji-release-privacy-mode-for-drone-operators-to-fly-without-internet-data-transfer [3]アラートシステムであるDJI AirSenseは、ADS-B(放送型自動位置情報伝送・監視機能)を使用し、ドローンパイロットの状況認識を強力にサポートするとともに、飛行中に重要な決断を下す手助けをします。 [4]6方向障害物検知では、左右のセンサーはトライポッドモードでのみ有効です。モジュラー設計で、ミッション生産性を向上
Mavic 2 Enterprise Advancedには、ミッションの生産性を向上させる便利なアクセサリーが同梱されます。
スポットライト – 輝度2,400ルーメンのスポットライトが、夜間や低照度環境下、霧や煙などの照度が十分でない日中に行う作業をサポートします。(※夜間飛行については、国土交通省が定める飛行ルールを遵守してください)
スピーカー – 最大出力音量100デシベル(距離1 m)の拡声スピーカーは、複数の音声録音を保存、またその音声をループ再生することができるため、緊急時に地上チームとのコミュニケーションを可能にし、作業効率を向上します。
ビーコン – 米国連邦航空局(FAA)の夜間の適用免除基準を基に設計されたMavic 2 Enterprise Advancedのビーコンは、4.8 km先からでも目視可能な明るいストロボライトを搭載しています。(※夜間飛行については、国土交通省が定める飛行ルールを遵守してください。) パイロットは、低照度環境下や夜間であっても、より安全に業務を遂行でき、また近くを飛行するドローンや航空機に対しても注意喚起することができます。
DJI スマート送信機 – 5.5インチ1080pの超高輝度ディスプレイを搭載し、直射日光の下でもクリアな視認性を実現します。
Mavic 2 Enterprise Advancedの最大飛行時間は 31分、最大飛行速度は72 km/hを誇ります。DJIの動画およびデータ伝送システムであるOcusync 2.0を搭載し、伝送距離最大10 km[5]の、安定したドローンと送信機間の接続を実現します。 このシステムは耐干渉性も高く、2.4GHzおよび5.8GHzの両周波数帯に対応しています。自動切替にも対応し、アップリンクとダウンリンクのデータストリームに異なる周波数を利用することも可能です。(日本国内は2.4GHzのみ利用可能)
[5]Mavic 2 Enterprise Advancedの最大伝送距離10 kmは、障害物や電波干渉がなく、FCCに準拠している場合(日本国内は6 km)。最大飛行距離の仕様は、無線の接続強度とレジリエンス(復元力)を踏まえた概測になります。特に許可がない限り、ドローンは常に目視内で飛行させてください。また、飛行させる地域の現地の法律や規制を確認してください。価格と販売時期 販売価格:未定 販売時期:2021年4月以降供給予定
DJI Enterprise正規販売代理店: https://www.dji.com/where-to-buy/enterprise-dealers
DJI Mavic 2 Enterprise Advancedの詳細情報: https://www.dji.com/mavic-2-enterprise-advanced
DJIについて民生用ドローンと空撮技術で世界をリードするDJIは、リモート操縦できるマルチコプターの実現に情熱を注ぐスタッフにより創業、運営される、飛行制御技術と手ぶれ補正のエキスパートです。DJIは、プロ、アマチュアユーザーのために、革新的なドローンとカメラ技術を開発、製造しています。DJIは、世界中のクリエイターやイノベーターにとって、空撮技術とツールがより身近で使いやすく、安全になるよう取り組んでいます。現在、北米、ヨーロッパ、アジアに拠点を構え、世界100ヵ国を超えるユーザーが、映画制作、建設業界、災害対策や人命救助、農業、管理保全など多くの産業分野においてDJIの製品を愛用しています。
新製品やサービスが支持され続けている中国DJIの日本法人、DJI JAPAN株式会社(東京)は、5月下旬に開催された「第5回建設・測量生産性向上展 (CSPI-EXPO 2023)」に数年ぶりにブースを出展し、多くの来場者でにぎわう存在感を見せつけた。ドローントリビューンはDJI JAPANの呉韜代表取締役にインタビューし、展示会の手ごたえや日本市場への今後の対応、レベル4の考え方などについて尋ねた。呉代表は日本のドローン市場がこの5年間で、「持つ」から「活用する」に変わったと指摘し「もはや黎明期ではない」と分析した。また昨年(2022年)12月の改正航空法施行で制度が整ったレベル4について、制度整備として理解を示したうえながら、この制度をふまえた製品の投入計画は、現時点ではないと明言した。
――千葉・幕張メッセで開催された「第5回建設・測量生産性向上展 (CSPI-EXPO 2023)に出展した手ごたえは?
呉代表 「出展は4、5年ぶりもことだと思います。新型コロナウイルスによる感染リスクが高いとされた間は出展を控えておりましたので、ユーザーのみなさまと触れ合って直接、声を聞く機会が欲しいと思っておりました。産業用ドローンの用途は5割以上が測量・建設業なので、業界の大型展示会であるCSPI-EXPOに出展をした次第です。かなりの触れ合いができたと思います」
――会場内での講演会では座席数が55のところに250人以上が聴講しました。出展ブースも盛況でした
呉代表 「このスペースの講演で入場者数として過去最多を更新したと聞きました。関心を持って熱心に聞いて頂いたと思います。また出展ブース内では我々のパートナー企業にもノウハウを伝えるセッションが行われましたが、通路に溢れるくらいの人にご覧頂きました。パートナー企業も社会に貢献しておられるプロですので、実際に役に立つ内容が多かったと思います。私も勉強になりました」
――この5年ほどの日本市場の変化とは
呉代表 「パートナー企業のみなさまと話をすると、5年前は持ってはいたけど使ってはいなかった状態だったとおっしゃいます。買ったけど使っていなかった方がいたのが5年前。それが今では使わないと仕事にならないとおっしゃる。ここが大きな変化だと思います。使わずにいられないツールになってきました。もう日本は黎明期ではないですね」
――活用が進んだ背景は
呉代表 「誰でも上手に使えるようになったからだと考えています。自動で飛ぶこともそうです。そうすると、個人の技量は問われません。会社の中で新しく配属された人でもちょっとトレーニングをして勉強すれば測量も点検もできます。そういうツールなのでむしろ使わないといけないことになります」
――市場の成長速度の評価は
呉代表 「ドローンの普及には、機体を作っているだけでは足りません。教育、サービス、ソフトウェア開発など細かなプロセスが重要です。5年間に講演会場でみなさまにたずねたときには、使っている方はせいぜい1割ぐらいでしたが、今回は来場者のほぼ100%が使っておられる方でした。この変化もこうした作業の積み上げによるものと考えています。われわれも市場が求めるコンテンツやツールを開発する必要があり、現在の成長はそのリソースに見合う成長だと思っています。むしろ一気に市場が何倍にもなるようであれば、開発や生産が追いつけなくて困ることになるかもしれません。環境や法律がどんどん新しくなり、われわれもそれに対応することが求められますので」
――いわゆるレベル4飛行の解禁の意義とは
呉代表 「法律には完全性が必要です。人の上で飛ばすための要件がない状態は完全性がない状況なので、その条件を定めることは大切だと思います。レベル4飛行が何に役立つのかを検証できる状態になったと思います」
――DJIとしてレベル4対応をどう考えますか
呉代表 「われわれはボトムアップ型で、ユーザーの皆さまなどから色々とニーズを聞いて、それに合わせて製品やサービスなどを作ります。それによってお役に立てる製品やサービスを比較的高い確率で提供できることになります。現時点でボトムからレベル4に合わせてこんなプロダクトが欲しいという声はないです。レベル4といえば物流が主な用途かもしれません。現時点で、われわれが物流に使っていただきたいという考えを持っているわけではありません。機体をレベル4に合わせて新しく開発、生産、製造することは考えておりませんし、今の二等ライセンスへの対応で、われわれのユーザーの皆さまにはご満足頂けると思っています」
――日本市場での対応は加速させますか
呉体表 「現在の成長スピードを継続したいという気持ちはあります。マーケットがどうなるかは予測不可能な部分もありますので、われわれとしては急激な成長ではなく、自分たちの開発のリソースとアプリケーションのリソースに見合う範囲で増やしていけるようにしたいと思っています。環境はいろいろと変わりますので、実際にそうなるよう、しっかり努力したいと思います」
――努力ポイントは
呉代表 「一番はこれ、二番はこれ、とったようなものは決まっていないのですが、社内それぞれのチームにそれぞれの課題がありますのでそれに取り組むことになります。『DJI CAMP』『DJI CAMP ENTERPRISE』といった産業機導入教育プログラムに力を入れているところもありますが、たとえばいまの課題は国家ライセンスへの対応です。ここではそれをいかに短期間でライセンスを取得できるようにするかがポイントです。時間やコストがかかってしまうと、結局 すべてのユーザーが損をすることになり、ドローンのメリットを活かしにくくなります」
――少子高齢化がドローンの普及を後押しすることはあると考えますか
呉代表 「それはないですね。少子高齢化が課題になっていない国でもドローンの普及は進んでいます。少子高齢化との関連性はないと思います。逆に農業分野では60代以上の人がドローンを使っています。 これは少子高齢化対策ではなく60代がドローンを活用して仕事をしているということです。仕事ができるというメリットがあるということです。付け加えると、ドローンは誰でも使えるツールになってきています。スマートになっています。トレーニングをたくさん積んできた方でなくても、そこまで知識がない方でも、複雑で高度な作業ができるようなツールになっています。少子高齢化に関わらず、高齢者も若い方もドローンを使って社会貢献ができます」
――DJI JAPANは開発チームを持っていますが、日本市場向けの開発は考えていますか
呉代表 「常に日本市場向けの開発をしています。例えば通信。日本の法律や規格に合わせて方式を変えなければいけないことがあります。日本ではこの電波が使えないとか。このほか日本の教育機関のニーズにあわせて特殊な機体が必要なこともあり、常に対応しています。『DJI CAMP』も日本で作った、日本向けの教育システムです。ここも充実させていきます。 例えば測量など、国によってルールが異なる分野がありますので、その国にあったものにします。ただ日本向けの機体などといったハードウェアについては考えていません」
――日本のユーザーへのメッセージをお願いします
呉代表 「ドローンをすでに仕事に取り込まれている方が多いと思いますが、これまで以上にお役に立つものになっていますのでぜひ使ってください。お仕事に役に立つように使って頂けたら嬉しいです」
――ありがとうございました
株式会社ORSO(東京都千代田区、坂本義親代表取締役社長)が、DRONE STARの新モデルを6月6日に発表すると予告した。DRONE STAR公式サイトには発表までのカウントダウンが表示されていて、関係者の期待が高まっている。初代モデルはゲーム感覚のアプリと18gの超軽量機体「DRONE STAR 01」などで構成され、画期的な商品として話題を独占した。学校や塾、予備校といった教育現場を中心に楽しみながら操縦が学べる教材としても高く評価されていて、6年ぶりの新モデルはドローン事業者、教育、IT関係者などから関心を集めている。
DRONE STARの公式サイトには5月下旬、「DRONE STAR NEW PRODUCT Coming soon」と関係者の好奇心を刺激するコピーと、発表までの残り時間が表示された。新モデルの概要には触れていないものの、「楽しみながら学ぶ、新しい体験。」のコピーから「楽しさ」の開発哲学を受け継ぐことが予想されている。
初代モデルが発表されたのは2017年4月で、自宅で操縦トレーニングを楽しめる画期的なコンセプトが話題を集めた。スマホでアプリを起動させ、画面越しに18gのミニドローン「DRONE STAR 01」を飛ばす操作が基本。起動方法から解説した「チュートリアルモード」、機体の位置を空中で保つホバリングの腕前を測定してスコア化する「ホバリング検定」、画面に現れるソフトクリームを避けるゲームを通じて技能向上を図る「ソフトクリームパニック」など、ゲーム感覚で操縦の基本が身につくことが評判を呼んだ。
この当時(2017年4月)はドローン普及の掛け声が高まった時期にあたる。国交省航空局が一定の基準を満たした民間のドローンスクールを「講習団体」と呼びホームページで初公表したのが2017年6月1日で、DRONE STAR発表の2か月後だ。この6月1日は、ドローンに取り組むスタートアップに資金を供給する産業特化型のベンチャーファンド「DRONE FUND」が発足した日(設立の発表は前日の5月31日)にもあたり、ドローンの普及で重要な、人材育成、産業振興の段階を押し上げる大きな節目を演出した。
6年後の現在は昨年(2022年12月)の改正航空法施行で「レベル4」飛行を可能とする要件が制度化され、制度の一環として制定された操縦に関わる国家資格の交付も進むなど、難易度の高い利活用への取り組みが進む。専門化や高難度化の機運が高まる中、ドローンの担い手となるすそ野を広げるための環境整備の必要性も生じていて、新モデルへの期待に直結している。
新DRONE STAR発表は6月6日。カウントダウンがゼロになるまであと少しだ。
国土交通省航空局はドローンの国家資格教育機関である登録講習機関などの監査を担う監査実施団体について、ドローン検定協会株式会社合同会社(佐賀県鳥栖市)、ドローン操縦士監査管理協会(DPAA,東京)、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA、東京)の3団体をホームページに掲載した。 国交省は 今年3月、監査実施大団体の要件を公表し希望団体の申請を受けていた。国交省は 提出された書類等で要件を満たしていると確認した団体についてホームページに掲載する ことにしており、 認定した3団体が掲載された。
監査実施団体はドローンの登録講習機関と登録更新講習機関への監査を実施する団体で、「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」の規定の「外部の者」に該当する。省令では「登録講習機関等監査実施団体」と呼ばれる。 登録講習機関に義務づけられている監査を外部の立場で実施し、航空局に報告を行う。
監査実施団体は5月末時点で3団体だが今後、増える見通しだ。
昨年(2022年)12月、改正航空法施行に伴い、ドローンスクールとして国家資格の教育を担う「登録講習機関」が新たに誕生し、民間団体と併存することになった。国家資格の教育機関である登録講習機関は監査を受け、報告する義務がある。監査は外部の団体が担うことになっており、申請(手続きのうえでは「願出」)を受けた中で要件を満たした団体が、今回認定を受けた。
認定された監査実施団体のうちJUIDAは、 国交省の発表後、監査実施団体としての活動方針を公表した。現在300 超を数える登録講習機関のうちJUIDA認定スクールは140強と半数 に迫る。JUIDAは 認定スクールに対しこれまでにも監査サービスを提供してきた経緯があり、今後も 独立した立場から認定スクールのうち登録講習機関となったスクールを中心に、 経験を踏まえた監査サービスを提供する見通しだ。
JUIDAが公表した内容は以下の通りだ。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(所在地:東京都文京区、理事長:鈴木真二 以下
JUIDA)は、2022年12月5日に施行された改正航空法に基づき、2023年5月19日、「登録講習機関等監査実施団体」となりましたことをお知らせいたします。
1.背景
①登録講習機関等監査実施団体制度創設の背景
国土交通省は 2023 年5月19日付で、登録講習機関等監査実施団体(以下「監査実施団体」)の一覧を発表いたしました。
2022年12月5日に施行された改正航空法では、無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令第六条第七項において、第三者による監査が義務付けられており、今般義務付けられた監査を担う監査実施団体の一覧が発表されたものです。
②監査実施団体の役割と概要
登録講習機関は下図に定めるフローに従い、監査を受ける必要があり、監査実施団体がその監査を担います。監査実施団体は航空局への監査結果の報告が義務付けられています。また登録講習機関は、監査実施団体の作成した監査報告をもとに、監査から一か月以内に航空局に監査報告および是正措置の報告を行うことが義務付けられています。国の定める法定監査となり、かなり厳格な監査となる見込みです。
2.JUIDA の取組
①JUIDA のこれまでの取組
JUIDAは、2015年にJUIDA認定スクール制度を制定し、全国278校※3のJUIDA認定スクールに様々なサービスを提供しております。その一環として、JUIDA独自の監査の枠組みを構築し、他団体に先駆けて監査を実施してまいりました。今後は、監査実施団体としても、長年培ってきたノウハウを活かして JUIDA 認定スクールのうち登録講習機関となったスクールに対して監査を実施してまいります。また、監査を通じて、業界の健全な発展と高度な技能・知識を有する人材を引き続き輩出してまいります。
②JUIDA の実施する監査の概要
JUIDAは下図に定めるフローに従い監査を行います。登録講習機関は自らの責任において監査への対応を行いますが、JUIDAは監査を通じた上での運営上の各種情報提供を継続的に行っていくとともに、図内赤枠で囲った部分については、経験が浅い登録講習機関でも対応ができるよう、外部の機関と連携してコンサルティングサービスを提供します。JUIDAは監査人としての独立性を担保しながら、国の求める書類作成などに慣れていないスクールでも監査に対応できるよう、ワンストップでサービスが受けられる体制を構築しています。
DJI JAPAN株式会社(東京)の呉韜代表取締役は5月26日、千葉・幕張メッセで開催された「第5回建設・測量生産性向上展」(CSPI-EXPO 2023)の「出展者による製品・技術PRセミナー」に登壇し、発表したばかりの空撮用ドローンのInspire3、産業機のMatrice350RTKなどを紹介した。呉代表がドローン経験者に挙手を求めたところほぼ全員の手が挙がって驚く場面もあった。セミナーは盛況で、会場に用意された座席数をはるかに上回る参加者が聴講し、座席の後ろなどのスペースには立ち見の聴講者があふれた。
DJI JAPANの呉代表が登壇したのは、「現場で活躍する最新の産業用ドローンの現状」の演題で開かれたセミナーの最初の10分間。後半では、同社のソリューションエンジニア、木田雄貴氏が登壇し、DJI機の具体的な活用例を紹介した。
呉代表は冒頭に来場者に向けて「ドローンを活用している、という方、ぜひ挙手してい頂きたいと思います」と呼びかけた。会場では一斉に手が挙がると呉代表は「うわ。え。ほぼ100%じゃないですか」と目を丸くし、「数年前に同じ質問をしたところ1割もいない状況でした。短期間でここまで利用して頂けて嬉しいです」と感謝を述べた。
呉代表はDJIが2006年、日本支社が2013年に設立されたなどの歴史や、日本のスタッフは200人であり、研究買発、販売、生産まで担う、深圳の本社以外で世界最大のオフィスであることなどを説明した。また生産買発について、①個人向けのコンシューマ②Inspire3ほか映画、放送などプロフェッシショナル③農薬散布や直播、リモートセンシングなどの農業分野④産業ドローンの4つのラインナップで行われていることを紹介。産業分野で使われてる用途は53%と半分以上が土木・建設、測量であることを伝えた。
また産業機として5月18日にリリ-スされたMatrice350RTKを紹介。継続飛行は55分で、DJI JAPAN設立当初に主力機体だったPhantomが10分未満であったことと比べて、バッテリーなどの技術が進化したことなどをアピールした。このほか通信、衝突防止システムなどの機体の特徴や、サードパーティーを含めたペイロードの選択肢の豊富さを紹介したうえで、PR動画を投影した。
その後は、木田氏が活用事例として中電技術コンサルタント株式会社(広島市)と共同で実施した活火山である桜島(鹿児島県)の火山活動に伴う状況把握、地形変動量調査、土砂移動機構のメカニズム解明などの調査や、豊橋市(愛知県)の防災対策などが紹介され、来場者は しきりにメモを取っていた。
建設機械、測量機器の大規模展示会「第5回建設・測量生産性向上展 (CSPI-EXPO 2023、建設・測量生産性向上展実行委員会主催)が5月24日、千葉市の大型展示会場幕張メッセで開幕し、会場にはDJI JAPAN、アミューズワンセルフ、スペースワン、ジュンテクノサービス、セキド、エアロセンス、みるくる、ルーチェサーチなどのドローン、水中ドローンや関連技術が大量出展されている。DJIはドローンを格納するDJI Dockや、今月18日に発表されたばかりの産業機Matrice 350 RTKを初公開。ほかにも多くがこの日にあわせたコンテンツを披露している。開会前に行われたオープングセレモニーでは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長がテープカットに加わり、ドローンが建設測量分野で欠かせない技術であることを物語る中、ドローン関係事業者の熱の入った展示は5月26日まで続く。
にぎわいは開場前、会場外ですでに出来上がっていた。
会場である幕張メッセの玄関口前には、株式会社アミューズワンセルフのハイブリッドドローン「GLOW」を描いた巨大案内板が登場し、来場者は会場に入る前にドローンを目にすることになる。また24日午前10時の開場前に、会場ホール入場口前で行われたオープニングセレモニーでも、にぎやかさをアピールするかのように、テープカット用のテープが前後2列にはられ、主催者、業界代表ら33人がズラリとはさみを持って並んだ。JUIDAの鈴木理事長もその一人として加わった。谷鉄也実行委員長は「400社を超える出展企業で開催できた」とにぎわいを総括してあいさつしたほか、来賓として登壇した国土交通省のイノベーション担当の森下博之大臣官房参事官は「注力しているBIM/CIM、ICT施工、遠隔化・自動化などにとって、建設機械、測量機器、ドローン、AI、センサーなどは欠くことのできない主要な技術」と述べた。
展示でもドローンは主役である建設機械とともに彩を添えている。
DJI JAPAN株式会社はドローンの格納、充電、離着陸場となるDJI Dockを初出展した。手元のスマホで開閉する様子を実演し、その様子に多くの来場者の足をとめていた。機体を格納するときには離着陸台の左右から箱型の覆いが機体をつつむようせり出して閉じる。機体のプロペラは自動で向きが整えられDockに収まる態勢になる。またDockの周辺環境を監視するカメラも備わり、機体が離着陸するときの安全を確認する。早ければ6月中にも発売となる見込みだ。このほか1週間前に発表されたばかりのMatrice 350 RTKも展示されている。
同社のブースには、株式会社テクノシステム、株式会社kiipl&napなど関係の深い企業がそれぞれの技術をブース内ブースのような形式で展示している。たとえばテクノシステムはUAV支援システム「ランドステーソンUAV」を紹介。ドローンで取得したデータをもとに、作業規定準則などに定めるフォーマットにそった帳票を作成することができ、入力作業を軽減する。
ドローンの販売や人材育成などを手掛ける株式会社セキドは、中国CZIのドローン用のミッションペイロードを紹介している。音声を届けるためのスピーカーなどデジタルボイスブロードキャスティングシステムやライトなどが来場者の興味を引いていた。
NORTEKジャパン合同会社は、手のひらサイズの高精度水中ナビゲーションセンサパッケージ、Nucleus1000を紹介している。音波を出して距離を測る音波発受信部を持ち、圧力計、水温計、超音波式距離計やAHRSセンサーを備え、深度、水底や壁面などまでの距離、姿勢、方位、対地速度などを割り出す水中ドローン向けのアプリケーションだ。油田開発に用いる探査ロボットなどに使われてきたが、ドローンに使えるように応用、調整した。
株式会社スペースワン、ジュンテクノサービスも水槽を用意し水中ドローンを中心に展示している。スペースワンはCHASNGの「CHASING M2 S」を日本で初めて公開した。またジュンテクノは水中ドローンの活用事例を紹介したり、ポータブル電源を開発する中国、エコフローテクノロジー社のポータブル電源や、12分あれば18個の氷が作れるポータブル冷蔵庫GLACIERなどを紹介したりしていて、いずれも多くの来場者でにぎわっていた。
ドローンを使った構造物の高密度測量で知られるルーチェサーチ株式会社は、既存構造物の点群から3DCADに変換するソフトウェア「PINO」を展示している。点群をモデル化するさい、最前面でない点群をつかみ、ゆがんだモデルになってしまう事態を避けるため、簡単な作業で奥の点をつかまずに済むよう工夫してある。同社の尾原保弘技術営業部長は「図面のない構造物が多くあり、その現状を再現することに貢献したい」と話す。
また古河産業株式会社は、最大49㎏までの重量物を運べ、飛行中につり荷の横揺れを防ぐ機能を搭載した「EAGLE 49」を展示。株式会社FLIGHTSは高性能でありながらリーズナブルな次世代いLiDAR「FLIGHTS SCAN」を紹介している。株式会社カナモトはレンタルや運用サービスで活用しているFreeflySystems社製マルチコプターALTA X(アルタエックス)を展示し、都心部での送電線作業をこの機体で遂行している様子を動画で紹介している。エアロセンス株式会社は、200haを30分でレーザー計測できる、YellowScanのLiDARを搭載したVTOL機「エアロボウイング」をアピールしている。NTTコミュニケーションズ株式会社もAIドローン開発で知られる米Skydio社の機体やソリューションを紹介している。
ほかにも株式会社みるくる、株式会社テラドローンなど多くのドローン関連企業が、建設機械メーカーなどとともに会場を盛り上げていた。25日にはJUIDAの鈴木理事長が「ドローン、空飛ぶクルマが拓く未来」の演題で「特別セミナー」での登壇を予定してる。26日にはDJI JAPANの呉韜代表取締役が「現場で活躍する最新の産業用ドローンの現状」について、製品・技術PRセミナーとして講演することになっているなど、ドローンの存在感が高い3日間となりそうだ。
ドローンの国家資格を満たす知識や技能を受講生に提供する「登録講習機関」が5月20日現在、300機関を超えた。ひとつの機関が複数のスクールを設置しているケースも含めると、スクール数は460校となった。昨年(2022年)12月5日の航空改正法施行によりスタートした国家資格制度は、講習機関の設立が相次いでいる。国家資格制度以前に、国交省のホームページに掲載を認めていた民間スクールである「講習団体」は1000件を超えていたため、今後も従来スクールから講習機関への転換や新規開設が続くとみられる。
国交省が公開している一覧表によると、登録講習機関は5月19日現在で309件。機関によって地域別スクールなどを複数設置しており(一覧表では「事務所」)、スクールは全国で461校を数える。一覧表には各スクールが対応できる8つの項目ごとに「〇」が表示してあり、全項目対応校は96校だ。
今年(2023年)2月までは一定の条件を満たすと認められた民間スクールが「講習団体」として国交省のホームページに掲載されており、それぞれの講習団体が上位組織の策定したカリキュラムに準拠するなど管理を受けている場合もあり、講習団体を管理する「管理団体」も掲載されていた。
国家資格制度に移行後は、講習団体、管理団体の区別はなく、国家資格の知識、技能を提供する機関は「登録講習機関」に統一されている。準拠する講習内容は国が定めている。
一方、ひとつの機関が複数のスクール(一覧表のうえでは「事務所」)を運営するケースはあり、一般社団法人農林水産航空協会は32校、一般社団法人DPCAが31校、日本無人航空機免許センター株式会社(JULC)は28校、日本ドローン機構株式会社は8校、株式会社先端技術無人航空機トレーングセンターは8校、一般社団法人ドローン大学校は6校、株式会社モビリティテクノは6校を展開している。なお旧管理団体が引き続き指導、管理、手ほどきしているケースも多いが、旧管理団体自身が講習を行わない場合には登録講習機関に名を連ねておらず、一覧表には表示されていない。
旧管理団体の中には、傘下のスクールの登録講習機関への登録手続きを支援し、管理団体自身は講習機関には登録ない団体もある。国家資格創設の環境整備を支援するなどいわば裏方業務をこなしてきた団体も多く、中央省庁や民間スクール、産業界の中には、今後も旧管理団体の活動に期待を寄せる声も多い。