2026年の音楽シーンでも2025年に引き続きドローンが付加価値を引き出す役割を担う可能性がある。ステージとフロアとが一体となった会場の熱狂を保存するツールになり得るうえ、MVの活用法としてさらに効果的な方法の模索も期待される。
2025年中にリリース、または公開されたドローンが使われた音楽シーン関連映像では、2024年末に千葉・幕張メッセで開催された株式会社ジャパンミュージックシステム (JMS、東京・下北沢)主催のライブイベント「RED LINE ALL THE FINAL」の動画(2025年初頭に公開)がドローンの関係者の間で話題となった。
屋根のある屋内の大型会場で、アーティストと来場者の熱狂を通常のカメラのほかドローンがとらえたシーンもまじえた迫力ある映像に、エンタメ産業との共存共栄の模索や、ドローンの屋内活用促進を提案する声も大きくなった。
MVでは福岡県出身の4人組ロックバンド「ジ・エンプティ」の『俺たち大人になれるかな』(2025年8月発売の『覚醒少女』に収録)が話題を集めた。高校の敷地、教室、渡り廊下、屋上などでバンドの4人が力強く演奏、歌唱する様子を、全面的にドローンが印象的にとらえた作品だ。ドローンの操縦したのはドローンレーサーで、一般社団法人ジャパンドローンリーグ(三郷市<埼玉県>)の代表理事としても活躍する高橋亨氏だ。
ドローンはこれまでにもMVやライブ撮影など音楽にいろいろな角度から彩りを添えてきた。一方で、屋内でのイベントの撮影には、閉鎖空間での通信不全、会場や来場者などへの安全性確保、空調が飛行に与える影響、飛行音の音響に与える影響などの不安がつきまとい、主催者がカメラクレーンを使った撮影に切り替えるなどドローン以外の撮影を選択することもある。ドローンによるライブやMVに関する撮影も体系化されたノウハウが蓄積途上で、ドローンの活用がライブや音楽の付加価値をさらに引き出す可能性がある。いわば開拓途上だ。
はじまったばかりの2026年の音楽シーンとドローンとのかかわりにも期待したい。
