サイエンスを楽しむイベント「サイエンスアゴラ2023」(国立研究開発法人科学技術振興機構=JST=主催)の会場開催イベントが11月18日、東京・青海(あおみ)のテレコムセンターではじまり、ユーザー体験デザインの株式会社ORSO(オルソ、東京)が開発した重さ50.5gの部屋で楽しめるドローン、DRONE STAR PARTYを使ったプログラム飛行体験「小型ドローンでミッションにチャレンジ!」が親子連れなどに大人気だ。設定された着陸場所にたどりつけるようタブレットでプログラムし、実際に飛ばして試す体験に、参加した子供たちは没頭し、見守る親も手に汗を握り声援を送っている。サイエンスアゴラは19日まで。参加希望者で事前予約をしていない場合はキャンセル待ちを狙うことになる。
プログラム飛行体験は、研究知シェアリングを手掛ける株式会社A-Co-Labo(エコラボ、東京)と、DRONE STAR PARTY を開発したORSO、サイエンスアゴラを主催するJSTがテレコムセンター1階に設置したブースで実施している。大人も子供も参加できるが、参加者は主に小学生だ。事前予約を済ませた参加者が予定の時間に集まると、先生役のA-Co-Labo代表取締役CEOの原田久美子さんが、ドローンの仕組み、飛ばし方などを説明する。参加者用の席には1人1台、DRONE STAR PARTYとタブレットが置いてあり、参加者はドローンやタブレットに触れながら、原田さんの説明に耳を傾ける。
「飛び上がることを『りりく』といいます。タブレットにりりく、と書いてあるブロックありますか」
「前に進む前進もできるし、宙返りをするフリップもできます」
「計算機のような画面で数字をいれると、どのぐらい進むかを決めることができます」
「電波の関係や、空気の流れの関係でプログラムした通りにいかないこともあります」
「最後にかならず『ちゃくりく』をいれてくださいね。そうじゃないと飛びっぱなしになったいます。じゃあ、やってみましょう。できたら隣で実際に飛ばしてみましょう。今回は2回まで飛ばせます」
参加者はすぐに没頭する。親や見物者が成り行きを見守る。子供にサインをおくったり、助言したりする姿もみられた。
説明をはじめてから10分ほどで、飛行に挑む参加者が出始める。ふたつある飛行場所には、ORSOのスタッフが待機し、子供たちをサポート。「お、はやいね」「おっと、フリップがいっぱいはいってるね」などと盛り上げる。子供の横で様子を見る親もいれば、ネットの裏にまわって子供の雄姿を正面からおさえようとする親もいる。
飛ばしてみると、うまくいこうが、いくまいが親も子も「あー」などと声があがる。中には1回目でゴールにじょうずに着陸させることができる参加者もいて、そのときには拍手があがる。2回まで飛ばせるので、1回目で思い通りの軌道をたどらなかったら、プログラムを修正して再チャレンジができる。2回を飛ばし終えると参加者は「楽しかった。ありがとうございました」とスタッフに笑顔を残していく。
指導役のA-Co-Laboの原田代表は「体験に没頭している表情をみると、私も楽しくなります。楽しいと思ってもらえると嬉しい」と話している。
プログラム飛行体験で使われているDRONE STAR PARTYは、ORSOが「おうちで飛ばせる」を掲げて開発した直径12cm、重さ50.5gの小型ドローン。プロペラガードを標準で装備していて1回の最大飛行時間は7分。撮影可能なカメラもついている。この日の飛行体験中も、ドローンのカメラがとらえた動画が確認できる。
プログラム飛行体験「小型ドローンでミッションにチャレンジ!」の参加者は10月に募集し、募集開始から15分で全枠が埋まる人気ぶりだった。参加者は事前予約が必要だが、回によっては欠員がでることもある。ブースではキャンセル待ちを受け付けていて、18日も、欠員枠に参加したケースがあった。
サイエンスアゴラ2023は社会と科学をつなぐ5日間を掲げ、科学者のキャリア、いきもの、STEAM、ロボット・AI・プログラミング、健康、実験、数学など多角的なテーマを扱い150以上のプログラムを提供する。すでに10月にオンラインイベントが3日間開催されている。18、19日が会場での開催となる。入場は無料だ。