防災訓練にドローンが登場することが一般的になる中、東京都多摩市で9月1日に開催された東京都・多摩市総合防災訓練では一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、自衛隊東京地方協力本部の出展したブースでドローンの取り組みを紹介した。JUIDAはブースに設置したモニターに、同時刻に静岡県で飛行させたドローンが撮影した映像を同時中継した。ドローンの飛行と中継はドローン専門コンサルティング事業を手掛ける株式会社日本DMC(静岡県)が担った。またJUIDAは、陸上自衛隊東部方面隊と協定を締結しており、自衛隊への応援事業を担う事業者として、日本DMC株式会社、一般社団法人ドローン大学校(東京)、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン、東京)を任命し、調印式を行った。
東京都・多摩市総合防災訓練は、東京都や防災関係機関との連携強化で災害対処能力の向上を図る目的で、多摩センター駅周辺で行われた。
JUIDAは自衛隊東京地方協力本部が出展したブースの半分を使ってドローンを紹介。同時刻に、JUIDA認定スクールを運営している日本DMCが、静岡県静岡市にあるスクールでドローンを飛ばし、搭載したカメラから送られてくる映像を、防止訓練の会場ブースにJUIDAが設置したモニターに中継した。モニターには、ドローンが地上52~53メートルの高さから見渡す静岡市内の家並みの様子が映し出された。
また、球状のガードに覆われたスイスFLYABILITY社製の点検用ドローン「ELIOS」の点検風景も動画で紹介した。FLYABILITY社はJUIDAの事務局運営をサポートしているブルーイノベーションと提携しており今回の動画紹介につながった。出展中は多くの来場者が足をとめてスタッフの説明に耳を傾けた。自衛隊関係者も視察に訪れ、JUIDAの鈴木真二理事長や熊田知之事務局長が説明をした。
JUIDAは今年2月、陸上自衛隊東部方面隊と災害時にドローンの運用で活動を支援する協定に締結していて、この日は提携業務の実務を担う事業者と協定を締結する調印式が行われた。JUIDAとの締結式には、日本DMCの小栗幹一代表、ドローン大学校の名倉真悟代表理事、ジドコンの朽木聖好会長が出席。JUIDAの鈴木真二理事長と署名を交わしあった。3機関はいずれもJUIDA認定スクールも運営していて、今後、JUIDAが自衛隊と共同で事業を行うさいなどに活躍が期待される。