一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は11月13日、JR長﨑駅直結の大型MICE施設「出島メッセ長崎」で親子参加のドローン体験会やプログラミング教室を開いた。体験会場では子供たちが夢中になる姿や、子供以上に熱心に見守る親の姿がさらに人の輪を作った。13日には長崎市の田上富久市長も会場を訪れ、ドローンの操作を体験し、可能性を実感した。体験会は14日も行われる。事務局は2日間に延べ200人の参加を見込むが、参加希望が後を絶たず、上振れする可能性がある。体験会は会場の盛り上げに一役買い、新幹線駅開業を控え、長崎にポルトガル貿易船が入港した1571年から450年の節目となる長崎開港450年に沸く祝賀ムードを彩った。
ドローン体験会は「出島メッセ長崎」の開業を祝う「こけら落としイベント 長崎 MICE EXPO ~みんなでつくる長崎の未来~」の催事のひとつとして、JUIDAと株式会社コングレが主催、ブルーイノベーション株式会社が協力して行われた。また、長崎に活動拠点を持つドローンスクールLink長崎、島原雲仙ドローンスクール、西九州ドローンフライトアカデミーが運営を手伝った。
会場となった展示ホール内にネットで特設ブースが設置され、事前に予約した親子連れや、体験の様子に関心を持った多くの来場者がブースを囲んだ。ほかの、地域の特産物を展示するブースや、テクノロジーを紹介するブース、消防、トラック、放送などの体験会などのブースとともに、親子が並ぶ賑わいを見せ、開業を盛り上げた。
体験参加者は小学生で、親子での参加が原則。認定スクールの指導員から電源の入れかた、スティックの操作法などを教わると、さっそく電源を入れ、ネット内にドローンを置いて、操作を開始。ネットの中にはゴールとなる輪がとりつけられていて、上手にくぐると周囲から拍手があがった。親が夢中に助言するほほえましい姿もみられ、通りかかった見物者の好奇心が掻き立てられる様子も見られた。
操縦体験会のほかに、プログラミング体験会も行われた。事前に申し込みを受け受けるとすぐに予約枠が埋まった人気企画で、株式会社ORSOとブルーイノベーションが開発し、JUIDAが監修した小学生から高校生向けのドローンプログラミング教育カリキュラム「ドロミングラボ」をベースとした内容で、タブレット上でアプリを起動し、画面上でドローンの動きを示すブロックを組み合わせたり、その動きの大きさを決めたりして、ドローンの動きのプログラムをつくる体験をする。つくった動きを実際にドローンを動かして確かめ、思い通りの動きをしなかったときに修正をすることなどを学んだ。
体験に参加した小学5年のゆずちゃん、小学3年のしょうくんの姉弟は、この日が初めてのドローン体験。姉のゆずちゃんは「重い通りに動かせたとまではいきませんでしたが、ドローンの操作がどのようなものかということが理解できていい体験ができました」と話した。また弟の小学3年は「ドローンを飛ばしている最中に、どちらが前でどちら後ろだか分からなくなり、思っている方向と違う方向にいくことがありました」などと気づきを得た様子だった。
長崎市の田上富久市長も飛び入りで体験に参加。設けられた輪にドローンを通すことに成功すると、様子をみていた来場者から拍手が起こった。田上市長はドローントリビューンンの取材に「楽しかったです。可能性を実感することもできました。長崎は新しい文化を受け入れる素地もあり、坂や斜面の多い生活空間という特徴も持ち、ドローンと相性がいい側面もあると思っています」とドローンへの関心を高めた様子だった。
体験会の指導を手伝った長崎市のドローンスクール「ドローンスクールLink長崎」の小田美鈴さんは「ドローンは長崎の活性化に役立てると感じています。きょうも体験会を通じてドローンに親しみを持つ人が増えることを願いながら運営しています。ただ地元には自由に飛ばせる場所が乏しいので、これからそういう場所がつくれるようなことにも取り組むなど、ドローンを普及していきたいです」と話していた。
JUIDAの鈴木真二理事長は「多くの方がが楽しんでおられ、イベントが全体としても盛り上がっている印象でした。こうした活動を積み重ねてドローンのさらなる普及につながればいいと思っています」と話した。
体験会は14日も開催される。