イスラエル発祥の防衛システム企業、エルビット・システムズUKは、英国海上沿岸警備庁(MCA)がウェールズ西海岸沖で実施した飛行デモンストレーションで、同社の主力ドローン「エルメス 900」をフライトに、捜索救助(SaR)能力を強化させる力があることや、民間空域での長距離飛行性能を持つことを示した。
デモンストレーションは、英国民間航空局(CAA)の方針に則った形で9月前半の2週間に行われた。分離も制御もされていない空域で目視外のミッションをこなした。
MCAは捜索救助活動の効率性と有効性を向上させること、要員のリスクを軽減することを目指しており、今回の実証の成功が、MCAの能力強化の重要な一歩となる
エルメス900は翼長15m、重量1.2トン。捜索救助専用レーダー、自動識別システム(AIS)、EO/IRペイロード、緊急位置指示無線ビーコン(EPIRB)、衛星通信を搭載し、これまでに海岸線での救助、危険空域での水難救助、国際的な空域線を横断する長距離船の救助を想定したミッションをこなすデモンストレーションも実施している。すでに、世界各国の十数社に捜索、救助、偵察能力を提供している。最近では海上での生存者発見、識別、救命ボートを備えた「Hermes 900 Maritime Patrol」として、救命能力を引き上げている。
エルビット・システムズUKのマーティン・フォーセットCEOは、「MCAに強化された捜索救助能力を紹介する機会を得られたことは光栄だ。エルメス900はMCAのニーズに応えられる装備を持っていて、MCAが救難者の命を救う重要な仕事を、機材面で支えることができることを誇りに思う」と話している。
また、HMコーストガードのディレクター、クレア・ヒューズディレクターは、「私たちは海上での人命救助活動を継続する中で、既存技術を利用するだけでなく、、将来を見据えた取り組みも進めている。遠隔操縦機は、捜索や救助で人命を救う可能性を持ち、汚染から美しい海岸線を守ることができる」とエルメス900を歓迎している。