日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所(日商)、経済同友会の経済3団体は2021年1月5日に東京都内で共同開催を予定していた新年祝賀会と記者会見を中止することを決めた。3団体の幹事である経団連が12月28日に発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた。経済団体の動向に影響を与えるとみられる。ドローンの業界団体、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)も、新春パーティーの開催を取りやめる。
経団連、日商、経済同友会の経済3団体共催の新年祝賀会は経済界の新年祝賀行事として定着しており、首相、関係大臣ら政財界の要人も集う大規模集会だ。大手メディアも取材にかけつけ、首相のあいさつや、経済3団体代表のあいさつ、参加経済人の発言などをこぞって取り上げることが慣例で、新年の経済の始動を印象付ける役割を演じてきた。
2021年の祝賀会について、3団体は新型コロナウイルスの蔓延に伴うリスクを考慮して縮小開催で調整していた。た経済団体側の参加を3団体の幹部に限定し、飲食をとりやめたうえで、療養中の中西宏明経団連会長(日立製作所会長)にかわり、経団連副会長の経験も持つ日本商工会議所の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)が、3団体代表としてあいさつをする段取りなどを想定していた。また3団体による共同記者会見にも、日商の三村会頭、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事(SOMPOホールディングスグループCEO取締役代表執行役社長)とともに、経団連審議員会議長の古賀信行氏(野村ホールディングス特別顧問)が登壇する方向で調整していた。
しかし、感染力の強い新型コロナウイルスの変位種に日本人感染者が確認され、政府がすべての国・地域からの新規入国を一時停止するなど感染対策を強化したことなどから、集会そのものの開催を断念した。新年祝賀会の開催中止は、記録をさかのぼれる1970年以降では例がない。
またドローンの業界団体であるJUIDAもすでに、毎年1月中下旬に開催している新春パーティーの開催取りやめを決定している。新春パーティーには経済産業省、国土交通省、総務省など関係する中央省庁幹部、自民党無人航空機普及・利用促進議員連盟(通称ドローン議連)幹部のほか、事業者、研究者らが参加し挨拶を交わしている。JUIDA理事長の鈴木真二氏が新年のスローガンを披露するなどの恒例行事も行われているが、開催を見送る。鈴木理事長による新年のスローガンについては、別の機会を模索している。
なお、ドローンの大規模展示会「JapanDrone」をJUIDAとともに主催している株式会社コングレは、武内紀子代表取締役社長が経団連で古賀審議員会議長のもとに21人いる副議長の1人に名を連ねている。JapanDroneは従来、毎年春先に開催されてきたが2020年は当初の3月から9月に延期して開催した。2021年は開催の準備期間確保などのため、6月開催を発表している。