ドローンの災害活用を実践している「災害ドローン救援隊DRONE BIRD」は9月25日、千葉県柏市のショッピングモール、セブンパーク・アリオ柏でドローン体験会を開催した。「みんなの防災プロジェクト実行委員会」が運営する防災啓発活動活動「みんなの防災+ソナエ」の一環で、ショッピングに来た親子連れなどが列を作った。参加者の多くは初めてドローン7に触れる小学生以下の子供たちで、DRONE BIRDの古橋大地隊長(青山学院大学地域社会共生学部教授)らの手ほどきを受けて、手のひらサイズのドローンを飛ばして、フロアに広げられたシートに張り付けられたキャラクターのシールをカメラで撮影し、出発点に戻るミッションを楽しんだ。
DRONE BIRDはショッピングモール内のイースト・コートとよばれる屋内広場の一角を区切って体験ブースに仕立てた。区画内のフロアにドローンで撮影した俯瞰の風景写真を引き延ばして敷き、上空から見下ろした風景を再現した。その一か所に人気キャラクターのシールをはりつけた。ドローンは動く範囲を制限するためロープで係留した。
体験会は「被災地調査に出動! ドローンでGO‼」のタイトルで開催された。足元の風景は被災地、はりつけたキャラクターのシールは遭難者のかわりだ。体験する子供たちは、ドローンとプロポの簡単な説明を受けたあと、出発地点のランディングパッドで機体を離陸させ、左右レバーを操作しながらドローンを操縦させた。キャラクターのシールの上空まできたところで撮影をした。被災地に調査に出向き、遭難者を発見する作業の概略を体験したことになる。ドローンの操縦では、日頃子供たちが使っているゲーム機のジョイスティックとの使い勝手の違いに戸惑う子供たちも多く、指導員から助言を受けて修正しながら操縦していた。
DRONE BIRDの古橋隊長は「ドローンに親しみを持ってもらうだけでなく、捜索活動をなんとなくても体験してもらうことがこの活動の趣旨です。防災を考えるさいに、ドローンを使うことを思い浮かぶ人を増やしたいし、実際に使う人も増えてくれたら嬉しい」と話している。
古橋氏は体験会のほか、各地で練習会を開催したり、招かれた講演で防災へのドローンの利用の啓蒙をしたりと活動をしている。この2日前には静岡県御殿場市で開かれた「富士山ドローンデモンストレーション」(慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム内ドローンデモンストレーション実行委員会主催)で、ドローンの団体と自治体との連携の推進や、防災活用の意義などについて講演した。
「みんなの防災+ソナエ」は、体験を通じて防災意識の向上をはかるイベントで、開催地の地元自治体、警察、消防、看護、薬剤師の団体のほか、民間放送も複数参画し、全国各地で活動を展開している。この日の会場となったセブンパーク・アリオ柏でもDRONE BIRDのほかにも、心臓マッサージの体験や、消火活動体験、防災活動に活躍する車両の展示、紙芝居などが行われたほか、特設ステージでは、民放に登場する人気キャラクター、ガチャピン、ムック、そらジロー、BooBoが登場し、日本テレビの「お天気コーナー」で活躍している気象予報士で防災士の木原実さんの司会で防災に関係するクイズを出して、来場者を盛り上げた。