施設に不正にもぐりこみ置いてある端末からネットワークに侵入するリスクが高まる中、施設への実際の物理的な侵入とサイバー攻撃の両方のリスクを確認する診断サービスを、サイバーセキュリティ事業者と警備大手が手を組んで実施する。実施するのはドローンとつながりの深いGMOサイバーセキュリティbyイエラエ株式会社(東京)とALSOK株式会社(東京)。すでに重要インフラ企業、防衛産業などに提案活動を進めており、9月にサービスを開始する計画だ。

GMOインターネットグループでサイバー攻撃対策事業を展開するGMOサイバーセキュリティbyイエラエとALSOKは7月29日、物理空間からサイバー空間まで一気通貫で不正侵入リスクを可視化するセキュリティ診断サービス「ALSOK & GMO サイバー物理ペネトレーションテスト」を開発したと発表した。発表時には東京・用賀のGMOインターネットTOWERに関係者が集まり報道陣向けに説明会を開いた。
「ALSOK & GMO サイバー物理ペネトレーションテスト」は、巧妙化、複雑化するサイバー攻撃への備えのためのサービス。サイバー攻撃では攻撃者が企業や組織などの外からメールなどを通じてネットワークに侵入して重要データの漏洩などを仕掛けるが、サイバー攻撃への防御が進むにつれ、施設そのものに攻撃者が侵入し、施設内の端末を使ってネットワークに侵入する手口が増え始め、金融庁などが警鐘を鳴らしている。このため、物理的に施設に入り込まれるリスクがどの程度あるか、そのうえでサイバー攻撃がしかけられるリスクがどの程度あるか、を同時に診断するサービスを開発した。
テストでは、企業や団体などの依頼に応じて、指定された拠点に侵入するための方法を攻撃者の視点で検討する。拠点には許可された人が開錠したさいに続けて入り込む共連れやICカードの偽装して侵入を試み、侵入に成功したら、不正端末の接続などサイバー攻撃の足掛かりを探索し、ネットワークに入り込んで情報搾取を試みる。攻撃者の視点でテストすることで、防御の脆弱な個所を浮き彫りにする。侵入後には脆弱性や改善策をまとめたレポートを依頼主に提出することで、攻撃への備えに役立てる。
このテストでは、拠点への物理的な侵入の部分をALSOKが担い、サイバー攻撃部分をGMOイエラエが担った。ALSOKは新サービス開発にあたり、物理侵入を足掛かりとしたサイバー攻撃に焦点を当てた、新たなセキュリティ診断サービス「ALSOK物理ペネトレーションテスト」を開発し、GMOの診断と連結させサイバー空間まで一気通貫で不正侵入リスクを可視化する「ALSOK & GMO サイバー物理ペネトレーションテスト」を仕上げた。なお物理ペネトレーションテストの専門ベンダーBarrierCrack合同会社(東京)も開発に参画し技術提供を受けた。
GMOインターネットグループ株式会社の西山裕之取締役グループ副社長執行役員は「GMOグループは創業以来『すべての人にインターネット』のキャッチフレーズをかかげインターネット社会の発展に邁進し、現在1700万件以上のご活用を頂いています。しかしながら昨今、インターネットを悪用した犯罪が蔓延しており、その手法がますます高度化、頻発化しています。このため今年度より『ネットのセキュリティもGMO』をかかげ、さまざまな施策を進めすことにしました。インターネット社会の発展のために、サイバーセキュリティの課題に真摯に取り組んでいきたい。いまやリアルとネットは切り離せません。交通、物流、金融、医療、行政、あらゆるインフラはネットワークが前提です。ALSOKさまとの取り組みを通じて、リアルとネットの両面で安全、安心の社会の実現に貢献したいと願っています」と述べた。
ALSOKの佐藤将史執行役員は、2025年7月16日に創立60周年を迎えた機会に社名を綜合警備保障株式会社からALSOK株式会社に変更し、ブランドスローガンとして「ALwayS OK」を掲げたことを紹介し「警報を受信したら現場に駆け付けるインフラを使いひと、もの、かねを軸にセキュリティを提供し、2000年初頭の法改正以降、情報も含め物理的側面から守ることを続けてきました。今後は確かな現場対応力を武器にサイバー領域の業容を拡大したい。そこでGMOさんとタッグを組んで開発した商材が『ALSOK & GMOサイバー物理ペネトレーションテスト』です。われわれの60年の守りのノウハウを攻撃者の視点に活用することで物理侵入を足掛かりにしたサイバーセキュリティにフォーカスした新しいチャレンジです」と述べた。
GMOサイバーセキュリティbyイエラエの牧田誠代表取締役CEOは、「われわれはサイバーセキュリティの会社で、ホワイトハッカーが日本で一番多く所属していることが特徴です。ハッキングコンテストでも優勝、世界一などを受賞しています。そんなわれわれがしていることは脆弱性診断、侵入テスト、ペネトレーションテストです。1万2600件ほど実施しています。ゼロデイも研究していて、年間100件ぐらい見つけ報告しています。これは研究なので商売ではなく見つけたらボランティアで報告しています。ペネトレーションテストをするときには、攻撃者の視点を模します。WEBサイトがあれば、脆弱性を試します。スマホアプリならそこからの侵入ができないか探します。攻撃者は弱いところを狙います。資産を持つ側はインターネットでアクセスできないところに大事な資産をおこうということが進み、どんどん堅牢になっています。そうすると、攻撃者は次に弱いところを狙います。証券会社が侵入されて株価操縦されたという話は、銀行がセキュアになったことで次の標的になったとみられています。そちらがセキュアになると次にどうなるか。次の課題が物理の侵入です。日本は遅れている状況がありますので、そこが狙われるのではないかという懸念があります。ここをALSOKさまといっしょにテストをしてまいりたい。GMOでも物理セキュリティが大事ということで試してみたところ、3年前の実験では熊谷正寿グループ代表の部屋にカードキーを複製して侵入できてしまったことがあります。物理もサイバーも一気通貫で試すことが大事だと考えており、今回のサービスはそこに意義があると考えています」と述べた。
ALSOK商品サービス戦略部情報セキュリティサービス推進室長の小野浩司氏は、「国内における営業秘密の情報漏洩におけるダントツの1位は中途退職者によるものだそうです。金銭目的でUSBなどにより情報を持ち出して転職先や競合会社に提供するといったことです。サイバーセキュリティについては金融庁のガイドラインや、それを反映した金融情報システムセンターのリスクのコンピューターシステムの安全対策基準に物理セキュリティの言及がなされたこともあり、われわれも人材、管理意識、鍵を渡す人への信頼などを含めた「ALSOK物理ペネトレーションテスト」を開発しました。ビジネス拠点の物理 進入のリスク、侵入後に拠点内部からを行われるサイバー攻撃のリスクを探索し、その結果と解決策を提出するサービスです。ダークウェブでお客様のアカウント情報が漏れていないか、現地で外から入れそうなところはないかも調査します。拠点への進入経路や手段を調査し、建物に入ったら共連れで中に入れないか、清掃業者になりすまして内部に入れないか、ICカード偽装、社員証偽造、スキミングにより入れないかなどを調査します。さらにサイバー攻撃の足掛かりとして侵入後のサイバー攻撃の経路と手段の調査としてWi-Fiを通じた社内無線LAN無線へのアクセス、LANケーブルへの不正な端末の接続も試みたりします。調査内容は事前に主催者と調整しますが、攻撃活動を交えることでリスク対応を強化してまいります。物理の方はネットワークに侵入するまで、サイバーの方は侵入した後のリスクを評価します。実施後は施報告書を提出し 多面的な評価と効果的な改善提案をします。報告書の内容はエグゼクティブサマリー、実施概要、テスト実施結果 リスクと対策。これらを示し実効性の高い資料として対策の検討にご活用いただきたい。セキュリティレベルをさらに強化のため高度なセキュリティテストを継続的にご活用頂きたいと考えております」
さらに、先行的に6月に診断サービスをうけた株式会社あおぞら銀行の萩尾崇執行役員は「たくさんの気づきがありました。親切のつもりで行っていることが侵入者にとって重要な情報になることにも気づきました。不審物を仕掛けられて気づかないこともありました。整理整頓ができていない場所ではそういうことがある、ということも気づきでした。われわれは、社内に知らない人がいたときの声掛けを徹底していますが、さらに浸透させる必要性を感じました。また、(得意先に)ストラップ、名札、シャツなどの『あおぞらグッズ』を配っていましたが、こうしたものを身に付けている人を社員と誤認するリスクもあるので、配布の制限も検討することになり意識がかわりました」と経験談を話した。
GMOサイバーセキュリティbyイエラエの村田学ディフェンシブセキュリティ部副部長は、「一般的なサイバー攻撃でサイバーだけで完結するものはオフィスの外側に攻撃者がいます。データは中にあります。データが欲しい場合は、たとえば攻撃者はインターネット経由でユーザーの方にメールを送り、言葉巧みにマルウェアを開かせます。この場合はPCを中継地点として攻撃を仕掛けデータを取るという流れになると思います。標的型攻撃というところです。それ以外にもVPNの脆弱性、Wi-Fiの脆弱性を狙うこともあります。 wi-fi のアカウントを取って攻撃する形です。ポイントはどうやって中に入るかです。攻撃者が中にいたらどうなるか。ネットワーク内のどこかからコンピューティングリソースにたどり着ければ侵入目標は達成できてしまいます。ネットワークさえつながっていれば本社とは別の事業所でも全く同じ効果が得られます。つまり内部にいれば攻撃者にとっては、一気にショートカットできるのです。LANを構成するプロトコルは古く暗号化や相互認証が基本機能として備わっていません。また内部からの通信は信用しても大丈夫だろうという認証の省略も危険です。インターネットのセキュリティをしっかりやっていても 物理的な接触にはかなり弱い面が存在ありますので、今回の取り組みが活動の一助になればと思っております」などと述べた。
<リリース>
https://group.gmo/news/article/9608/
<参考>
■ALSOK & GMO サイバー物理ペネトレーションテスト
https://www.digitalsales.alsok.co.jp/service/cyber-physical-penetration-testing/
■ALSOK 物理ペネトレーションテスト
https://www.digitalsales.alsok.co.jp/service/physical-penetration-testing/
■GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

















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Prodorone、JIC系ファンド引受先に第三者割当 双方が発表
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(JIC VGI、東京)と株式会社Prodrone(プロドローン、名古屋市<愛知県>)は6月24日、JIC VGIが運営する「JICベンチャー・グロース・ファンド2号投資事業有限責任組合」がProdroneに出資したと発表した。ProdroneにとってJIC2号ファンドを引受先とする第三者割当増資となる。両者とも出資額、増資額については言及していない。
JIC VGIはProdroneへの出資について「本件の投資意義は、Prodroneへの出資を通して、産業競争力強化に資する産業用、防衛用のドローン技術の強化、事業化を支援するところにあります。その結果、産業用、防衛用ドローンのサプライチェーン強靭化に係る社会課題を解決するとともに、愛知県を本拠とするスタートアップの成功事例の創出を通じて地方創生に貢献していくことを企図しております。本件投資により、Prodroneの企業価値向上のため成長加速を支援します」と説明している。
またProdroneは「Prodroneは『地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる』をビジョンに掲げ、中部圏におけるドローンエコシステムの構築を目指しています。今回の資金調達により、Prodroneが強みとするドローン技術のさらなる高度化と事業化を加速いたします。これにより、喫緊の課題である国内および愛知県を中心としたドローン産業のサプライチェーン強靭化へ、より一層貢献してまいります」と抱負を述べている。
JIC VGIは株式会社産業革新投資機構(JIC)が2020年に設立した、スタートアップの成長(グロース)支援やベンチャー投資を担うベンチャーキャピタルで、シード、アーリー期に限らずグロース期への支援にも重点を置いていることが特徴だ。
JICの発表はこちら
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米国のドローンショー事業大手、Sky Elements社がFIFAワールドカップサッカー北中米大会の開催地のひとつ、シアトルの競技場での試合結果を400機のドローンで表示するドローンショーを展開中だ。シアトルの観光窓口を担うDMOでNPO法人のVisit Seattleが「ドローン・スコアボード」として企画した。6月26日には夜開催の試合結果を表示する。昼開催の試合と異なり、結果次第で表示内容は異なるため、試合同様こちらも時間との戦いになることが予想されている。
ドローン・スコアボードはシアトルでの試合が行われた当日の夜に、地元の観光名所である高さ184メートル(605フィート)の展望タワー、スペース・ニードル周辺で、対戦チームの母国の国旗とスコアをドローン400機で表示する。公式サイトではおすすめの観覧場所の案内もある。表示時間は12分程度だ。
開催時間は、試合当日の夜で、事前に公式サイトで予告されている。夜の試合となると、試合結果を確認してからドローンでの表示内容が決定するため、試合終了時刻から、告知されている公開時刻までの時間との戦いとなる。アディショナルタイムや延長戦、PKなどによっては時間との戦いが厳しくなることも予想される。
シアトルで開催される試合のうち、最初の夜(午後8時)キックオフの試合が、6月26日夜(日本時間6月27日)のエジプトvsイラン(グループG)だ。ドローン・スコアボードは、現地時間5月26日午後10時(日本時間6月27日午後2時)に試合終了、午後10時45分の表示を見込んでいる。短時間でデータ書き換え、転送システムなどの運用をこなし予定時間に表示できるかどうかが見ものだ。
さらに時間との戦いが難しくなる可能性があるのが、7月6日午後5時(日本時間7月7日午前9時)キックオフの「ラウンド16(決勝トーナメント)」だ。勝敗が決まるまで試合が続くため、最終的には延長戦やPKにもつれこむ可能性があり、予定公開時間までの短い時間で表示内容の調整を迫られる。
ドローンの運用を担うSky Elements社はシアトルのあるワシントン州ではなく、テキサス州に本社を構える。シアトルでのドローン・スコアボードには、テキサス本社とシアトルの現地が連携してプロジェクトを遂行する。テキサス本社ではエンジニアがデータの書き換え、生成試合が終了すると同時にスコアを入力し、400機分の飛行座標データ短時間で生成し、シアトルの現地では待機しているパイロットが、テキサスからのデータを受信し、機体にアップロードして夜空に飛ばすことになる。
米BBCの番組ではSky Elementsの担当者が、当日の試合結果を反映させて表示するリアルタイム性について「これまでに数多くのドローンショーを行ってきたが初めての経験」と話した。ドローン・スコアボードとドローンショーとの最大の違いはこのリアルタイム性で、数カ月かけて事前作成するドローンショーとは異なり、試合直後のデータ書き換え転送が要求される。このため、シアトルの試合ではピッチの外のドローンチームの奮闘も関心を集めそうだ。

東映アニメーション株式会社は、同社が手掛ける人気アニメシリーズ『おジャ魔女どれみ』のドローンショーイベント『おジャ魔女どれみ Magical Drone Show 2026 ~も~っと!ピリカピリララ♪バースデーナイト~』を7月25日に、船橋競馬場芝生広場で開催すると発表した。イベントは東映デジマ株式会社、株式会社ドローンショー・ジャパンが主催し、1000機のドローンで夜空にアニメの世界を再現する。
イベントは「『おジャ魔女どれみ』の世界観を1,000機のドローンで夜空に描く魔法のエンタテインメント」で、ドローンショーのほか、キャラクターショー、アニメー上映会、キャラクターとのハイタッチ会などを盛り込む。7月25日午後5時半に開場、午後10時の閉場を予定している。天候などの事情で当日開催が難しいと判断した場合は予備日に開催する措置をとる可能性がある。現時点では7月26日に予備日を設定している。
ドローンショーは2回を予定していて、東映アニメーション70周年記念のロゴをドローンで描く15分のオープニングショーと、ハイライトとなる15分の「おジャ魔女どれみ Magical Drone Show 2026」が行われる。
ハイタッチ会参加には対象商品購入者などの条件がある。アニメ上映会では『も~っと!おジャ魔女どれみ』の第25話「ひとりぼっちの夏休み」を上映する予定だという。
入場券は「通常」と「ノベルティ付き」と2種類があり、通常の前売りチケットは税込み2800円。保護者同伴の小学生以下(12歳以下)は入場無料。詳細を公式サイトで説明している。
予定されている当日の進行は以下の通り
| 17:30 | 開場 | |
| 18:30~ | MAHO堂6人とハイタッチ会 | 当日販売のハイタッチ対象商品「サコッシュ・缶バッジセット」購入者が参加可能 |
| 19:15~19:30 | オープニングドローンショー | |
| 20:00~20:20 | アニメ上映会 | 『も~っと!おジャ魔女どれみ』第25話ひとりぼっちの夏休み |
| 20:35~ | どれみちゃんたちによるダンスショー | |
| 21:00~21:15 | おジャ魔女どれみ Magical Drone Show 2026 | |
| 22:00 | 閉場 |


一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、6月3~5日、千葉・幕張メッセで開催したドローンの大型展示会「Japan Drone 2026」の来場者が20070人だったと発表した。開催初日は台風の影響を考慮し、開場時間を午後1時からに遅らせたが、全体では2万人を超えた。また次回の「Japan Drone 2027」について、2027年6月2日~4日に開催すると発表した。
Japan Droneの来場者は3日間で20070人と前年の23049人から2979人減った。開催期間は今回も前回も3日間と変わらなかったが、今回は初日の6月3日に台風6号による混乱回避のため開場時間を3時間遅らせたことが来場者数に響いたとみられる。実際初日の6月3日の来場者は4750人と前年初日の7491人から2741人減ったものの、6月4日は7622人と前年2日目の7669人から47人増、6月5日は7698人と前年3日目の7889人と191人増だった。1時間あたりの来場者は3時間少なかった今年は1115人で、前年の1098人を上回った。
主催者によると今回の出展社数は企業、団体など311組で、前年の285組より26組増えた。このうち国内出展者が245組で24組増加だった。海外からの出展者は66組で、前年の64組から微増にとどまったが、台湾、ベトナムなどがまとまった出展をしたために存在感は高まった。また出展地域は14カ国・地域と、前回の9カ国・地域から64.3%増加して国際色が豊かだった。
期間中に開催された各賞も決まった。JUIDAテクニカルジャーナル編集委員会が実施した「ポスターセッション2026」では、19件の発表から、JUIDA理事長賞1件、ベストポスター賞4件を決めた。
<JUIDA理事長賞(敬称略)>
・金沢工業大学 情報理工学部 ロボティクス学科 伊藤恒平
「StampFly Ecosystem-AIと作るDX/制御教育基盤」
<ベストポスター賞(敬称略)>
・国士舘大学 理工学部 機械工学系 流体工学研究室 吉村越輝、富樫盛典
「ドローン下降気流の到達距離解析とガス検知法への応用」
・公立はこだて未来大学 システム情報科学部 髙橋慧流、有本陽太、長田純一、西沢俊広
「小型・低コストのドローンを活用した災害状況の空撮・3Dモデリングシステム」
・千葉科学大学 危機管理学部 飯田涼太、海老根雅人、小松義孝、髙野洋平、五十嵐仁、岡林徹、小濱剛
「トライアスロン大会におけるUAV監視の実践―S-SHOELRモデルによるリスクアセスメントと運用評価―」
・情報セキュリティ大学院大学 情報セキュリティ研究科 惣島雅樹、須崎有康
「セキュリティテストを目的としたROHITLの提案」
デジタルハリウッドロボティクスアカデミーとJUIDAが主催する「Drone Movie Contest 2026」も各賞の受賞者が決まった。(敬称略)
<Drone Movie Contest 2026 グランプリ>
・まだ見たことの無い風景達 柴田真治
「只見線 冬時間」
<審査員特別賞(大沢賞)>
・株式会社新潟放送 五十嵐祐
「遥かなる大雪庇|厳冬の守門岳へ挑む」
<審査員特別賞(ozora賞)>
・中村亜瑞美
「吉野山 ~吉野の山奥から香る春~」
<ノミネート作品>
・積水化成品工業株式会社
「人と地球の、美しい未来へ。」
・奈良県宇陀市役所 秘書広報情報課 自主放送スタジオ
「龍が眠る地、奥大和・宇陀:水と森の伝説を巡る」
「Japan Drone & AAM Awards 2026」の各賞も決定し、開催期間中に表彰式を実施した各部門の受賞者は以下の通り(敬称略)。
<ハードウェア部門>
・エアロセンス株式会社 「エアロボウイング (AS-VT02K)」
<ソフトウェア・アプリケーション部門>
・Paix Avi株式会社/FwriteDown 「FwriteDown」
<Advanced Air Mobility部門>
・西武建設株式会社 「壁面接触作業ドローン (WallWorkDrone)」
<海外部門>
・H3R 「Electric Propulsion System based」
<審査員特別賞>
・FPT UAV 「Vietnam Pavilion」
<審査員特別賞>
・National Fire Agency, Republic of Korea / National fire research institute 「AI-Powered Standard Ground Control System (GCS) for Missing Person Search and Firefighting Drones」
<オーディエンスアワード>
・Paix Avi株式会社/FwriteDown 「FwriteDown」



フライトコントローラの独自開発を進めるAutonomy Dynamics株式会社(東京)が6月3~5日に千葉・幕張メッセで開催されたJapan Drone 2026(主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会)で、開発中のフライトコントローラ(FC)を搭載したドローンの試作機を公開した。公開されたのは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)が開発した機体をベースにした「Guardian Zero Ver.1(試作機)」。舘良太代表はセミナーで「重要なのは挙動を説明できることだと考えています」と自社開発に注力する理由を説明した。
Autonomy DynamicsはJapan Droneに日の丸と「MADE IN JAPAN」の文字をあしらった装飾をほどこしたブースを出展した。ブース内の展示台に石川エナジーの主力機のひとつ、ビルドフライヤーシリーズの機体にAutonomy DynamicsのFCを搭載した機体を「Guardian Zero Ver.1(試作機)」と公開した。機体に搭載されたFCの実物は知的財産保護の点から非公開だったが、舘代表や同社スタッフが性能や開発コンセプトを説明し、来訪者からの質問や相談に応じていた。
ブースにはJapan Drone開催期間中に訪問者が途切れることがなく、担当者は「高い関心を持っていただけました」と話していた。
またAutonomy Dynamicsの舘代表は、Japan Droneの出展者セミナーに登壇し、「世界最高レベルを目指す国産産業用フライトコントローラ」の演題で講演した。この中で舘代表は、「ドローンが社会の重要な現場で使われるときに問われるのは、まず、安全で正確に飛べること、挙動が説明できること、ログをもとに改善できること。そしてなにより、制御基板を自分たちの手で開発し、責任を持って運用と改良を続けられること。弊社がもっとも重要と考えているのは制御品質と説明責任が果たせることです」と述べ、自社開発に力をいれる理由を説明した。
さらに、日本製、国産を打ち出している理由については「日本の重要インフラの空は、誰の技術で制御されるべきか。国産にこだわる理由は感情論ではありません。重要インフラを支える制御基盤をブラックボックスにしないためなのです」と述べ、国産から出発したものではなく、結果として国産にたどりついたことを明らかにした。
このほか、指定された姿勢、速度、位置を実現するための短周期リアルタイム制御である飛行制御と、カメラやLiDARで外界を認識し判断する機能は別の階層と位置付ける開発思想や、風洞実験などを大学や研究機関と連携して進めているなどの開発の現状も説明した。
大勢がブースを訪れたことに、Autonomy Dynamicsの舘代表は「寄せられた高い期待に応えてまいります」と話していた。




秘密分散技術の株式会社ZenmuTech(ゼンムテック、東京)が千葉・幕張で開催されたドローンの大型展示会Japan Drone 2026で「秘密分散技術」と呼ばれるセキュリティ技術を実演した。カメラで撮影した画像を送信すると、送信中のデータは文字や記号だらけで第三者には内容が判別できないが、送信先のモニターにはほぼリアルタイムで映像が投影された。来訪者が「セキュリティに活用したい」などと高い関心を寄せていた。
実演はJapanDroneに出展したAutonomy Dynamics株式会社(東京)のブースで、撮影、送信、受信、傍受などの模擬システムを再現して行われた。ドローンの役割をはたすラズパイ、搭載したカメラ、被写体となるミニチュア模型と時計などがつながれ、地上局のモニター、プレビューのモニターのそれぞれに、カメラで撮影された映像が投影された。ふたつのモニターの映像にうつる時計の時刻は、リアルタイムで映像を届けていることを示した。
また、送信の途中で傍受すると、データが意味不明の記号や文字だらけの表示になる。被写体を撮影した画像や映像であることは見当もつかず、スタッフによるとAIに解読を指示しても「これまで解読できたことはない」という。
ZenmuTechは独自開発の秘密分散方式「ZENMU-AONT」をコア技術として持っている。「AONT(エーオーエヌティー=All-or-Nothing Transform)方式」と呼ばれる方法を独自開発した技術で、情報の漏洩防止ではなく、漏洩した情報を無意味化することが特徴だ。データそのものの価値を無くし、傍受者には分散処理前の状態を推測したり復元したりすることができない。データ容量をほぼ増やさなく高速処理ができることも特徴だ。
昨年4月21日には、ネクストウェア株式会社、株式会社アイ・ロボティクスとドローンのデータを分散化・無意味化する技術の実験を行ったことを発表していて、今回の実演もその実験をアレンジした。
来訪者は、リアルタイムで届く映像に首をたてにふりながら、「情報の無意味化技術がセキュリティの高いドローンに載ると安心度が高まりそう」とセキュリティ水準の引き上げに期待する声があった。
