パーソルプロセス&テクノロジー(東京)とPwCコンサルティング合同会社(東京)は、企業と自治体を対象にドローンサービスの利用状況や重視している項目について調査を実施し、結果を公表した。方法はインターネット調査で、従業員数300人以上の企業に勤務する会社員、一定規模以上の自治体職員の374人から回答を得た。
調査結果によると、利用中、検討中のサービスは「実地運用サービス」が最も多く全体の5割。ドローンサービスの導入を検討する時に重視する項目は「安全性」で、導入を拡大する時には「安全性」に「サービスの使いやすさ」「サービス提供人材のスキル」が続いた。
ドローンサービスの利用状況は37%が「利用している/利用したことがある」または「検討中」と回答。そのうち、利用・検討しているサービスの内容は「適用範囲策定/計画、技術選定、飛行計画、オペレーターの派遣、現地作業~報告書作成といった実地運用を含むサービスの利用」が57%と最大だった。「機器の購入・リース(24%)」「ドローン機器の周辺サービス(13%)」を上回った。
ドローン関連サービスを導入する、導入すべきと考える理由は、「危険作業・健康被害の抑制 (高所作業や農薬散布など)」が最多で、「作業効率化(作業時間短縮や物資輸送のスピードアップなど)」「災害対応/地域貢献」が続いた。
なお、自団体でドローン関連サービスを導入している、または、すべきと考えられる業務は、「設備点検」や「現場状況把握」が多く、 「空撮」、「測量」、「物資運搬」がそれに次いだ。
サービスを検討中の時点で重視する項目については、「安全性」。ドローンサービスを利用したことのあるユーザーは、「安全性」、「対応する人材のスキル」、「サービスの使いやすさ」を重視。 ドローンの利用経験の有無により重視する項目に差があることが分かった。
調査をしたパーソルP&Tドローンソリューション部マネジャー・前田晋吾氏は、「今回の調査結果から、 ドローンのような新しいテクノロジーが定着するために不可欠な要素は、 同じ業界・組織内で活用時の品質が安定することであり、包括的なガイドラインに加えてサービス基準の整備が、業界全体で取り組むべき課題であると明確になりました。(中略)サービスを供給する企業は、「安全に」サービス提供する事に加えて、組織の導入フェーズやユーザーの意向に沿ったサービスの提供が必要であると考えられます」と話している。
■調査概要 ・対象期間:2020年5月 ・回答数:374名 ・調査項目:ドローンサービスの利用状況、 選定理由、 ドローンサービスへの期待 など ・調査対象:日本全国の企業・自治体(うち半数が3,000人以上の規模)。 企画や総務(設備管理)部門の所管・所属で、 経営者・役員を含む役職層
■主な設問 ・所属する企業・団体ではドローン関連サービスを、試験利用を含め利用したことがありますか? ・ドローン関連サービスの内容について教えて下さい。(複数選択可) ・自社・自団体の業務にドローンを導入することについてどのように感じていすか? ・自社・自団体でドローン関連サービスを導入している/導入すべきと考えられる目的は何ですか?(複数選択可) ・自社・自団体でドローン関連サービスを導入している/すべきと考えられる業務は何ですか?(複数選択可) ・自社・自団体でドローン関連サービスを導入する際の、選定~発注時に重視する項目は何ですか?(複数選択可) ・あなた自身は、企業及び自治体でのドローンサービスの導入が加速するためには以下の要素のうちなにが必要だと考えますか?(複数選択可) ・ドローンを利用した業務を行う際にサービスとして不足している、利用できると嬉しいと感じるサービスは何ですか?(複数選択可)