一般財団法人日本航空協会(東京)は8月2日、航空関係業界の発展に力を尽くした関係者を表彰する「航空関係者表彰式」の表彰者を公表した。ドローン、エアモビリティ関係者からは、明るい話題を提供したことを顕彰する「空の夢賞」に、テトラ・アビエーション株式会社(東京)と株式会社SkyDrive(東京)が選ばれた 表彰式は9月下旬に開催され、テトラは表彰式当日の講演で市販機「Mk-5」(マークファイブ)について紹介する見通しだ。
「空の夢賞」は航空、宇宙に夢や希望を与えたり、明るい話題を提供したりとユニークな貢献をした事業者におくられる賞で、今回は4組が選ばれた。ドローン、エアモビリティ関連では、テトラ・アビエーション株式会社・teTraプロジェクトチームと、株式会社SkyDriveが選ばれた。「空の夢賞」の残る2組は株式会社Synspective衛星システム開発部と、株式会社QPS研究所QPS-SARイザナミプロジェクトチームだった。
表彰対象として発表されたテトラは、「国際eVTOL開発コンペGoFlyにおいて唯一の受賞チームとなるなど「空飛ぶクルマ」を研究開発する大学発のスタートアップとして次世代の航空の可能性を示し、多くの人びとに夢と希望をあたえました」と評価された。
またSkyDriveも「社会実装に向けた公開有人飛行試験を日本で初めて成功させるなど『空飛ぶクルマ』を研究開発するスタートアップとして次世代の航空の可能性を示し、多くの人びとに夢と希望をあたえました」が表彰理由だった。
テトラは表彰決定にあたり、「2018年からチャレンジしている国際航空コンペGoFlyでのテトラ・アビエーション株式会社およびプロジェクトteTraの活動とその後の継続した航空機開発を評価していただきました。歴史ある表彰式にお伺いすることができとても嬉しく感じています」とコメントしている。
授賞式当日にはミニ講演会が行われる予定。テトラの中井佑代表が、米国で発表した販売用新機種Mk-5の現状を含めて話すことにしている。ミニ講演会は後日、日本航空協会チャンネルで配信される予定だという。
航空関係者表彰では「空の夢賞」のほか、「航空亀齢賞」に榊達朗氏、「航空功績賞」に大前傑氏、「航空特別賞」に奥野善則氏と、JAXA「はやぶさ2」プロジェクトチームが選ばれ、表彰式に表彰される。
http://www.aero.or.jp/hyo_syo/hyo_syo.htm
(※テトラ、SkyDriveはDRONE FUND投資先企業です」)
ドローンの大規模展示会Japan Drone 2021で6月16日、「Best of Japan Drone Award 2021」各省の発表が行われ、来場者から最も支持を集めた出展におくられる「オーディエンスアワード」に、「森林計測事業」を発表したヤマハ発動機株式会社(静岡県磐田市)が選ばれた。審査員が選ぶ「審査員特別賞」には撮影機「Airpeak S1」で話題を集めたソニーグループ株式会社が選ばれた。各賞の発表をうけ、Japan Drone 2021は閉幕した。主催者である一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長が「次こそマスクをとって開催できることを祈り、来年の同じ時期にお目にかかりましょう」と閉会の挨拶を述べた。次回は2022年6月21日(火)~23日(木)の開催を予定している。
「Best of Japan Drone Award」はハードウェア部門、ソフトウェア・アプリケーションに部門、ニュービジネス部門を設けてエントリーした出展者から最終選考のノミネートを選抜。各部門ととの最優秀賞と、エントリーの有無にかかわらず審査員が選抜する審査員特別賞、来場者の投票で決まるオーディエンスアワードを選考した。
ハードウェア部門の最優秀賞は、「長時間運用を可能にしたPDH-GS120」のKDDI株式会社/株式会社プロドローン連合に送られた。受賞対象の「PDH-GS120」はシングルーローター機で、120cc電子制御エンジンとヘリコプター専用フライトコントローラを採用し、2時間の飛行時間2時間をほこる。
ソフトウェア・アプリケーション部門は、KDDI/プロドローン連合の「スマートドローンプラットフォームを利用したドローン物流サービス」が選ばれた。KDDIのスマートドローンプラットフォームにプロドローンの「PD6B-TYPE3」をつないだサービスで、長野県伊那市で商用サービスを実現させた実績が評価された。KDDI/プロドローン連合はハードソフトの両部門で最優秀賞を獲得する2冠に輝いた。
ニュービジネス部門の最優秀賞にはヤマハ発動機株式会社の「森林計測事業」が選ばれた。エンジン式産業用無人ヘリを使うLiDAR計測事業で、100分の連続飛行ができることから一度に100ha以上の森林を自動航行で計測できる。広大な森林全域に対して立木本数を相対差5%以内の高い精度が特徴で現況把握や森林経営計画策定に活用されている実績がある。
エントリーの有無に関わらず審査員が選ぶ審査員特別賞には、Airpesk S1を展示し、多くの来場者が「来場の最大の目的」と言われたソニーグループ株式会社が選ばれた
また、来場者の投票で決定するオーディエンスアワードにはヤマハ発動機が選ばれた。受賞時のあいさつでは「投票箱が出展ブースに近かったからではないか」と会場を笑わせた。
このほか日本化薬株式会社「PARASAFE(パラセーフ)」がハード部門に、Pix4D株式会社の「PIX4Dscan & PIX4Dinspect」がソフトウェア・アプリケーション部門に、エバーブルーテクノロジーズ株式会社の「全長5m、貨物などの運搬も可能な自動航行型ヨット(帆船型ドローン)」がニュービジネス部門にノミネートされ、それぞれ高い評価を得た。
Best of Japan Drone Award 各賞の発表でJapan Drone 2021は閉幕した。6月14~16日の期間中の来場者は11986人だった。またインターネットの配信を通じてオンライン参加は547人だった。来年の2022年は6月21日(火)~23日(木)の開催を予定している。