ブルーイノベーション株式会社(東京、BI)は、物流高度化サービスを手掛ける独ドックスイノベーション社(doks. innovation GmbH、ヘッセル州カッセル)と業務提携契約を締結したと発表した。自走式ドローンと、自動航行するドローンを組み合わせたドックスイノベーションの在庫確認システム「インベントエアリ・エックス・エル(inventAIRy XL)」に、ブルーイノベーションの統合管理プラットフォーム「BEP(BlueEarthPlatform)」を接続し倉庫内完全自動棚卸ソリューションを開発し、12月からサービスの提供を始める。ブルーイノベーションは、運用されているシステムとしては、完全自動棚卸ソリューションは世界で初めてという。
両社が提供する「完全自動棚卸ソリューション」は、AGVとドローンの自動稼働、営業時間外の稼働、取得情報の自動解析などが可能になるという。具体的な機能や詳細は、9月29日、30日に千葉・幕張メッセで開催されるドローンの展示会、Japan Drone 2020に出展されるブルーイノベーションのブースで明らかになる見込みだ。
国内の倉庫業界は、ネット通販利用の急拡大で、小口化、多頻度化、再配達需要の拡大など、業界環境が急激に変化、複雑化している。事業を支える労働力も人材の高齢化、人手不足など深刻で急務な問題を抱えており、複雑で高度な要求にこたえられるオートメーションシステムをめぐり、世界各国のIT企業、テクノロジー企業がソリューションの開発にしのぎを削っている。今回の「完全自動棚卸制御ソリューション」には、こうした課題解決の期待がかかる。
ブルーイノベーションが提携したドックスイノベーションは、倉庫を含む物流の高度化を手がけるテクノロジー企業で、在庫管理、棚卸しプロセス、マスターデータ管理、短距離運搬のデジタル化に力を入れている。
同社の倉庫ソリューション「インベントエアリ・エックス・エル」は、地面を自律走行するAGVに、14mのケーブルでつながれたドローンを搭載した移動装置が特徴的だ。在庫確認など必要な業務が発生すると、ステーションに待機していた装置が倉庫内の目的地に向かい、目的地に到着するとドローンがフライトをし、目的のパレットの状況を読み取ることができる。同社の公開情報によると、目的地の温度、包装状況、破損の有無に関する情報を取得できるという。また、機械学習を組み込み、業務街時間や人件費の大幅圧縮が可能で、作業時間を最大80%、棚卸コストを最大90%削減できる触れ込みだ。