コメ卸売大手の株式会社ヤマタネ(東京)は、写真コンテスト「棚田フォトコンテスト」の作品の募集を始めた。棚田の魅力と現状を広く伝え、保全への関心を高めることが目的で、美しい風景に限らず、荒廃してしまった現状を直視したものなども募っている。応募は画像データ、単写真で、DroneTribuneが確認したところドローンで撮影した作品も含まれる。応募は1人10点以内で10月31日正午まで応募サイトで受け付ける。
募集テーマは「日本の棚田、およびそこに関わる人々や、生態系などの棚田を取り巻く環境」で美しい風景だけでなく、荒廃してしまった場所の現状など、写真を見た人の棚田保全の関心に訴える作品を募集している。審査員は写真家の今森光彦氏ら。最優秀賞には10万円分の商品券と棚田米が贈られる。
ヤマタネは棚田について「棚田は、日本の原風景として多くの人々に親しまれてきました。昼夜の気温差が大きい中山間地にあることから、棚田で育つお米は甘みと粘りがあり格別の美味しさを誇ります。また、棚田は単なる農地にとどまらず、雨水を一時的に貯留して下流域の洪水を防ぐ“天然のダム”としての機能や、多様な生き物が生息する生態系の保全にも重要な役割を果たしています。しかし近年では、深刻な担い手不足や高齢化により、多くの棚田が耕作放棄地となり、荒廃の危機に直面しています」と伝えている。
またヤマタネと棚田とのかかわりとして「2024年から新潟県十日町市『星峠の棚田』(2.5ha分)の企業オーナーとなり、株主様をご招待した田植え体験を開催するなど、棚田保全に」取り組んできたことを紹介。コンテスト開催の目的を「棚田の魅力と現状を写真の力で広く伝え、保全への関心を高める一助となること」と位置付けている。
「第2回ドローンサミット」は9月8日、五島列島の福江島(長崎県五島市)から長崎市の工業団地まで約100㎞の海上航路を固定翼のドローンで空送する実験を公開した。荷物を下ろす地点では飛来したドローンがパラシュートで荷物を切り離し、目標地に正確に届けた。ドローンはそのまま引き返し、出発地まで往復で200㎞をトラブルなく飛行した。この様子は投下地点である神ノ島工業団地(長崎市)でメディアや長崎県の馬場裕子副知事らが見守ったほか、サミット会場である出島メッセ長崎に用意されたモニターで中継され来場者が見入った。投下地点では馬場副知事がドローンで届けられた福江島の「鬼鯖鮨」を味わい、うなずきながら「ニーズはあり、支援したい」などと話した。
ドローンが出発したのはこの日の午前9時20分ごろ。海を隔てた長崎市に向け海洋の上空100mの高さを時速100㎞で飛行し、午前10時20分ごろに投下地点の上空に姿を見せた。投下目標地点に近づくと上空30mまで高度を下げて、目標地点真上で容器を切り離した。荷物は備えられたパラシュートを開いてゆっくりと降下し、目標地点に正確に着いた。
ドローンは荷物を切り離したあと旋回して出発地に引き返した。福江島から長崎市まで片道約100㎞。東京なら熱海までの距離に相当する。この日は往復で約200㎞の飛行を達成した。
スタッフがドローンに運ばれた容器に傷みがないことを確認し、中から福江で作られた「鬼鯖鮨」を取り出すと、投下地点で見守っていた長崎県の馬場副知事が試食した。馬場副知事は「おいしいです。ドローンを使うことで高付加価値の県産品を広く食べてもらえる可能性があります。今後に期待が持てます。(離島に限らず、長崎)県内にも離島や斜面地が多いので、日用品を配送できるドローンはニーズがあります。県としても(利用促進を)支援したいと思います」などと話した。
そらいいなは2022年4月に発着拠点を福江島に整備して離島への医薬品配送をスタート。その後、スーパーと協力して日用品や食品などの配送もはじめた。配送エリアは80㎞圏内だ。ただし今回は片道100㎞に及び、そらいいなで運航責任者であるHead of Operationを務める土屋浩伸氏は「われわれにとってもチャレンジングな飛行でした。実験ではうまくいっていましたが、気象条件など環境要因も関係することでもあるので、今回、無事にミッションを遂行でき、ほっとしています」と話した。
今後も対象品目の拡大や収益力向上のための配送頻度増加に取り組む。
「第2回ドローンサミット」では長崎県が主催、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が特別協賛した「若者ドローンアイデアコンテスト」の受賞者が発表された。予め事務局が選出した一次選出作品を会場に展示し、サミット来場者の投票によって、部門ごとにグランプリ、準グランプリ、特別賞(知事賞)が決定した。
高専・大学生・大学院生部門では、防災利用を『飛んで被災地!~道なき道で人の安心を使う』としてまとめた慶應義塾大学の宮下空唯さんが知事賞に、路面電車とAAMとを組み合わせた移動改革『路面電車×eVTOL』を発表した長崎大学大学院工学研究科の大篠泰志さんがグランプリに選ばれた。
長崎県サミットは2日間で3858人(長崎県発表)が来場した。