ドローンとエアモビリティの大型展示会JapanDrone2023(一般社団法人日本UAS産業振興協議会主催、株式会社コングレ共催)は6月28日に閉幕し、3日間で前回2022年と比べ11.7%増加の19,008人が来場した。来場者数は今回まで8回の中で過去最高で、1ホールあたり1日平均3,168人と健闘した。たえず2つの行列とデモンストレーション見学者の人垣を作っていたGMOインターネットグループ株式会社(東京)の出展ブースを筆頭にKDDIスマートドローン株式会社(東京)、ブルーイノベーション株式会社(東京)、株式会社ロボデックス(横浜市)などのにぎわいが会場全体を盛り上げた。次回は2024年6月5日(水)~7日(金)の3日間に開催されることが伝えられた。
展示会や講演などへの来場者の3日間の合計は19,008人で、同様に3日間で開催された前回2022年の17,021から1,987人の上積みとなった。期間中、来場者が最も多かったのは初日の26日で6,668人。前回も初日が最も来場者が多かった。JapanDroneにあわせて新製品、新サービスの発表をする出展者が初日に集中したことが関係しているとみられている。狭小空間点検機IBISの新モデル「IBIS2」を発表した株式会社Liberawareのブースは新モデル発表の初日午前にブース前にひとだかりがあふれた。また3日間を通じて政治、行政などの視察があり、チェックすべき展示会としての認知が拡大していることをうかがわせた。
出展ブースで足を止める来場者が、出展者の説明をじっくりと聞く様子がみられたり、足早に通り過ぎそうな来場者を、デモンストレーションや華やかな出し物で興味を引くなど創意工夫がみられたりした。ロボデックスはプレゼンテーションをダンスパフォーマンスで盛り上げ客足を止めた。GMOインターネットグループは展示機体の試乗希望者と、トレーニング用VRの体験希望者の2つの行列が出展ブースにできたほか、ハッキングデモンストレーション開催時にも人垣を作った。こうした出展ブースに対し、自社製品や研究成果を持ちこみ反応を探る事業者の姿もあり、JapanDroneをマーケティングの現場と認知した活動を行う様子も目立った。
幕張メッセでは5月に建設・測量生産性向上展(CSPI=シーエスピーアイ)が開催され、ドローンに関連する事業者の出展も多く見られた。CSPIは重機など大型の展示も多く、幕張メッセの展示ホール1~5の5つのホールとホールの外の屋外展示場を使う大規模に開催され、3日間で40,212人、来賓や報道関係者を含め44,67.菱田集めた。来場者数で圧倒するが、1ホールあたりの1日平均の来場者は、ホールの収容力に応じた調整をしない機械的な計算で2,978人となる。JapanDroneは第5、第6の2つのホールで開催しており、1ホールあたりの1日平均の来場者は3,168人とCSPIに匹敵する稼働力を示した。
一方、DJI JAPAN株式会社(東京)のようにCSPI など他の展示会に出展しながら、JapanDroneに出展していない事業者もある。DJI JAPANは、同社の産業機のユーザー層である建設、測量関係者はCSPIにより多く足を運ぶと判断しCSPIに出展したとみられる。実際、CSPIでの同社のブースは3日間ともにぎわい、同社の呉韜代表が行った講演には座席数が55席のところに250人以上の聴講者が訪れる盛況となった。JapanDroneも出展者の求める来場者の上積みを図る工夫が、さらなる活性化につながることを示しており、2024年度開催に向けた運営者の工夫が試されることになりそうだ。