ドローン運用のプラットフォーム開発を手掛けるブルーイノベーション株式会社(東京)は2月7日、静岡市にある点検困難な下水管内をドローンで点検し、存在が未確認だったマンホールが実在したことを確認したと発表した。点検は昨年12月25日、スイスのドローンメーカー、Flyability社製の「ELIOS2」を使って行われたという。
点検が行われたのは、静岡市駿河区のJR静岡駅から南に約1キロ、静岡市立中田小学校に近い住宅街の市道の地下を走る下水管を対象に行われた。下水管は昭和30年代に、汚水、雨水の両方を浄化センターまで流す合流式の下水管として建設された、その後、下水道のルート変更で近年は使われていなかい。市はこの下水管の取り扱い方針を策定するため、状況確認が必要となっていた。
ただ、下水管の底には場所によって汚泥が約60センチ体積しており、作業員が立ち入ると足がとられ身動きができなくなる恐れがある。また建設時の台帳に記録が残るマンホールの存在も確認されておらず、換気ができてなければ硫化水素などの有毒ガスが発生している危険性もある。そこで作業員が入る代わりにドローンで点検することにした。
下水管は断面が長方形で、高さ3メートル、幅3メートル89センチ。汚泥の体積分、空洞部が狭くなっている。ブルーイノベーションは地表から球形ガードに覆われた点検用ドローンELIOS2をフライトさせて管内を70メートルにわたり点検。カメラがとらえた映像で陥没を招きそうな損傷が見当たらないことや、台帳に記録されていながら未確認だったマンホールについても、埋め戻された状態だったが、実在したことを確認できた。ドローンも安定飛行し、地下の配管での点検に機能することを裏付けた。
静岡市上下水道局は、「これらの結果をもとに今後、この配管の取り扱いについて策定する方針だ」と話している。