10月12日から13日にかけて静岡県から東北にかけて日本列島を縦断し、多数の死者、行方不明者、河川の堤防決壊、土砂崩れなどの甚大な被害をもたらした台風19号の爪痕が残る被災地で、多くのドローン活動家、ドローン事業者が災害対応に活躍しています。本サイトはその方々の活躍に敬意を表し、心から支持するとともに、現地でのご苦労に対し、被災された方々、災害対応にあたっておられる方々にお見舞いを申し上げます。
ドローン研究と実装をけん引する慶應義塾大学SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアム(古谷知之代表)は、「災害ドローン救援隊 DRONE BIRD」を運営するNPO法人クライシスマッパーズ・ジャパン(東京都調布市)、災害ボランティア活動を展開するチーム藤沢、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールを運営するDアカデミー株式会社、ジオサーフ株式会社のメンバーや、フリーのドローンパイロット、稲田純次氏らとともに、甚大な被害に見舞われた神奈川県相模原市に発災直後から入り、実態調査を実施しています。
現地では、発災箇所を中心に、その周辺の状況をオルソ化できるようドローンから撮影し、被災箇所の詳細を把握するため映像撮影も実施しています。その結果、土砂災害、河川の氾濫、冠水、崩落が、現地に入る前に入手していた情報よりも、深刻な状況であることをつかみました。また、数箇所で地滑りを確認したため、周辺住民に避難を呼びかけ、県に情報を提供するなどをしました。
収集した情報は、GitHub, Google Drive、OpenAerialMap、国立研究開発法人科学技術研究所(本所:茨城県つくば市)のNIED-CRCなどで提供されます。
現地に入ったドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表は、今後、被災地での支援活動が活発化するに伴い、ボランティアに対して円滑な情報提供の必要性が高まると想定。自治体や気象庁、国土地理院など公的なデータだけでなく、現地入りした事業者のデータがより大切になると指摘し、同様に災害活動で現地に入っているドローン事業者に対し、データの共有を呼び掛けています。
「福島ドローンスクール」を運営するほか、水中ドローンの普及にも力を入れている株式会社スペースワンは、本社を構える福島県郡山市や隣接する須賀川市が被災。13日朝から災害協定を締結している郡山市や須賀川市からの要請もあり、郡山エリア2班、須賀川エリア1班に分かれ、総動員で被害状況調査にあたりました。
郡山市内を流れる阿武隈川はこの台風で氾濫し、国土地理院によると阿武隈川と支流の逢瀬川と合流する地点の西側の住宅地が東西1.5キロほどの範囲で浸水したとみられています。浸水の深さはこのあたりで最大でおよそ3メートルで、福島県桑折町では深さは最大でおよそ5.2メートルに達しているとみられるといいいます。同社は撮影で得られた情報をそれぞれの自治体に提供するなどの活動を続けています。
自然災害や紛争地域で脅威にさらされている人びとに対する支援活動を行う認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(広島県神石高原町)は、千曲川沿いで浸水被害の大きかった長野市に、医者を含む医療チーム、レスキューチームを派遣し医療支援や、病院避難支援、避難所支援などを展開しています。
PWJレスキューチームと医療チームは上陸する前日から災害に備えて待機し、訓練を重ねていました。これまでの活動はPWJのHPで公開しています。
国際航業株式会社、パスコは共同して被害状況を把握するため、10月13日に株式会社パスコと共同で、茨城県、栃木県、埼玉県などを撮影。撮影した写真を同社HPで公開しています。