ブルーイノベーション株式会社(東京)と日本大学豊山女子高等学校・中学校(東京)は4月28日、高校生が探究学習の一環として取り組むドローン活用についての発表会を開いた。高校生は「野良猫の保護」や「カラス被害解決」など地域の課題をテーマに、解決するための仮設をたてたり、検証するために板橋ドローンフィールドで実験をしたりと活動を重ね、この日、これまでの成果を発表した。生徒たちは「地域の課題を解決したい」と話した。
発表したのは日本大学豊山女子高等学校・中学校の4月に高校3年生になったばかりの5人。5人は高校のドローン部に所属しているとともに、学校がカリキュラムの特徴として打ち出している探究学習としてドローンを使った課題解決に取り組んでいる。
同校と交流のあるブルーイノベーションが生徒にドローンの知識や取り扱い方を伝授した。必要な実験は、学校が立地する板橋区内にある板橋ドローンフィールド(物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」内)で行った。また発表会は板橋区役所の庁舎内で行われ、区役所の関係職員も見学した。
生徒5人の発表テーマは「ドローンを使って野良猫の保護問題を解決する」「ドローンを使用し板橋区の害獣問題を解決する」「以前環境(カラス被害)をドローンで解決」「人とドローンの効率の違い」「農業ドローン」。5人が各自のテーマについてひとりずつ発表した。
発表は、主に課題、現状、仮説、実験、結論をまとめた形で行われた。たとえば野良猫が糞尿による悪臭被害をもたらしている、などの課題に着眼した場合には、被害の現状を調べ、行き場のない猫を減らす活動をしている団体の現状も確認し、野良猫を減らす第一歩として、見つけることが夜行性であることなどから簡単ではないこと、感染症などのリスクに気を付ける必要があることなど、課題も列挙した。そのうえで作業にドローンを導入すれば、熱源を夜間に探索する技術を使うことで、容易に、素早く、安全に作業が進むのではないかと仮説をたてた。
仮説を検証するために実験も実施。板橋ドローンフィールド内に、使い捨てカイロをはりつけた動物のイラストが描かれたカードを隠し、ドローンで見つけられるかどうかを実験した。あわせて生徒が見つける時間と比べた。生徒の1人はこれを「人の目VSドローンの目」と表題をつけたり、口頭で効果音をつけたりと、聞き手がワクワクする演出を盛り込みながら発表した。
実験の結果は、ドローンであると見つけにくいことがあり、見つけるまでの時間も今回は人のほうが早かった。ドローンの有効性を直接立証することにはならなかったものの、「昼間で周囲の温度が高かったため」など実験環境に影響を受けた可能性があると分析。「夜間などドローンの有効性をいかせる環境を選ぶことで有効性が確保できる可能性がある」と分析した。
このほか、カラス被害対策にスピーカーをつけたドローンが有効に機能するのではないかと仮説をたてたり、人口減少に伴う労働力不足をドローンで補うことをマクロの視点から提言したり、「ドローンはあたりをつける役」と、人とドローンの役割分担を提唱したりする発表もあった。
発表に対して、板橋区立教育科学館の池辺靖学術顧問、板橋区の家田彩子産業経済部長がいくつか質問をしたうえで発表の出来を高く評価した。ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「大変勉強になりました」と述べたうえで「機会があればぜひフィールドに出てほしい」と呼びかけた。日本大学豊山女子高等学校・中学校の黛俊行校長は熊田社長のコメントをうけて「現場に足を運ぶことは重要。『行けばわかるさ』という言葉を残した方もいます。みなさんが探究のために出かける場合は、これからは(出席扱いとなる)公欠にします」と宣言し、それを聞いた生徒から歓声があがる場面があった。
日本大学豊山女子高等学校・中学校では、探究学習に力を入れていて、17のテーマを設定している。生徒は自分の関心ある分野を選んで探究活動に参加できる。17のテーマ以外に自分でみつけたテーマを探究することもできる。黛校長は「私は正解を覚える教育を受けてきた世代だが、これからは考える力を身に着けることが大事になります。企業にもお力添えをいただいて探究学習を大事にしていきたい」と話した。







