FPV体験や操作体験などドローンのさまざまな楽しみ方を味わえる「第3回神岡ドローンフェスWITH 飛騨ミュージックファーム」が10月5日、岐阜県飛騨市神岡町飛騨のスキー場、スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)のゲレンデで開催され、地元住民、観光客らが楽しんだ。この日のために遠方から駆け付けた観光客もいて、会場はお祭りムードと歓声に包まれた。
会場は民宿「流葉山荘」の前に広がるゲレンデ。ドローンパイロットで情熱大陸にも取り上げられた高梨智樹選手が直接、来場者にレース用ドローンを使ってFPV体験してもらうコーナーでは、同時に4人がゴーグルを装着して着席し、高梨選手が会場内を自在の飛ばすドローンの映像を楽しんでいた。装着したゴーグルにドローンの映像がうつしだされると、「おおお」「すごーい」と歓声があがったり、「体を動かせば楽しい」など、来場者同士で声をかけあったりして楽しんでいた。
このほかゲージの中でドローンのフライトを体験できるコーナー、ドローンの普及を目指す女性チーム、ドローンジョプラスのメンバーによるドローンゲームのコーナー、ゲレンデの中腹まで軽トラックで送りドローンで空撮してもらう体験コーナーなどは、いずれも順番待ちの行列ができる人気だった。
FPVの高梨選手は「来ていただく方みなさんが、とても楽しそうにしてくださるので、こちらも楽しくなる。このイベントが続くといいと思うし、こうしたイベントが全国に広がってほしい」と終始笑顔で対応していた。
また、飛騨市と交流のある「富山ドローンスクール」を運営する北日本自動車学校(富山市)が、山荘内にドローンの展示や体験コーナーを設置。富山ドローンスクールは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールで、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)のメンバーとして指導実績を積み重ねていて、今後飛騨市での指導も視野に入るという。
会場では地元の製麺業、有限会社 「麺の清水屋」がラーメンの売店を出店していたほか、八丁味噌などの味がきいた特性のから揚げ店、カレー、スイーツ、みたらしだんご、飲料などの屋台も軒を連ね、同時開催の音楽イベントミュージックファーム」とともに会場を盛り上げた。
屋外を会場にするイベントでは、開催の可否が天候次第に委ねられる。今回のイベントの開催についても関係者は、開催直前まで台風の接近の影響などについて協議を繰り返すなど、対応に追われた。開催当日は秋晴れのドローン日和となり、来場者はドローンやそのほかのイベントに楽しそうな表情を浮かべていた。このイベントを知り、東京から前日にバスで来たという女性は「もてなしてもらっていると感じられる素敵なイベント。いるだけで楽しい」と話した。数年前に大阪から地元に引っ越した男性は「ドローンに触れたことはなかったが、ドローンに関わる人たち、ここのイベントの人々が楽しそうで、ドローンに触れるきっかけになるかもしれない」と話していた。
神岡ドローン実行委員会の柿下剛委員長は「来場されたみなさんが楽しんでいただけているようでこれほど嬉しいことはない。実は第1回、第2回と天候に恵まれず、そのときは委員長を降りることも考えた。今回はみなさんが喜んでいる表情をみられてうれしい。神岡は高齢化、人口減少が進む町ではあるが、一方でスーパーカミオカンデなど最先端の研究が行われている科学の町でもあり、今後の日本を救うカギのひとつであるドローンに触れあうにはふさわしい場所。このイベントをきっかけに地元活性化につなげていきたい」と話した。
実行委員会の理事で、飛騨市議会議員の仲谷丈吾さんも「ドローンパークも開設していて地元をドローンで盛り上げようという機運は高まっている。みなさんにドローンの町として認知して頂けるよう取り組みたい」と話した。
神岡ドローンフェスの開催には、ドローンによる地域おこしに取り組んでいる地域として知られる町のひとつ、徳島県那賀町が協力している。会場では那賀町が地元の産品を販売するブースを出展していたほか、那賀町の地域おこし協力隊、地元の活性化を目指す一般社団法人地域おこしドローン社の喜多幸治代表らが乗り込み、来場者に盛んに話しかけては神岡、ドローン、那賀町をPRしていた。
ドローンの操作体験、FPV体験、撮影会などさまざまな楽しみ方に触れることができる「第3回神岡ドローンフェスWITH飛騨ミュージックファーム」が10月5日、岐阜県飛騨市神岡町飛騨のスキー場、スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)のゲレンデで開催される。
主催するのは神岡ドローン実行委員会。一般社団法人飛騨市観光協会、YCKプロジェクトが協力し、飛騨市、飛騨市教育委員会が後援する。今回は、第一線で活躍する人物に密着するドキュメンタリー番組『情熱大陸』に登場したドローンパイロット、高梨智樹選手が来場し、ゴーグルを使って操縦席感覚の視点を楽しめるFPV体験が行われるほか、日本を代表するドローンの業界団体、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクール「富山ドローンスクール」がトイドローン「TELLO」の体験会を開く。
このほかに、女子力でドローンの普及を支援するドローンジョプラスがゲームを開催し、全国でもいちはやく地域活性化にドローンを取り入れる取り組みをはじめた徳島県那賀町ドローン推進室も体験会を行う。ドローンによる動画撮影会、FPVラジコンレース、ミニセグウェイ体験会なども行われる。地元の音楽フェス「飛騨ミュージックファーム」と同時開催で、会場を一体となって盛り上げる趣向だ。
日時:10月5日(土)、10:00~16:00(雨天決行、荒天中止)
会場:スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)=通称“流葉スキー場”内、ベガゲレンデ
住所:岐阜県飛騨市神岡町伏方150
アクセス:JR高山線飛騨古川駅からバス約30分、またはマイカー
入場:無料(有料コーナーあり)
飛騨市のHP:ttps://www.city.hida.gifu.jp/site/drone/15362.html