都心型スクールの運営で知られる株式会社ハミングバード(東京)は7月2日、株式会社丸井グループ(東京都中野区)が運営する「新宿マルイ メン」(東京都新宿区)に「ドローンスクール新宿」を開講した。お台場、渋谷に続く3校目の都心型スクールで、都心在勤、在住者に実技、座学のほか独自開発したVRトレーニングを提供し、ドローンの担い手を育成する。スクールの受講生は要件を満たすと、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)の資格を取得できる。この日行われた開校式には国会議員、管理団体代表ら関係者が多く駆けつけ新スクールの門出を祝った。
ドローンスクール新宿は、東京メトロ「新宿三丁目」駅に近いメンズファッションを発信する新宿マルイ メンの6階に開校した。繁華街に立地するスクールとして都心在勤、在住者の需要に対応する。
フロアには実技のためのネットがはられ、VRトレーニング用のモニターが並び、受講生を迎える準備を整えた。スクール受講生は、認定試験で基準に達するなど要件を満たせば、安全運航管理の講座を受講したうえで、DPAが発行する資格を取得できる。
開校式当日は、関係者や支援者から開店祝い胡蝶蘭など色とりどりの花が並んだ。また開校式では来賓が次々と祝辞を述べた。
ドローン議連(無人航空機普及利用促進議員連盟)会長代理の田中和徳前復興相は、「このスクールは都心のニーズを受け止めて開設されました。ドローン産業の進展に貢献頂けるものと期待しています。ドローンが国民の生活に利便性の面で寄与できる社会を目指すため、これからもますますご指導を頂きたい。本日は雨が降っていますが、日本でも大きな災害が増えました。いつなんどき、どんな災害が起こるか分かりません。ドローンの活躍への期待は高まっています。素晴らしい事業として期待しております」と経緯と祝意を述べた。
渡辺美智雄元副首相を祖父に持つ新宿区議会議員の渡辺美智隆氏は「新宿は高層ビル群が並ぶたてに広い都市。助言を頂きながらドローンの公共利用を考えたいと思います」と述べた。
管理団体であるDPAの吉野次郎代表理事は「いいスクールとは何かとよく聞かれます。よいインストラクターがいることはそのひとつだと思っています。ハミングバードにはDPAのマスターインストラクターが在籍していて、安心しておすすめできます」と充実した講師陣を紹介した。
会場となった新宿マルイ メンの青木亮太店長は「テクノロジーは展開期に入り、百貨店も対応を進めないといけません。そんな中で念願だったドローンスクールを開校でき、とてもうれしく思っています。われわれの事業もモノを売るだけの商売から、価値や体験、楽しみを提供する形に変わってきています。ここに来てよかったと思ってもらえるようにすることがわれわれの使命。新しい体験を提供して参ります」と決意を表明した。
ハミングバードの鈴木伸彦代表取締役は「さまざまな調整を乗り越えて開校することができました」と関係者に謝意を表明。そのうえで「旧態依然としたスクールではなく新しい価値を提供し、受講生の満足度を高めて参ります」と決意を新たにした。
来賓によるあいさつのあと、スクールの講師陣がDJIのMAVIC ENTERPRISEやMATRICE 300のデモフライトを実演した。会場には、独自開発したトレーニング用のVRシステムも準備し、鈴木代表は「まずはベータ版(試作品)として用意しました。ぜひトライしてください」と呼びかけると、来場者が使い勝手を試す姿がみられた。