株式会社エンルート(埼玉県朝霞市、滝川正靖社長)は小型、軽量、低燃費の農薬散布用意新型ドローン「AC101」を発表した。10月11日まで千葉・幕張メッセで開かれている「第9回農業Week」でお披露目されていて、折りたたむと1辺が60センチほどのコンパクトな機体に来場者が足を止めている。
軽量化が奏功 1回の充電で4リットルを5回散布可能

AC101は4ローター機。プロペラを折りたたみ式にして脱着が不要になったほか、バッテリやタンクは、本体のレールをすべらせるように脱着できる構造を取り入れるなど、機体とパーツを大幅に改良した。機体重量(バッテリを除く)は同社の10キロタンク搭載対応機「AC1500」の11・9キログラムより42%軽い6.9キログラムとなった。大きさもアームを折りたたむと、全幅609ミリ、全長509ミリ、全高501ミリと小型化。新開発のインテリジェントバッテリで、1回の充電で農薬4リットルを入れた場合に、5回(計約2.5ヘクタール)散布できる。
コントローラーも7インチモニター付きに刷新。自動離着陸、直進アシスト、ABモード、飛行連動散布などオペレーターの操縦を支援する機能や、音声で警告する音声ガイドも搭載している。フライトコントローラーはエンルートの特徴である国産のRidgeHawkが使われている。
エンルートは2016年に「AC940」が農林水産航空協会の認定第1号となるなど、早くから産業用ドローンの開発に力をいれてきた国内のメーカー。AC101について「利用者から『効率よく散布したい』『部品やバッテリの取り扱いをもっと簡単にできないか』『もっとコンパクトに』など要望を頂いており、その解決策を具体化するために開発した」という。
千葉・幕張メッセで11日まで開催中の「第9回農業Week」のブースにも多くの来場者で盛況。多くの来場者に「ユーザーからバッテリーのもちに不満が多いので、長くとぶことを念頭においてコンパクト設計にたどりつきました。4ローター化で、積載能力を維持し、軽量化ができます。実はすでに、さらなる改善に取り組んでいます」などと説明。説明をきいた来場者が「それならうちの田んぼ、使っていいよ」といった声がかかる場面もあった。




DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。