シカゴで開催されたXPONENTIAL2019で情報収集をした、トライポッドワークス代表、佐々木賢一さんの現地直送の渾身レポート第2弾は、規格外の規模で来場者の度肝をぬいたBellブースに迫っています。以下、佐々木さんのレポートです(DoneTribune 村山繁)
DAY1のレポートの通り毎年このXPONENTIALは航空宇宙産業大手の派手な展示が多いのですが、その中でも今年ひときわ目を引いていたのがBellブースです。
Bellは民間や軍用のヘリコプターを多数製造している老舗メーカー。あのオスプレイをボーイングと共同開発した会社としても知られていますね。
そのBellが開発しているもので話題になっている機体が2つあって、ひとつがオスプレイ進化系の軍用VTOL機のベルV-280 Valor、そしてもうひとつがUrban Air Mobilityをコンセプトとした空飛ぶタクシー、今回展示されていたNEXUSです。
NEXUSは今年1月にラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)で実物大のモックアップが展示され、「電動オスプレイ」とか「空飛ぶタクシー」とか「パッセンジャードローン」とか呼ばれて話題になっていました。
今回展示されていたのは、そのモックアップのバージョンアップ版です。
まずはこの大きさを見て下さい。
とにかくデカい。
直径2.4mのローターは6枚で、離発着時は地面と平行、飛行中は90度回転して地面と垂直になって推進力を得るというシステムです。
そして、内部はクールなデザインで近未来のイメージ。広さも十二分です。
天井は全面が液晶パネル!
5人乗りで、そのうち1人はパイロット。完全な自動航行は技術の進展を待って将来的に実現するとのことです。
ただ、操縦は全てをタッチパネルで行う非常にシンプルな方法なので、従来のヘリコプターの操縦席とは全然イメージが違います。
ブースで上映されていた数年後のイメージはこちらです。
Urban Air Mobilityですから、まずは渋滞回避のソリューションとして大都市部での実用が目指されていますが、いずれは過疎地域のコミュニティバスや、離島への船などが、こんな形になって行くかもしれないな、と感じました。
2020年代の早いうちにテスト飛行が始まるようなので、これをスマホで呼ぶ時代はそう遠くなくやってくるのかもしれませんね。(DAY3に続く)