自動化支援の株式会社センシンロボティクス(東京)は7月8日、熱帯雨林保護に向けた課題解決のための技術開発を競うXPRIZE Rainforestの出場資格獲得チームに選ばれたことを報告した。XPRIZE Rainforest公式サイトに掲載された出場資格獲得の33チームにセンシンが日本で唯一、名を連ねている。賞金総額1000万ドルのコンペティションは2024年の決着に向けて各チームが技術開発力を競う。
センシンは千葉功太郎氏、大前創希氏が率いるDRONE FUNDの投資先の一角で、これまでにドローン、AI、ロボティクスなどを組み合わせ主に業務の自動化、遠隔化を通じて課題の解決を提案してきた。完全自動運用型ドローンシステムSENSYN Drone Hub、業務自動化統合プラットフォームSENSYN COREなどを軸に、企業、自治体などの課題を探索、特定し解決策を提案。建設業務や電力設備点検など豊富な実績を持つ。
XPRIZE Rainforestは、熱帯雨林の環境保護をテーマに5年間をかけて技術開発を競うコンペティションで、独立審査委員会による書類選考の第一ラウンドを経て、16カ国、33組がセミファイナルへの出場資格を獲得した。米国から12組、ブラジルから5組、カナダ、スイス、オランダがそれぞれ2組ずつ出場資格を獲得した。日本からはセンシンが唯一、名を連ねた。
熱帯雨林の減少は、地球規模の環境問題として広く知られながら、対象が広大で全体像の把握が難しく対策をたてにくい現状が立ちはだかり対策が容易ではない。このため5年間をかけて有効な技術を開発する。公式サイトは、「XPRIZE Rainforestは、地球上で最も多様で複雑な生態系の理解に革命を起こし、その本質的な価値を迅速に、かつ遠隔でこれまでにないほど詳細に定量化を実現する」と紹介している。
セミファイナルの期限は2022年第2四半期(4~6月期)。各チームは1年後の期限までに、革新的なアプローチを開発し改良を重ねる。主催者が示す世界の3つのエリアのうちのいずれか1カと所でフィールドテストをする課題が与えられた場合に、その実行力を備えていることと、準備ができていることを証明する動画や文書を提出する。2024年に予定されている決勝では、100ヘクタールの熱帯雨林の生物多様性を24時間以内に調査することと、48時間以内の情報提供が求められる。