ドローン製造世界首位のDJIは4月25日、農業用ドローンAgras T50とAgras T25の「世界展開」を発表した。日本ではT25がすでに昨年(2023年)11月7日に発売されており、T50が今回、新発売となった。T50は粒剤なら50㎏、液剤なら40㎏を積み散布することができ、自動航行に必要な圃場の測量もできる。今年1月に発売された物流機「FlyCart30」のベース機としても知られる。DJIの日本法人、DJI JAPAN株式会社(東京都品川区)が4月25日に、T50の予約受付を始めたと発表し、日本での正規代理店、株式会社セキド(東京都港区)も取り扱いを始めたと発表した。発表時の本体価格は税込みで186万7800円だ。発表内容は以下の通り。
新型のDJI農業用ドローンとアップグレード版SmartFarmアプリを世界で発売
2024年4月25日 – 民間用ドローンやクリエイティブカメラ技術で世界をけん引するDJIが、本日、新型ドローンAgras T50、Agras T25 (日本国内では2023年11月7日に発売済み) の世界展開を発表します。定評あるドローン、Agrasシリーズをベースにしており、T50は大規模な作物栽培に比類のない効率性を発揮し、軽量なT25は小規模栽培向けに設計された携帯性を発揮します。どちらのドローンも、包括的な航空用途での管理に強力な機能を提供する、アップグレードされたSmartFarmアプリと互換性があります。
「世界的な農業技術のリーダーとして、当社は噴霧・散布作業用の最新型DJI Agras ドローンで、農業技術の精度向上を目指しています。DJIの農業用ドローンは、これまで100ヵ国以上の地域の9億8,000万エーカーを超える土地に対応してきました」と、DJI Agricultureのグローバル販売責任者、Yuan Zhangは語っています。「実証済みの当社の作物保護ソリューションは、環境への影響を最小限に抑えながら、小規模農家や大規模生産者の収穫量増加、化学薬品の使用とコスト削減に貢献しています。」
Agras T50で生育を促進
Agras T50は、大規模農業の需要に対する深い考察から生まれた、効率性と安定性を誇るフラッグシップモデルです。次世代レベルの安定性を発揮する同軸デュアルローター設計と54インチのプロペラを継承し、40 kgの噴霧ペイロード、50 kgの散布ペイロード積載時に、1時間あたり最大21ヘクタール[1]の効率的な噴霧能力を発揮します。 T50のデュアルアトマイズ噴霧システムは、2つのスプリンクラーとサイズ調整可能な噴霧液滴により、毎分最大16リットルの流量を実現しており、畑から果樹園までの各種用途に最適です。T50は散布構成に応じて簡単に変換できるため、50 kgの乾燥顆粒を搬送し、最大108 kg/分[2]または1.5トン/時[2]の流量率で散布可能です。T50は、出力、精度、汎用性を組み合わせることで比類のない性能を発揮し、進化する現代農業のニーズを満たすように設計された、農業用ドローンにおける最も優れた選択肢です。
画期的な接続性と安定性
T50は、アップグレードされた4アンテナO3伝送システムを搭載し、送信機とドローンの接続を最大2 km[3]まで拡張します。山などの複雑な環境で操作する場合、DJIリレーを配置して伝送範囲と安定性を拡張し、操作の安全性を向上させることができます。
障害物迂回と地形フォローを可能にするデュアルレーダーとデュアル両眼ビジョン
T50には、デュアルアクティブフェーズド アレイレーダーと両眼ビジョンセンサーが搭載されています。これらが連動してT50の周辺情報を正確に再構築し、付近の障害物を検出することで、インテリジェントな障害物検出と迂回、斜面での地形フォローを実現します。
4つのスプリンクラーキット
T50は、遠心式スプリンクラー1組を追加装備することで、流量率を1分あたり24リットルに増加できます。これは、高い流量率での噴霧が必要な果樹園など、密生した樹冠を貫いて葉の表裏を処理する作業に有用です。
9分間の急速充電
T50は、最大容量30 Ah、1,500充電サイクル[4]の、DB1560インテリジェント フライトバッテリーを搭載しています。D12000iEP多機能インバーター発電機と空冷式ヒートシンクの組み合わせにより、9分間[5]の急速充電を実現し、1組のバッテリーで連続操作が可能になります。
Agras T25 – 携帯可能なパッケージでの精密農業
Agras T25は、T50の高度な機能すべてを、コンパクトで持ち運びのしやすいボディに搭載しています。20 kgの噴霧ペイロードまたは25 kgの散布ペイロードを積載可能で、多方向障害物回避、地形フォロー、超高速バッテリー充電、ワンタップのテイクオフ、自動操作など、T50の主要機能を備えています。小規模/中規模農場での単独使用に最適です。
Agras操作の必需品、DJI SmartFarm
DJI SmartFarm アプリには、ワンストップで手軽に作物保護を実現する、ドローン管理のパワフルな機能が搭載されています。最新の更新では、データ制御と管理の効率性が向上し、DJI Academyを通じて学習リソースにアクセスできるようになりました。すべてのソフトウェアはオプションであり、データを共有するにはオプトインする必要があります。
安全性とセキュリティへの長年の取り組み
DJIはデータプライバシーを最優先に考え、ユーザーの皆様は自分たちのデータの使用を管理することができます。初期設定にて、いかなる飛行ログ、写真、動画も、DJIに同期されないように設定されています。DJI Agrasドローンは、送信機と機体にデータをローカル保存するように設計され、データをDJIのサーバーに共有または保存するためには、オペレーター側で許可する必要があります。
中国以外の地域では、DJIと共有されるドローンデータは、アメリカ、日本、およびヨーロッパにあるサーバーに保管され(ユーザーがいる場所に従って保管場所が決まります)、TLSで保護されます。アカウント登録のために共有される個人データは、さらにAES-256暗号化で保護されます。オペレーターは、自分のDJIアカウントから、または、DJIサポートに連絡することで、共有したデータを簡単に削除することができます。2017年以降、私たちは定期的に、Booz Allen Hamilton、FTI Consulting、およびKivu Consultingを含む第三者のセキュリティ監査および認証を受けています。
Booz Allen Hamilton: https://bit.ly/3UdoF5l
FTI Consulting: https://bit.ly/3QhNHiA
Kivu Consulting: https://bit.ly/3QgTDIF
販売状況
4月25日から、Agras T50の予約受付を開始しました。ご購入を検討されている方は、最寄りのDJI Agriculture正規代理店から価格情報を入手することができます 。 詳細は、製品ページをご確認ください。
DJI Agriculture正規販売代理店: https://utcagri.aeroentry.jp/
Agras T50: https://ag.dji.com/jp/t50
Agras T25: https://ag.dji.com/jp/t25
DJIについて
2006年の創業以来、DJIは民生用ドローン業界の草分け的存在として、イノベーションで世界をリードしています。ユーザーの初めてのドローン飛行をサポートし、プロの撮影作業に革新をもたらしてきました。今日、DJIは人類の進歩を継続的に促進することで、より良い世界を構築していくことを目標に日々邁進しています。常に純粋な好奇心をもち、あらゆる問題解決に尽力し、農業、公共安全、測量・マッピング、インフラ点検などの分野にもビジネスを拡大してきました。DJI製品はこれらの分野においても、新たな価値を生み出し、世界中の人々の生活に前例のない変革を提供しています。
株式会社セキドの発表は以下の通り
最大16L/分の液剤噴霧と108kg/分粒剤散布の大流量で、1台で航空測量、散布、播種、施肥が可能な農業用フラッグシップドローン
DJI(ディージェイアイ)正規販売代理店としてドローンビジネスの最先端を支える株式会社セキド(本社:東京都港区、代表取締役:大下貴之)では、2024年4月25日(木)に発表された農業用フラッグシップドローン「DJI AGRAS T50(アグラス ティー50)」の取り扱いを開始いたしました。Agras T50 は最大50kgの大容量タンクを備えたドローンで、農薬散布や播種、追肥に活用でき、自動航行に必要な圃場の測量にも対応することで、農作業の効率化を実現します。
未来を飛躍させる農業パートナー – DJI AGRAS T50
Agras T50 は、強力な同軸ツインローター駆動システムと、強度が高い分離式のトルク耐性固定構造フレームを採用し、40kgの液剤/50kgの粒剤を積載し散布が可能です。また、二重反転式アトマイザー液剤散布システムや、安全機能の前後フェーズドアレイデジタルレーダーシステム、さらにデュアルビジョンシステムも装備されており、安定した作業と高品質な散布効果を提供します。さらに、航空測量機能を備え、T50単体で自動航行での散布に必要な圃場の測量が可能になりました。
・DJI AGRAS T50 詳細/お問い合わせ
https://sekido-rc.com/?pid=180625159
[高速、霧化噴霧、液滴漏れなし]
磁気駆動インペラポンプ、デュアルポンプ流量最大 24L/分
デュアル霧化遠心スプリンクラー、液滴サイズ調整可能
新型ソレノイドバルブ、液滴漏れなし
遠心式ノズルを2セット追加することで、果樹園などで効果的な噴霧ができます。前後2つの噴霧ノズルの切り替えた作業が可能になります。
[毎時1,500kgの散布]
効率的な散布、最大流量108 kg/分[4]
スムーズな散布、粒剤散布器のトルクは2倍
均一な散布、螺旋溝付きの回転ディスク
低速散布、小型のホッパーゲート
リアルタイム計量
素早い分解と洗浄
[両眼ビジョンとデュアルレーダーによる安心感]
前方・後方アクティブフェーズドアレイレーダー
2組の両眼ビジョンセンサー
多方向障害物検知・回避
最大50°の斜面での地形フォロー、自動障害物迂回
[1台で航空測量、散布、播種、施肥が可能]
高解像度FPVジンバルカメラ
ジンバルの角度は調整可能で、画像はリアルタイムで収集できます。
果樹園の空中測量、5ヘクタールの果樹園のマップを10分で作成
農地の空中測量、13ヘクタールの農地のマップを10分で作成
最大20°までの斜面の測量
[DJI RC Plus]
最大2 kmのクアッドアンテナO3伝送
7インチの高輝度スクリーン
8コアプロセッサーでスムーズな操作を実現
DJI Relay Module(オプション)
[燃料消費率の良い急速充電]
9分の超高速充電[10]
1,500 WのAC出力
1,500回の充電サイクルを保証
1.5 m エクストラロング充電ケーブル
・DJI AGRAS T50 主な製品
・DJI AGRAS T50
税込1,867,800円
https://sekido-rc.com/?pid=180625159
・DJI AGRAS T50 遠心ノズルセット
税込97,900円
https://sekido-rc.com/?pid=180625057
・DJI AGRAS T50 粒剤散布装置
税込167,200円
https://sekido-rc.com/?pid=180624161
・DJI AGRAS T50 バッテリー
税込275,000円
https://sekido-rc.com/?pid=177982783
DJI JAPANは10月1日、散布向けの農業用ドローンの新モデル「Agras T30」と「Agras T10」を発表した。「T30」は6ローターの回転翼機。16個の噴霧ノズルを持ち1時間あたり16haの散布が可能だ。DJIは「農業の新たなデジタルフラッグシップ」と位置付けた。また「T10」は4つの回転翼を持つ初心者向けの機体で、DJIは「コンパクトながら強力な空中散布ソリューション」をコンセプトに掲げた。発表会でDJI JAPAN農業ドローン推進部の岡田善樹氏は「テクノロジーは限られた人の特権ではない」とより多くの利用者が利便性を享受できると訴えた。
T30は16個の噴霧ノズルを搭載し1時間で16haの散布ができる。散布幅は9mで、8個の電子制御弁を持つ。プランジャーポンプの搭載で1分あたり8ℓを吐出。水稲のほか果樹にも対応する。液剤の搭載は30ℓで一度の飛行で2haの散布ができる。散布品質も向上し、より均一になり強力な浸透も実現した。360度検知球形レーダーシステムを持ち、ほこりや光の干渉を受けずにあらゆる環境、気象条件、視野角で障害物や周囲の状況を認識する。自動障害物回避と適応飛行機能は、操作中の安全性を確保する。液面のリアルタイム表示で補充の適切なタイミングを知らせる。
粒剤も40㎏積める。散布の均一性が50%向上し、1分で20㎏の散布ができる。残量検知センサーも搭載している。
機体前後にはFPVカメラを備え、正面と背面のビューが提供される。このため方向転換せずに飛行状況を確認できる。高輝度のサーチライトで暗視機能を2倍に高めた。
制御モジュールは、完全な密閉構造を採用。IP67の保護等級で農薬、ほこり、肥料、腐食から守る。機体は落りたたみ式で運搬時は使用時の80%程度の大きさになる。アームにはワンタッチロック式の機構が搭載されたほかロックされないままで放置するとアラートで警告する。
新しいインテリジェントルートモードでは、各操作に最適なルートを個別にする。自動航行中は残りの薬剤量をリアルタイムで表示し、適切な補充ポイントと作業時間を示す。圃場を縁取るように散布する額縁散布も設定できる。
送信機は、最大4 km離れた場所からの映像伝送に対応。5.5インチの高輝度スクリーンを備える。1台の送信機で一度に複数のドローンを操作できる。標準のRTK高精度測位モジュールは、センチメートルレベルで計画できる。より強力な信号伝送、干渉防止、動作安定性機能が追加された。
専用のインテリジェントフライトバッテリーは、1000サイクルの製品保証で29,000 mAhの電力を蓄える。冷却を待たずに充電でき、回路基板のポッティング保護、防水性と耐腐食性を備える。
また、初心者向けのT10は、コンパクトながら強力な空中ソリューションを提供することをコンセプトに開発された。散布幅は最大6mで、1時間あたり最大6.7haの散布効率だ。機体は70%まで折りたため、持ち運んで使うことを想定した。バッテリーとタンクは取り付けや取り外しがしやすいよう工夫された。IP67防水で、監視用のデュアルFPVカメラも搭載、高精度の完全自動運転なども特徴だ。自動航行システムは、圃場に合わせた最適な飛行ルートを生成。RTKモジュールのセンチメートル単位での高精度な測位も標準装備されている。
4つのノズルは最大2.4リットル/分の出力で、デュアルチャンネルの電磁流量計が農薬の散布吐出量を均一に制御する。球形レーダーシステムも採用し、自動障害物回避機能と適応飛行機能を持つ。前面、後面のデュアルFPVカメラも搭載した。保護等級はIP67。T10専用のインテリジェント フライトバッテリーは、1000サイクルの製品保証で9500 mAhの電力を蓄える。またT10バッテリーステーションは3,600ワットの充電電力を提供する。
粒剤散布装置への切り替えも可能。10 kgの容量で噴霧幅は最大7.5メートル。リアルタイムの重量監視に対応する。
■Agras T30 :https://www.dji.com/jp/t30
■Agras T10 :https://www.dji.com/jp/t10