無人モビリティ事業を手掛ける株式会社セキド(東京)は1月17日、春日部市(埼玉県)で、DJIが1月10日に日本を含めた世界市場での発売を発表したばかりの FlyCart30 の説明会「DJI FlyCart 30の魅力全部ご紹介セミナー in 春日部」を開催し、参加者の前で25㎏の荷物をウインチシステムで吊り下げて運ぶデモンストレーションを実施した。発表から間もない説明会だったため、この日はテストファームの状況での実演となった。説明を担当したセキドの糸野隆雄氏は「(説明会6日前の)木曜日(11日)にデモ機にはじめて触れ、検証すればするほどめちゃめちゃいいと実感した。しっかり実装されれば一斗缶をかついで山をのぼる作業は不要になるのではないか。クレーンの入れない場所、災害現場で使える」と期待を込めた
セミナーはセキド春日部事業所が入る「春日部みどりのPARK」の施設の前庭で開催された。セキドの糸野氏が機体を前に概要を説明した。ベースが2024夏にも発売が予定されている農業機DJI AgrasT50であることや、荷物の配送方法は70Lケースを取り付けて運ぶ方法と、ウインチシステムでつり御下げて運ぶ方法の2モードから選べることなどが紹介された。ウインチの荷物の切り離しは、ウインチにつりさげている荷物が地面におろされると、とめてある金具がはずれリ沒がリリースされる仕掛けになっていることが説明された。
説明をしたあと、機体を離陸地まで2人で運び、20㎏の荷物と5㎏のかご、あわせて25㎏の荷物をくくりつけた。このさい、ロープがたるまないような工夫をほどこすことが大切で、この日は、軽めのおもりでロープがたるまないようにした。
起動させると、重低音でプロペラがまわると機体はスっと安定して離陸。ロープにくくりつけられた荷物は、ロープがのびきる高さまで機体が浮上するとともに、負荷を感じる挙動をっみせることなくつりさがった。機体はそのまま、会場の施設屋上におろした。また、機体がホバリングしたままおろした荷物を再度ウインチにとりつけ、離陸地点に帰還した。
ウインチシステムで荷物が吊り下げているさい、荷物の揺れによって機体がひっぱられても安定して飛行し続けることや、荷物の揺れに応じて機体が反応し、揺れを抑えるように飛行することも実演した。また、画面の様子も説明した。
セキドは今回、中国本社と直接の折衝のうえ、説明会の開催を実現させた。販売情報が固まっていない。講習料金、パーツの供給の有無などは今後、決定して公表する見込みだ。
説明会には多くの愛好家、事業者が参加し、デモンストレーションのあとも問い合わせが続いた。
DJI FlyCart 30はDJIが1月10日に、グローバル市場での販売を発表した。機体は8枚のプロペラを4軸に配置したマルチローター構成だ。デュアルバッテリーの場合、最大積載量30 kg、最大航続距離16 kmを可能にする。パラシュートも搭載している。DJI O3映像伝送システムで、ドローンと送信機の接続を最大20 km まで確保する。新開発のソフトウェアDJI DeliveryHubで体系的にタスク管理をする。