株式会社A.L.I. Technologiesは12月27日、多数の戦績を持つレーシングチームJAPRADAR(ジャップレーダー)が監修したレーシングドローン、「JAA-TWIG Ver 1.0 Lightning」の販売を開始すると発表した。年明けの2020 年1月に販売サイトを開設して申し込みの受付を開始、3月下旬に納品が始まる見込みだ。
発売する「JAA-TWIG Ver 1.0 Lightning」は、合計重量170g、乾燥重量 117.23g。スピードレースで使われる機体は500g前後が主流だ。選手自身がパーツを集め、自分で組み立てることが一般的で、初心者が取り組むにはハードルが高いという声も多い。競技人口拡大のためにこのハードルを下げる必要があり、A.L.I.はJAPRADARの監修を受けて、スピードを生み出せる性能を持ちながら、初心者、入門者、レース未経験者が練習をはじめやすい模型航空機としてレース機を開発し、今回、発売することになった。
機体は合計重量が170gで乾燥重量が117.23g。オリジナルLEDボード、 FPV、HDDまたは4Kカメラ搭載が可能、プロペラガードも搭載可能。技適も取得しているという。本体価格は税抜きで29,800 円となる見込みであると公表されている。A.L.I.は「本格的なレースやスポーツ空撮にも対応できるスペックを有した画期的なドローン」と話す。同時に、200g未満であるものの、法規制や条例の対象となる場合があると注意も促している。
機体の監修をしたJAPRADARは東京モーターショー2019 で開催された国際航空連盟(FAI)公認のドローンレース「Drone Tokyo 2019 Racing & Conference」で決勝に進出した4選手のうち3選手を輩出した、強豪チーム。世界選手権日本代表チーム総括を担うなど、国内外のレースにて功績を残し続けている。主力選手の一人、上関風雅選手は世界選手権で日本人記録をたたき出している。米国発祥のモータースポーツ、FOMULA DRIFT JAPAN2019で専属撮影チームを編成したのもJAPRADARで、ドローンを使った撮影が「CGのようだ」と話題になった。
A.L.I.は、速さ、高さ、華麗さなど極限を競うX-Sportsの普及に伴うテクノロジーの発展で、高齢化、人口減少などの課題の解決を図るとともに、「心身の育成」「身体の枠を越える新たな職種普及」を目指している。ドローンレースの注目度が高まることで市場拡大、運転技術の向上、機体開発技術の向上につながることが期待でき「今後もさまざま施策でドローンを含む、エアーモビリティ業界発展への貢献を目指してまいります」と話している。
ドローンレースはドローンが最高時速210kmに及ぶ速度で飛ぶ競技で、賞金1億円を超える国際大会も開催されている。世界の競技人口は100万人以上だが、日本の競技人口は5,000人にとどまると言われ、戦力強化や競技普及のためには競技人口の拡大の必要性が指摘されている。