米Skydio社は、最新AIドローンの「Skydio 2」を10月2日にサイトで販売開始を発表すると、翌日には初期ロットを完売したと公表した。Skydio2はどう進化したのか。
Skydio 2は、旧モデルの半値にあたる$999(約11万円)の価格設定。60fpsに対応した4Kカメラを装備した。ジンバルは3軸になり電池の寿命は23分に伸びた。自律飛行の最高速度は36mp/h(約60km/h)になり、飛行範囲は3.5kmに広がった。旧モデルでは、スマートフォンのアプリでしか制御できなかったが、新たにSkydio Beaconと専用コントローラーも用意された。本体のデザインも大きく変わり、プロペラが折りたたみ式のコンパクトな設計になり、バッテリーが本体底に取り付けられるようになった。
Skydio 2は、一般的なドローンと異なり着陸用のアームなどがない。本体底の下部のバッテリー部分で胴体着陸するイメージだ。その分機体はコンパクトになり、専用ケースで持ち運べる。離陸時は、地上からも手からも容易に飛ばせる。
価格が安くなり、カメラの性能も飛行性能も向上したが、最大の特徴はAIを活用した障害物の回避と正確な被写体のトラッキングにある。
サイトに公開されているDJI Mavic 2との比較動画では、森林の中を爆走するバギーを追跡する2台のドローン動画から、Skydio 2がいかに的確に障害物を回避して飛行しているかがうかがえる。
Skydio 2は、6つの4Kカラーカメラにより200度の広角で45メガピクセルの画像をリアルタイムに収集している。その画像を毎秒1.3兆回の演算ができNVIDIA Jetson TX2で処理することで、障害物を的確に認識する。旧モデルでは13個のカメラを使っていたが、6つに減らすことでコスト削減も実現している。
Skydio 2のAIによる自律飛行の性能は、7月のティザー広告から少しずつ公開されていたが、その映像は優秀なドローンパイロットでも難しい撮影を可能にしている。
こうした映像の効果もあり、Skydio 2が10月2日にSkydio社のサイトで注文を開始すると、即日で初期ロットが完売し、翌3日には、追加ロットを増産するとの発表がFacebookに掲載された。
<参考訳:Skydio 2は最初の32時間で信じられないほどの注目を集めました。皆様からの関心とサポートに感謝しています。 最初の生産ロットは完売し、次の予約を開始しました。2020年1月に出荷が開始される予定です。次期ロットも数量が限られているため、入手を待っている場合は、早く予約してください。>
果たしてSkydio 2は、2020年のドローン市場における台風の目玉となるだろうか。日本上陸の予定はないが、発売が望まれる。