センシンロボティクス北村社長が2020年のドローン業界を展望

2020.01.16

  産業用ドローンなどを活用して業務用ロボティクスソリューションを提供する株式会社センシンロボティクス(本社:東京都渋谷区)の北村卓也代表取締役が、DroneTribuneのインタビューに応じ、2020年の事業と展望を語った。

「SENSYN DRONE HUB」の「開始の年」から「実導入の年」へ

  北村社長は、2019年の同社の活動について「当社が目指す『ドローンによる業務の完全自動化』を実現するコアテクノロジーとなる完全自動運用型ドローンシステム『SENSYN DRONE HUB』のサービス提供を開始したことが大きなトピックです」と振り返った。

  「SENSYN DRONE HUB」は、ドローンの機体を格納し、自動での離発着や自動充電に対応する基地(ドローンポート)。ソフトウェアによる制御と組み合わせることで、事前に設定されたルートへの自動飛行や、画像などの撮影を自動化できる。先に行われた国営飛鳥・平城宮跡歴史公園(奈良市)での実証実験のように、定期的な施設の点検が可能になる。センシンロボティクスでは、ビル、工場、高層施設などの警備や監視業務をはじめ、津波、雪崩などの災害対策と定点観測や、鉄塔、陸橋、ダムなどの定期点検、さらに山間部、高所、災害危険地域などにおける業務に利用できると提案している。

  北村社長は「当社のお客様は、鉄鋼、石油、電力、鉄道、道路、建設、通信などです。大きな工場の設備点検や、石油タンクなどの点検を行っています。すべての事業者に共通した課題が『人が足りない』という状況です。高所の点検などは危険が伴います。そのため、なかなか点検要員のなり手が増えません。こうした課題をドローンが解決していけます」と展望した。

平城宮跡でJIWと点検の実証に臨んだ=1月8日(奈良市)

能動的な提案でドローンのソリューションを広げていく

  始動した2020年の取り組みについて、北村社長は「今年は『SENSYN DRONE HUB』の実導入の年と位置づけ、様々な業種で、実運用に向けた試験導入を行ってまいります。具体的には、有人地帯における目視外飛行(レベル4)に向けた準備を進めていくことになります。現在は法規制の関係上、オペレーターの目視可能範囲(レベル3)での飛行検証を行っていますが、ドローンによる業務の完全自動化を実現するためには、目視外補助者なしでドローンにミッションを行わせる必要があり、ハードウェア・ソフトウェアの進化、社会的受容性の喚起を促進して参ります」と話す。


  一方で、ドローンによるソリューションの提案先が抱える構造的な課題があると、北村社長は指摘する。いまの社会を支えている歴史ある重厚長大企業の本社の管理職や現場の責任者などが、積極的に未知の新しいソリューション導入に踏み切れないでいる現状だ。「少子高齢化や設備の老朽化に伴う課題やリスクへの対応は待ったなしと認識しつつも、自分が定年するまでは、点検などに大きな変化を起こしたくない」との心理的抵抗が大きいため、現場へのドローン導入がなかなか進まない。


  こうした課題を解決するために、北村社長は「能動的な提案をぶつけるようにしています。お客様の課題を解決するひとつの手法として、ドローンやロボティクスがあることを提案しています。また、大きな事業所などでは、数多くの利害関係者が点検や検査に携わっているので、地域や地元の構図を理解した上で、ビジネスを推進しています」と取引先の事情を丁寧に向き合う姿勢を明確に打ち出している。実際、こうした取り組みが実を結び、これまでにドローンによる送電線点検や、警備サービスの強化などに導入されてきた。

  北村社長は「これまでの実績が口コミで伝わることで、いろいろな部署や新規の事業者からも、問い合わせが増えています。ドローンによるソリューションは、最初の信頼を築くまでは苦労も多く事業化へのハードルも高いと思います。しかし、ひとつの実績が評価されると、わらしべ長者のように新しいビジネスへとつながっていきます。今年から、様々なシーンでドローンの社会実装が加速していくと考えています。当社が注力する設備点検、警備監視、防災・減災対応においても、産業用ドローンの市場はさらに大きく拡大していくものと想定されます。我々はドローンサービスのリーディングカンパニーとして市場を牽引して参りたいと考えております」と2020年に向けた抱負を語る。

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