ドローン産業は空飛ぶクルマの研究、開発、運用をはじめとした活用の議論が熱を帯び、より広い産業、多くの層から注目されています。そこでドローン研究の第一人者で東京大学名誉教授・未来ビジョン研究センター特任教授の鈴木真二氏、小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発に携わった航空機開発に詳しいPwCコンサルティング合同会社 顧問(Aerospace&Defense 担当)の宮川淳一氏が最新動向や産業利用拡大に向けた課題などについて対談しました。モデレーターはドローンや空飛ぶクルマ関連の業務・技術支援に携わるPwCコンサルティング合同会社ディレクターの岩花修平氏が務めました。今回は、今後のドローンの未来を切り開くのは、航空機業界以外の分野から参入したスタートアップ企業などの次世代リーダーである可能性を示し、従来の航空機産業を築き上げてきた先人たちとどう協力関係を築くべきかといった方向性について話し合った前半の様子をお届けします。(文中敬称略)
岩花氏 2015年4月の「首相官邸無人機落下事件」をきっかけとして、社会的な観点も踏まえて無人航空機の法規制に関してもさまざまな検討があると聞いています。
鈴木氏 首相官邸無人機落下事件が起こった2015年は、国内のドローンを取り巻く環境が大きく変化した年でした。同年に航空法が改正され、規制が強化されるなど制度化が進みました。一方で、ルールの制定により、正式に利用する際の根拠ができることになるため、事業者はむしろ歓迎しました。この改正は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、会員とともに安全ガイドラインを国土交通省、経済産業省のアドバイスを得ながら自主的に策定していたことが基礎になったという自負があります。3年後の2018年には、安倍晋三首相がドローンで物流ができるようにすると宣言し、産業化へ向けた動きが加速しました。
岩花氏 2022年に「目視外及び第三者上空等での飛行(レベル4)」に関する規制緩和が見込まれていますが、この動きによって大きく活用の拡大が見込めそうですか。
鈴木氏 第三者上空の目視外飛行というと、2022年に市街地を大型ドローンが飛び交うことを思い描かれる方がいらっしゃるかもしれませんが、現在の技術や安全レベルでは難しいと感じます。リスクを低く抑えられる状況から、段階的に進めていく必要があります。日本では、人口集中地区(DID)では許可なく飛行することが全面的に禁止されていますが、都市部の中でも相対的にリスクの少ない飛行はかなりあります。例えば川に沿った飛行や建物の点検のための飛行、空撮のための小さなドローンの飛行などです。安全が確保されれば、都市部でドローン飛行を許可するように規制を緩和する必要があります。そうしたところから、レベル4が始まると考えています。ただし、現実には、地方でのドローン飛行を重ねて、ステップを踏みながら次第に安全の確保が検証され、空域が広がっていくことになるのではないかと考えています。
岩花氏 小型無人機に関する関係府省庁連絡会議(官民協議会)では、「目視外及び第三者上空飛行」の実現に向けた検討が進められています。今後の論点や方向性、スケジュール感などについて教えてください。
宮川氏 小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発で、2007年にプロジェクトマネージャーとなり、2008年には全日本空輸(ANA)にローンチカスタマーとなっていただき、開発がスタートしました。当時から型式証明(TC)の取得は極めて困難な作業だという認識で、今でも苦労していると聞きます。日本の航空業界では、航空法は「きっちり学んで、守るもの」という意識が強いように感じます。これに対し、ボーイングやエアバスなど海外の航空機メーカーの関係者と話していると、「航空法というのは参加してつくるもの」という発想が主流です。
岩花氏 「守る」だけでなく、つくることに参加する発想ですね。
宮川氏 米連邦航空局(FAA)の使命を謳ったミッションディスクリプションの中は、「米国の国土の空の安全を守る」としたうえで、「航空産業の育成に資する」というものもあると聞きます。ドローンの登場でパラダイムシフトが起こっているときに、どのようなレギュレーションを作っていくかを考えることは、日本にとっては絶好のチャンスです。スペースジェットが参入障壁で苦しんでいるように、従来の有人航空機に関わる航空法制は欧米主導で定められており、日本は学習・追従するしかありませんが、無人機について、人口密集地と過疎地を抱える日本が主導して、もしくは積極的に参加して国際協働で法制制定に関わっていくべきです。
鈴木氏 全くその通りです。有人航空機の世界では、欧米がはるか彼方を飛んでいます。一方で、無人航空機、特に小型のドローンは世界中で同時に始まったわけですから、日本もルール作りにコミットできるはずです。国際標準化機構(ISO)ではドローンの委員会が設置され、最近になって日本から多くの専門家が参加しています。また、ワーキングの「コンビナー」と呼ばれる座長も日本から出すなど、国際的な業界標準化にむけて日本も活躍しています。特に日本がリードしている分野はオペレーションやトレーニング、ドローン運航管理システム(UTM)です。ただ、機体製造に関しては中国が大きな力を持っています。
岩花氏 ISOの国際会議に日本から積極的に出席しているのは良い流れだと思います。その延長で、今後は法規制の整備なども国際協調の中で、日本が主導的な立場をとることが期待されます。
鈴木氏 標準化で主導的な立場を取ることは、産業化を考えると極めて重要です。例えば、電気自動車のバッテリーの充電システムは日本勢が標準化に後れを取り、そのうちに欧州市場などに参入障壁ができてしまったと聞いています。国内では、新しい分野ですので、官民合わせて制度作りや研究開発テーマの設定を協議する環境が2015年度からスタートし、毎年ロードマップを改定しています。これも一つの標準化です。縦割りの組織で、しかも会社間の競争の厳しい日本では、こうした例は珍しいと思います。他の分野でも、ドローンのモデルにならった官民協議会が作られています。例えば、「空の移動革命」を目指した官民協議会が2019年に設置されました。
岩花氏 政策として、ドローンの機体や操縦者の情報登録や「車検」のような許認可制度など、管理制度の導入によるメリットとしてどのようなことが考えられますか。
鈴木氏 欧米の場合は、ドローンがテロに使われることに対する恐怖心が強く、誰が何を所有しているかを把握しておくことは重要です。一方、日本は比較的に安全と考えられ、危機意識は高くありませんでした。しかし、最近、訪日外国人旅行者などが、日本の航空法をしっかり理解せずにドローンを飛ばす事態が起こっています。関西国際空港の滑走路付近でパイロットがドローンのようなものを目撃し、安全確認のため全ての航空機の離着陸を停止する事態になりました。しっかり管理しないと、自由な飛行にブレーキがかかってしまうので、管理された状態をつくることは必要であると思います。
岩花氏 管理された状態をつくるためにどのような取り組みがされているでしょうか。
鈴木氏 レベル4の実現に向けた官民の検討会において議論を開始し、先ごろ中間報告を出しました。リスクが高くなった場合、そのリスクに応じた機体の安全性や検査制度、操縦者の資格や、管理方法が求められるというのは各国共通の認識です。「リスクベースアプローチ」と呼ばれています。登録者制度は事故時に所有者を特定するというものですが、どちらかというと所有者の意識を高め、管理を容易にするとともに、不正利用を防止する(特にルールを知らない外国人旅行者)意味が大きいと考え、米国でも2015年に導入されています。
岩花氏 リモートIDの導入でリアルタイムに機体の飛行を管理することや、無登録のドローンを排除することも検討されています。
鈴木氏 ドローンへの対処に関しては、特にテロの危険性が高い諸国で早期に検討が始まりました。日本ではその認識も薄かったのですが、先ほど述べた通り、関西国際空港で不審なドローンらしきものが見つかり、1時間ほど航空機の飛行が停止された事案もありました。また、2020年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会も開催されますので、他人事ではなくなっています。警察や自衛隊、国土交通省もそのための予算を計上し、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)もリモートIDの研究に着手しました。リモートIDはドローンが自らのIDと位置情報などを周囲に発信しながら飛行するもので、米国では2020年早々に法案が、欧州では2020年からその装着を義務づけようとしています。登録しても番号を機体につけるだけですので、遠くからは全く見えません。そのために、WifiやBluetooth、LTEなどの方式で電波を周囲に発信しながら飛ばそうというものです。運航管理の在り方を検討する日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)では福島ロボットテストフィールド(福島RTF)を使ったリモートIDの実証実験を行ったところです。これらは本当にドローンなのか、正規に登録されて飛行するドローンなのか、不正なドローンなのかを判定するためにUTMと連携して使用することが想定されています。テロ行為を行おうとするドローンへの対処は警察や自衛隊の課題ですが、さまざまな方式が提案されています。
岩花氏 日本ではJUIDAを代表とした操縦者、運航管理者向けの資格が既に存在し、一定の知名度と資格者を輩出していますが、今後、運航管理システムや目視外飛行、自律航行が進むと新たな操縦者、運航管理者要件が出てくると想定されますが、資格制度にどのような変化が見られそうでしょうか。
鈴木氏 レベル3においては、資格があれば飛行申請の許可が簡単におりそうです。レベル4および明確な規定のなかった25キログラム以上の大型ドローンに関しては、より高いレベルの資格が要求されるというのも国際的な共通認識です。JUIDAでは個人向けに「無人航空機安全運航管理者」という資格を出していますが、UTMが普及するとそのための管制官に相当する資格も必要になり、運航事業者に対する承認制度も必要になると思います。
岩花氏 「目視外及び第三者上空飛行」の実現に向けて空域の管理や飛行機体の管理のためにUTMが必須の仕組みになると想定していますが、今後の普及に向けたスケジュールや関連する法規制、海外との連携、カウンタードローンとの連携の可能性などについてご意見をいただけますでしょうか。
鈴木氏 UTMに関しては、小規模なものは商品化され既に利用されていますが、広域においてそれぞれのUTMを統括するスパーバイザーとしてのUTMをどう設計し、どのように運用し、だれが管理するのかという大きな課題があり、国際的にも未踏の分野です。現在では、長距離を飛行するドローンもなく、高密度の利用もないわけですから、将来に向けた投資にもなりますが、個人的には、高度なセキュリティーが要求される空港や原発、大使館などの周囲では、UTMが今すぐにでも必要と感じています。ただ、まだUTMの基本方針も明らかになっていませんので、スケジュールも明確ではありません。将来、長距離飛行のドローンや、高密度運航にも対応できるアーキテクチャーを早期に固める必要があります。ISOの標準化作業も始まったばかりです。
岩花氏 PwCコンサルティングにおいてもドローンを利用したビジネスを海外でも展開したいというクライアントの声が多く聞かれるため、規格などの標準化の取り組みも重要だと考えています。海外における無人航空機の標準化や法規制、知財、利活用の動向なども調査していますが、グローバル展開する企業にとって海外の技術開発動向、法規制と足並みを合わせることが重要と感じています。海外の技術開発、法規制と歩調を合わせるために、日本として何か取り組んでいることなどはありますか。
宮川氏 無人機に関わる標準化は、モビリティ専門家を会員とする米国の非営利団体であるSAE(Society of Automotive Engineers)などがすでに委員会を構成して議論を進めており、日本は出遅れ感が強いと言えます。標準化も従来は学習・追従と捉えてきた日本の産業界に、少なくとも参加を促すことが必要になります。
鈴木氏 大型ドローンや電動航空機に関してはそうですが、小型ドローンに関しては、特に電波法や法規制が国によって異なるという課題があります。機体はドローン最大手のDJIがほとんどですので、国によって異なる制度が現時点での大きな課題です。ISOの国際標準化が進めば機体や運用などに関しては世界で共有化が進むと思います。各国で電源のコンセントが違ったり、昔の話ですが携帯電話の方式に違いがあったりしたこともあり、その際は本当に苦労しました。
岩花氏 人が乗ることも想定する空飛ぶクルマの実現に向けた検討も進めていると思います。これは無人航空機の延長としてとらえるのか、それとも技術的にも法規制面でも全く別のものと定義されるのか、どちらになるでしょうか。
鈴木氏 技術はドローンをベースに電動のマルチコプターで進むと思いますが、法制度などは有人機の超小型版と位置付けられるので、小型航空機のルールを参考にして決められていきそうです。そうなると日本にとっては不利となりますので、早急な整備が求められます。
宮川氏 空飛ぶクルマは従来の航空製造事業「上」から降りてきた人たちと、ホビー用を代表とする新規の航空デバイス製造業「下」から昇ってきた人たちに分かれます。昔は、ドローンは鳥や凧と同じ扱いでしたが、今や、下から上がってくる「ディファレントスピーシーズ(異なる人種)」が出てきて、どのように折り合いをつけるべきか戸惑っている段階だと思います。これは私見ですが、この世界を発展させる人たちは、下から上がっている新しい人種ではないでしょうか。最近はロケットをつくっているスタートアップ企業が多いですが、こうした新しい人種が、新しい技術を引っ張っていくという気がします。私も含め、上からの人たちは極めて保守的な考え方が多い。飛行機の場合は、落ちることが許されません。もし、不具合が見つかれば臨時対策、恒久対策と完璧を期す必要があります。
鈴木氏 確かにドローンを進めてきた人たちは航空機とは別の世界の人たちです。違う人種の人たちが進めてきたから、うまく進んできた側面もあります。しかし、空飛ぶクルマが人を乗せて飛ぶとなると、確実に安全を担保しなければなりません。これは上の世界の人たちの領域です。今後は、上の人たちと下の人たちをどうつないでいくのか、まさに今、大激論が交わされています。
宮川氏 私が三菱重工時代に有人機でやってきたのはシステムインテグレーションです。無人機を安全に飛ばすには、機体のシステムだけを見ていては不十分です。すぐに思いつくだけでも、無人機を最終的に確保するには、地上装置や通信インフラ、管制インフラ、法制、社会的受容性をどう調整するか、物理的な攻撃とサイバーの面でのセキュリティー、パイロット育成などの運用支援など、数々あります。もっと広い視野で、システムで支えていく必要があるのではないでしょうか。極論すると、機体が落下することを予め想定して、どのように安全安心をつくり、価値を享受していくのかという発想が重要になってきます。
鈴木氏 米国FAAでは小型航空機の型式証明の方式が最近大きく変化しました。コックピットの液晶パネルのような新しい技術を積極的に利用したいという理由からです。そこではパフォーマンスベースのルールが採用され、その性能の認証に、業界団体のコンセンサスで提案されたものが採用されるという劇的な変化が起きています。空飛ぶクルマの認証を従来の方法で行っていては非常に時間とコストがかかってしまいますので朗報とはいえますが、日本にそのノウハウがほとんど入ってないのが問題です。(後編に続く。PwCはドローンによる課題解決に力をいれていて「ドローン・パワード・ソリューション」のWEBページで情報を提供しています。ページ内でも本対談を御覧頂けます)
神奈川県茅ヶ崎市の沖合上空を飛んでいたドローンが、漂流しているサーファーを発見し、漂流者は通報を受けて駆け付けた救助艇に助けられた。救助されたのは3人で、最初の救助は通報から約10分後と素早い救助につながった。
通報があったのは5月10日午前10時9分。茅ヶ崎市東海岸南の茅ケ崎ヘッドランド沖でサーファーが流されていると119番に通報があった。通報を受けて神奈川県水難救済会茅ケ崎救難所のライフセーバー5人が乗れる救助艇が現地に向かった。確認をしたところ3人が流されていて、湘南海上保安署によると最初の1人目を午前10時20分に救助し、救急隊に引き渡した。その後10時30分、10時40分と10分ごとに1人ずつ救助した。3人とも無事だった。
ドローンは、沖合200メートルの場所にいたサーファーの姿と、その漂流者が、ドローンに向かって手で「✕」印をつくってみせ、漂流していることを確認したという。
現場となったヘッドランドはT字型の人口岬で、沖合に向かった流れる離岸流が発生しやすく、遊泳には適していないとされる。離岸流は岸から置きに向かって流れるため、漂流時に岸にむかって泳ぐと、たどりつけないうえ、体力が消耗し危険とされている。また、当時は強風波浪注意報も出ていたという。
ドローンを使った沿岸パトロールや海難レスキューへの期待は高まっている。今年(2025年)2月13日には、海難レスキュー用に開発された機体が機能するかどうかを確認する実証実験が鎌倉市(神奈川県〕の材木座海岸で行われ、遭難者役のライフセーバーが海面に浮かぶと、ドローンが急行して救命浮環や、海水を着色して位置を示せるシーマーカーを投下した。シーマーカーはGPSを搭載したカプセルとともに投下され、陸上で現場の場所を特定できるなど、効果を確認できた。実験は神奈川県産業振興課が主催した。
このときのレスキュードローンは田村市(福島県)に本社を構える株式会社manisonias(マニソニアス)が、「Quick(クイック)」ブランドで国内のドローン開発を数多く手掛ける五百部商事有限会社(鹿沼市<栃木県>)の機体をベースにカスタマイズした機体で、「SAKURA」と名付けられている。
神奈川県では海岸パトロールの取り組みは5年前から行われている。新型コロナウイルス感染症が広がりはじめた2020年7月18日、神奈川県は感染拡大防止対策として県内の25カ所の海水浴場の開設を取り止めたが、このさい海水浴場の安全確保のため、ドローンとライフセーバーによるパトロールの実証実験を片瀬西浜(藤沢市<神奈川県>)で行われた。水難事故などのトラブル対策として、神奈川県は日本ライフセービング協会と包括協定を締結、藤沢市も海水浴場組合、神奈川ライフセービング協会、藤沢市サーフィン協会などと協議し「夏期海岸藤沢モデル2020(藤沢市夏期海岸ルール)」を定めていた。ドローンを積極的に活用することは対策に盛り込まれていて、この日の実験がドローンとライフセーバーの連携では初めての取り組みとなった。
サーファーが集まる場所での沿岸パトロールは地元自治体の課題のひとつで、年間60万人のサーファーが訪れる一宮町(いちのみやまち、千葉県長生郡)は昨年(2024年)11月15日、自動制御技術のブルーイノベーション株式会社(東京)が開発したドローン自動巡回システムの導入を決めたと発表し、近く実証実験を行う見通しだ。
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA、東京)とブルーイノベーション株式会社(東京)は5月8日、大阪・関西万博の会場周辺空域でのドローンやAAMの運航管理や調整で、大阪・関西万博を主催する2025年日本国際博覧会協会を支援すると発表した。万博会場ではドローンの飛行が大阪府の条例で全面的に禁止されている一方、必要に応じて飛行を許可する場合の仕組みづくり、体制整備が進められてきた。JUIDAがガイドライン作成や審査、ブルーが運航管理などで協会を支援する。また万博会場で運航管理チームを編成するため、JUIDAが会員を対象に募集する方針だ。5月中にも説明会を開く。万博会期中にはAAMが会場内と会場外ポートの二地点間をデモフライトする予定で、ドローンとAAMの航空調整を同時に担う見込みだ。
JUIDAとブルーイノベーションは、大阪・関西万博運営参加サプライヤーとして協賛していて、万博期間中のドローンなどの安全運航管理の面で協会をサポートする。JUIDAが飛行前、ブルーイノベーションが飛行中の安全管理を担う。
飛行前としてJUIDAはすでに、飛行申請のためのガイドラインを複数言語で整備した。ドローンの飛行を希望する場合、飛行希望者はこのガイドラインにそって申請することになる。申請があった場合の審査もJUIDAなどが担う。
ブルーイノベーションは同社が開発した複数機のリアルタイム管理・運営の効率化ができるドローンパイロット向けプラットフォーム「SORAPASS」などで運航管理を支援する。また編成される運航管理チームも統括し、AAMとの運航調整を担う見込みだ。
JUIDA、ブルーイノベーションがそれぞれ公表したプレスリリースは以下の通り
~空飛ぶクルマとの運航調整も担当、JUIDA 会員より運航管理メンバーを募集開始~
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(本社:東京都文京区、理事長:鈴木 真二、以下 JUIDA)とブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、2025 年日本国際博覧会(以下 大阪・関西万博)において飛行する全てのドローンの安全運航管理を支援いたします。さらに、ドローンと空飛ぶクルマとの運航調整も担当し、次世代モビリティ社会に向けた取り組みを推進してまいります。両社は、大阪・関西万博 運営参加サプライヤーとして協賛しており、万博期間中の安全で効率的な空飛ぶクルマやドローンの運航を実現するため、専門知識と豊富な経験を活かして博覧会協会をサポートしてまいります。
なお、万博開催期間中の運航管理ボランティアメンバーを JUIDA 会員より募集することも決定し、説明会を5月中に開催することをお知らせします。
■背景
2025 年大阪・関西万博では、最新技術が集結し、未来の都市づくりや持続可能な社会に向けた革新的なアイデアが展開されます。その中で、空飛ぶクルマやドローンの技術は重要な役割を担い、展示会場内外での物資輸送、映像撮影、ドローンショー等のパフォーマンスなど、多岐にわたる用途が期待されています。
JUIDA とブルーイノベーションは、ドローンの安全運航に関する専門知識と豊富な経験を活かし、万博期間中におけるドローン飛行の安全を管理し、万博会場周辺空域でのスムーズな運航を実現するための管理支援を行います。
■両社の役割
JUIDA はドローンの飛行前の安全管理を担当し、ブルーイノベーションは飛行中の安全管理を担当します。
具体的に JUIDA は、万博会場上空でのドローン飛行に関する空域利用ガイドラインを策定し、運航管理ルールの作成や運航当日の管理を担当し、ドローン事業者からの飛行申請内容の審査を担当します。万博開催期間中には、運航管理を円滑に進めるためのチームを招集します。
ブルーイノベーションは、当社の Blue Earth Platform(BEP)※1を軸として開発したドローンパイロット向けプラットフォーム「SORAPASS」※2等の運航管理ツールを活用し、複数のドローン運航の管理運営をリアルタイムで担当します。
また、JUIDA 会員および協力企業から成る運航管理チームを統括し、全体の運航調整を担当します。
■代表コメント
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA) 理事長 鈴木 真二
弊会では 2015 年の改正航空法施行の前から、ドローンを安全に飛行させるためのガイドライン作成を行ってきました。また約10年にわたり、ドローンの安全教育を行ってきた知見を踏まえ、今回万博におけるドローンの飛行と空飛ぶクルマとの運航調整に関するガイドラインを作成させていただきました。今回はわが国として、実証実験としてではなく、本番飛行としてドローンと空飛ぶクルマが共に空域を共有する初めてのユースケースとなります。これを皮切りに、わが国でドローンと空飛ぶクルマが共に同じ空域を飛行する世界が早期に実現されることを期待しております。
ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之
弊社の提供する、ドローンパイロット向けプラットフォーム「SORAPASS」は、複数のドローン運航のリアルタイム管理・運営の効率化を可能とし、万博期間中に飛行する全てのドローンの運航の安全と、来場者にとって魅力的な体験を提供できるよう努めてまいります。この取り組みが、今後のドローンや次世代モビリティの安全運航管理の社会実装に向けた、大事な一歩になると確信しております。
埼玉県の大野元裕知事は5月1日、八潮市内の県道で陥没しトラックが転落した事故で、2月にドローンが発見した通り、地下10m、現場から下流に30mの地点で、残されていたトラックの運転席部分に男性の姿が見られたことを明らかにした。同日、消防隊員らが立ち入って確認した。翌5月2日、午前5時前から消防などが男性を引き上げ、その場で死亡を確認した。
陥没事故は1月28日に発生した。救出作業は二次被害のリスクが想定されたことなどから難航した。陥没から8日後の2月5日に、ブルーイノベーション株式会社(東京)や株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)のドローンが地下の様子を確認することを試みた。その結果、Liberawareの超狭小空間点検ドローンIBIS2が陥没場所から離れた下水管内でトラックの「キャビンのようなもの」を見つけた。これが、その後の救出活動の方針の軸となるなど転機となった。現在、みつかった男性が運転手であるかどうかの確認を進めている。
道路陥没のリスクが高まっていることに関連し、今後、県などによる災害対応の課題や改善点の洗い出しが進められることが期待される。特に、ドローンの活用については、早期の投入要請ができなかったのかどうかなど初期対応を含めた課題、改善点の洗い出しが不可欠とみられる。ドローンに関する基礎知識の共有の是非なども議題になりそうだ。
また陥没事故発生以来、各地で国、地方の担当者などが参加する連絡会議が招集されるなど対応の必要性が高まっており、点検の強化など災害防止対策の見直し、実施が求められることになる。
なお、DroneTribuneは見つかった男性、ご遺族にご冥福をお祈り申し上げます。また、救出、復旧に尽力してこられた関係者、これから復旧にあたられる関係者に敬意を表し、そのために不自由な生活を強いられた地元のみなさまにお見舞い申し上げます。
ACSL株式会社は4月30日、代表取締役CEOの鷲谷聡之氏が代表取締役、取締役をともに同日付で辞任したと発表した。同日鷲谷氏から辞任の申し出があり、取締役会で受理することをを決めた。後任には取締役CFOの早川研介氏、 取締役COOの寺山昇志寺氏がともに代表取締役Co-CEO(共同経営責任者) に就任した。
辞任した鷲谷氏は、2016年7月に社名を変更する前の自律制御システム研究所に入社し、執行役員Vice Presidentに就任した。同年12月に取締役最高財務責任者(CFO)兼最高戦略責任者(CSO)、翌2017年3月に取締役最高事業推進責任者(CMO)、翌2018年3月に、取締役最高執行責任者(COO)を歴任。2020年6月に代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)、2021年6月に代表取締役社長兼COO、2022年3月代表取締役社長を経て、2023年3月、代表取締役CEOに就任しこれまでACSLの経営をけん引した。
ACSLは2018年12月21日に当時の東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たし、鷲谷氏はCOOとして経営の執行を担った。2021年6月の社長CEO就任のタイミングで株式会社ACSLに社名変更し新体制をリード。物流専用機AirTruckを株式会社エアロネクストと共同開発をしたり、情報漏洩などのセキュリティー対応を強化した空撮機SOTENを開発したりと日本のドローンの機体開発に一石を投じてきた。
ACSLの発表では、異動の理由として「本日(編集部注:4月30日)、当社の代表取締役CEO鷲谷聡之より、一身上の都合により代表取締役及び取締役を辞任したい旨の申し出がありました。これに伴い、本日開催の取締役会において、当該申し出を受理するとともに、現取締役の早川研介及び寺山昇志を、当社の代表取締役に選任する旨の決議を行いました。なお、当該取締役の辞任後も、法令及び当社定款に定められている取締役の員数は満たしております」と説明している。
また新体制は早川研介代表取締役Co-CEO(共同経営責任者) 、寺山昇志代表取締役Co-CEO(共同経営責任者)を2025年4月30日の異動として発足させた。
さらに経緯について「当社取締役会は代表取締役CEO鷲谷聡之の辞任を受け、代表取締役候補者の検討を行いました。当社の事業の拡大と競争力の強化を図り、持続的な成長を続けるためには、経営に対する多面的な視点と機動力を備える必要があることから、取締役 CFO である早川研介氏及び取締役 COOである寺山昇志氏の両名をCo-CEO とする体制が最もふさわしいとの判断に至りました。両名がCo-CEO として相互補完するとともに、けん制しあう体制としたことは、成長性を推進するのみならず、ガバナンスの強化にも資するものと考えております。事業成長性とガバナンスの両立については、引き続き社外取締役の独立した視点及び専門的知見を積極的に活用しながら推し進めてまいります」と公表している。
ブルーイノベーション株式会社は、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」が自動帰還機能「スマート・リターン・トゥ・ホーム(Smart Return To Home)」を搭載したと公表した。ブルーに申し込めば3~4営業日で使えるようになる。追加料金などについては同社が相談に応じる。ソフトウェアのアップデートで対応するため、モジュールの追加搭載などは不要だ。ELIOS 3は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が発行する技術カタログ「スマート保安技術カタログ(第18版)」にも掲載された。
「ELIOS 3」が搭載したスマートRTHは、現在位置から戻るべき離陸地点までの経路を、障害物を避けたうえで最短で設定する。ELIOS用の操縦アプリ「Cockpit」を使うと画面上に帰還推奨時間などが表示されるほか、帰還が必要なタイミングにパイロットに通知する。
ブルーはELIOS3へのスマートRTH搭載をプレスリリースで発表している。内容は以下の通り。
自動飛行に向けた第一歩
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」※1に、自動で安全に帰還できる「スマート・リターン・トゥ・ホーム(Smart Return To Home)」(以下、Smart RTH機能)が新たに搭載されたことをお知らせします。
Smart RTH機能は、ELIOS 3の開発メーカーであるFlyability SA(本社:スイス)(以下、Flyability社)により開発され、これによりELIOS 3は飛行の離陸地点(起点)に向けて自動で安全に帰還できるようになり、ドローンのパイロットは安心して操縦でき、飛行の安全性は一層高まります。Smart RTH機能は、今後のELIOSの自動飛行に向けた重要な技術開発の第一歩となります。次なる展開として、LiDARによるリアルタイム3Dスキャン機能を活用し、ELIOS 3が衝突回避や障害物認識を行えるようにする新機能のリリースも予定しています。
Smart RTH機能には、1.離陸地点までの最短経路を自動設定、2.フライト管理ゲージで帰還のタイミングを通知、3.いつでも操作の切り替えが可能、といった特徴があります。これにより、ドローンパイロットは操縦時、バッテリーの残量や帰還のための経路を心配することなく、目の前の点検作業に集中することができます。
今後、ブルーイノベーションはELIOS 3のSmart RTH機能を活用し、現場での過酷な環境下での点検をさらに安全に効率的に提供可能なドローン点検ソリューションを、展開してまいります。
■Smart RTH機能の主な特長
(1) 離陸地点まで最短経路を自動設定
3Dマッピングされた施設の形状から、飛行の軌跡にとらわれずに、障害物を避けて最短経路を自動で計算し、離陸地点へ安全に帰還します。
(2) フライト管理ゲージで帰還のタイミングの通知
バッテリーの残量をフライト管理ゲージとして可視化し、操縦アプリ「Cockpit」内上部に表示することができます。ゲージ内には緑色は飛行時間、黄色は帰還推奨時間を表し、赤色は推定帰還時間が示されています。また、帰還が必要なタイミングで、パイロットに通知します。
(3) いつでも操作切り替えが可能
Smart RTH機能は、「Cockpit」からいつでも起動でき、また、起動中はいつでも機体の制御を戻すことができます。
■Flyability SA 共同創業者兼CTO Adrien Briod氏のコメント
Smart RTH機能の導入により、Elios 3は極めて複雑な屋内空間でも自律的に飛行し、機体サイズギリギリのマンホールさえも通り抜けることが可能になりました。この機能は、最先端のナビゲーションアルゴリズム、LiDARとカメラを組み合わせたFlyawareマッピングエンジン、そしてELIOS 3独自の衝突耐性によって実現されています。この開発は、「どんな過酷な環境でも誰もが簡単にドローン点検を行えるようにする」という当社のビジョンを形にしたものです。閉鎖空間でのドローン運用の可能性を、ブルーイノベーションと共に、さらに広げていくことを楽しみにしています。
■ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之のコメント
ブルーイノベーションは2018年よりFlyability社と協業し、ELIOSシリーズを活用した屋内等特殊環境に特化した点検ソリューションを展開してまいりました。機体の提供から、現場の点検運用サービス、機体の操縦講習までと幅広くサービスを提供しており、発電所や石油化学、製鉄所、建設現場、下水道などを中心に全国で300ヶ所を超える現場での導入実績を有しています。今回発表した「Smart RTH機能」は、以前から現場での要望が多かったものであり、今後はより安全に効率的なドローン点検運用が可能になり、屋内等特殊環境でのドローン点検がさらに拡大すると期待しています。
ELIOS 3特設サイト:https://blue-i.co.jp/elios3/
ELIOS 3の「スマート保安技術カタログ」掲載に関するリリースの内容は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)が提供する、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」※1を活用した設備点検技術が、経済産業省が推進する「スマート保安技術カタログ(第18版)」に掲載・公開されましたので、お知らせします。
スマート保安技術カタログ※2 とは、経済産業省所管の独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation:NITE(ナイト)、以下 NITE) が発行する、電気設備のスマート保安技術をまとめたカタログで、電気設備の設置者が保安技術の導入を検討する際の参考資料として活用されています。
今回掲載された本技術は、天井などの高所点検でも足場組立やクレーンを用いることなく、作業員の安全性を確保するとともに、労務負担や点検準備に係る時間とコストの削減にも貢献します。
■ 掲載情報
管理番号 要素 2024 00015-01
技術区分 ドローン
保安技術名称 屋内施設向け球体点検ドローンを活用した設備点検
掲載ページ:https://www.nite.go.jp/gcet/tso/smart_hoan_catalog.pdf#page=106
■ ELIOS 3について
ELIOS 3 は、 Flyability SA(本社:スイス、以下 Flyability 社)が開発した非 GNSS 環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローン ELIOS シリーズの最新機種です。世界初の 3D マッピング用LiDAR センサーを搭載。点検・施設情報をリアルタイムで 3D データ化し、位置特定が可能です。また、最新の SLAM 技術により操作性・安定
性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。ブルーイノベーションは 2018 年に日本おける独占販売契約をFlyability 社と締結し、ELIOS シリーズを活用した点検ソリューションの提供を開始しました。2024 年現在、我が国ではプラントや発電所、下水道などを中心に 300ヶ所を超える現場での導入実績があります。
ドローンショー事業を展開する株式会社レッドクリフ(東京)が大阪・関西万博の開幕当日の4月13日に実施したドローンショーでギネス世界記録™の認定を受けた。レッドクリフが4月15日に発表し、ギネスワールドレコーズもDroneTribuneの確認に対し4月13日に認定したと認めた。大阪・関西万博ではドローンショー以外にもギネス世界記録™に関連する展示、企画がいろいろだ。夏には盆踊りで挑む計画もある。ドローンショーの勢いに続くか期待が高まりそうだ。
レッドクリフの挑戦は「最大」と「最多」だ。4月13日の万博開幕日には「Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones」(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)と「最大」に挑み、1749機のドローンで「最大の木の空中ディスプレイ」を実現し、同日、ギネス世界記録™に認定された。
さらにレッドクリフは10月13日の万博最終日にかけて「Most multirotors/drones launched in a year(一年間に飛行させたマルチローター/ドローンの最多数)」と「最多」にも挑戦中だ。レッドクリフは2025年日本国際博覧会の「協会企画催事プラチナパートナー」として、会期中の全日程で行われる協会企画催事「One World, One Planet.」で1000機のドローンショーを実施する計画を遂行中で、準備期間の3月17日から始まった挑戦で達成を目指している。
盆踊りでも「最大」と「最多」を狙う。その企画は大阪・関西万博では「大阪の祭!~EXPO2025 真夏の陣~、盆踊りギネス世界記録™に挑戦!」。大阪の夏の風物詩「盆踊り」で、踊る人の人数を競う「最大の盆踊り」と同時に盆踊りを踊った「最多国籍数」の2つのギネス世界記録™に挑戦する計画だ。挑戦するのは7月26日。大阪・関西万博アンバサダー、コブクロが歌うオフィシャルテーマソング『この地球(ほし)の続きを』にあわせて盆踊りを踊る。
これまで「最大の盆踊り」は2017年9月の八尾河内音頭まつりの2872人で、今回はこれを上回れば記録達成になる。また最多国籍数の盆踊りは現時点で記録はなく、少なくとも50か国以上で記録が認められる公算だ。「大阪ウィーク盆踊り世界記録挑戦事務局」が4000人程度の一般、団体参加を4月18日まで募集した(詳細はこちら)。参加者の90%以上が、5分以上正しく踊れていることが記録達成の条件で、事前の練習も不可欠だ。5月から7月にかけて練習の機会も提供される。
企画だけではない。大坂・関西万博会場のシンボルで「大屋根リング」もギネス世界記録™に世界最大の木造建築物として認定されている。認定されたのは開幕前の3月4日。大屋根リングの全周は幅(30m)の中心となる15m地点で1周を計測した場合に約2,025mで、建築面積が6万1035.55㎡であることが世界最大との認定につながった。
噴水もギネス世界記録™の認定を受けた。万博会場内の「ウォータープラザ」で昼間に行われるエンターテインメント「水と空気のマジカルダンス」が、「最大のインタラクティブな噴水設備」(Largest interactive fountain feature:観客が遠隔操作で物理的な表示を変化させることができる人工的で装飾的な噴水施設)として4月7日にギネス世界記録™に認定された。人の身振り手振りに合わせて、約300基の噴水から水が吹き上がり、噴水を操る体験ができる。
会場内に設置してある休憩室も実は、隠れたギネス世界記録™関連施設だ。株式会社竹中工務店が万博会場内の「大地の広場」で休憩所として設置している3Dプリンターで建築された仮設建築物「森になる建築」が、「最大の生分解性の3Dプリント建築(一体造形)」<Largest 3D-Printed biodegradable building (monolithic)>の認定を完成した昨年、認定を受けて来場者の利用を待っている。
樹木からつくられた酢酸セルロースを3Dプリンターでつくった構造に、外装を和紙と植物の種子や苗でできた「シーズ・ペーパー」で仕上げた「Seeds Paper Pavilion」(シーズペーパーパビリオン)は「使い終わると廃棄物になる建築ではなく、みんなでつくる建築が種となり、使い終わったら森になる」をコンセプトにした。直径4.65m、高さ2.95m。壁面に根が張りやすいよう壁面に土が施され、その土の施された場所も夏場の影を考えられて配置されている。自然と使う人の居心地に工夫が凝らされていて、担当者とコミュニケーションをとると「自然にやさしい」を考える人になった気分になれる。
休憩しながら認識を新たにできるカフェとして、さつまいもとりんごのスイーツを展開する「らぽっぽファーム」などのブランドで知られる白ハト食品工業株式会社(守口市<大阪府>)が会場内に出展している未来型チャレンジショップ「おいもといちごとりんごのらぽっぽFarm to the Table」もパビリオン並みの話題を提供している。屋外型のカフェで、利用者の座る真ん中にどーんと畑スペースがある。鉄コンテナを使った再利用可能な畑を提案していて、土の中にサツマイモ、土の上ではイチゴが見える。ギネス世界記録™関連施設ではないが、イチゴとサツマイモを使ったパフェを食べながら自然や農業と共生できる未来の農業を考えるきっかけを与えてくれそうだ。
白ハト食品は会場内の5つのエリアにタイプの異なる店を出展している。
レッドクリフによるドローンショーのギネス世界記録™認定のリリースは以下の通り
~ドローンショーで「最大の木の空中ディスプレイ」を描写、万博会期中の連日ショーでさらなる記録更新にも挑戦~
ドローンショーを企画・運営する株式会社レッドクリフ(本社:東京都港区、代表取締役:佐々木 孔明、以下「レッドクリフ」)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)協会企画催事のプラチナパートナーです。会期中の全184日間にわたり、協会企画催事「One World, One Planet.」のメインコンテンツとして、1,000機のドローンショーを実施します。
開幕初日となる4月13日(日)、2,500機による特別演出の大規模ドローンショーを実施し、ギネス世界記録™「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」の更新に成功いたしました。
「One World, One Planet.」の世界を描くドローンショー
本ドローンショーは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が主催する催事「One World, One Planet.」のメインコンテンツとして行われます。光・音・テクノロジーが融合したスペクタクルな演出を通じて、「願い」をテーマに万博会場と世界をリアルとデジタルの両面でつなぐ新たな体験を提供します。
開幕初日は特別演出として、2,500機のドローンを使って花火や従来のLEDライトの約6倍の輝度を誇るフラッシュモジュールを搭載した機体も登場。“空を舞台にした未来のショー”を体現しました。会場からは、自然と歓声や拍手が湧き起こり、SNS上では「引き込まれる」「万博のドローンショーすごかった」「空中を縦横無尽に浮かぶ芸術に未来感じて感動した」などの声が多く寄せられ、初日の万博の夜空を華やかに飾りました。
ギネス世界記録(TM)「最大の木の空中ディスプレイ」を更新
レッドクリフは、大阪・関西万博の期間中(準備期間を含む)に「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」および「年間で飛行させたドローンの最多数」の2部門において、ギネス世界記録™へ挑戦をしています。
初日となる4月13日(日)には、悪天候の中でも記録への挑戦を決行し、2,500機のショーの中で1,749機のドローンを用いて巨大な“木”のビジュアルを夜空に描写。審査の結果、正式にギネス世界記録(TM)として認定されました。
ドローンショーは万博閉幕日となる10月13日(月・祝)まで、協会企画催事「One World, One Planet.」のコンテンツとして、1,000機規模で毎日実施予定です。また、期間中(準備期間を含む)の飛行機体数の累積により、「年間で飛行させたドローンの最多数」部門でのギネス世界記録™樹立も目指しています。
◆更新した記録
達成したタイトル:Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)
挑戦日:2025年4月13日(日)
挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区
◆現在挑戦中の記録
挑戦するタイトル:Most multirotors/drones launched in a year(一年間に飛行させたマルチローター/ドローンの最多数)
挑戦実施期間:2025年3月17日(月)~10月13日(月)
挑戦最終日: 2025年10月13日(月)
挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区
開催日時:2025年4月13日(日)〜10月13日(月)日没後
開催場所:つながりの海上空(大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目)
使用機体数:1,000機
観覧方法:予約不要、観覧無料。チケットをお持ちの方のみ万博会場内でご覧いただけます。
※開催時刻は季節により変更します。
※天候により中止となる場合があります。
「世界が注目する大阪・関西万博の初日という、かけがえのない舞台でギネス世界記録™を更新できたことは、私たちにとって大きな誇りであり、新たな挑戦の始まりです。
ドローンショーは、ただの光の演出ではなく、人々の心に響くメッセージであり、未来への希望の象徴。私たちはこの空の表現を“文化”として、日本から世界へ広めていきたいと願っています。
誰もが夢を描ける空間を創り続けるために、これからも挑戦を止めることなく歩みを進めてまいります。今後の展開にも、ぜひご期待ください。」
名称 :株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, Inc.)
所在地 :東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB
代表者 :代表取締役 佐々木 孔明
設立 :2019年5月15日
事業内容:ドローンショーの企画・運営、ドローン機体販売、ドローン空撮、ドローンプログラミング教室の企画・運営
資本金 :4億4,050万円
URL :https://redcliff-inc.co.jp/
「夜空に、驚きと感動を。」をミッションに、高品質なドローンショーを企画・運営する、空のクリエイティブ集団。国内ドローンショー市場でシェアNo.1(株式会社 富士キメラ総研「映像DX市場総調査 2024」|2023年実績)を誇るリーディングカンパニーで、特に1,000機以上の大規模なショーに強みを持つ。ベテランアニメーターによる高品質のアニメーションと、業界最先端のドローン性能による安全かつ唯一無二のドローンショーを実現。2024年8月、国内初となる花火搭載ドローンを用いたショーを成功させ、国内最大規模の3,000機のテスト飛行も実施。さらに同年9月、中国・深圳にて7,998機のドローンによる世界最大のディスプレイとしてギネス世界記録™を更新(※)。日本の伝統的な祭りやイベントとの融合を図り、地域社会の活性化にも貢献。
※…挑戦したタイトル:largest light mosaic by drones/multi-rotors(マルチローター ドローンによる最大の光のモザイク)、達成日:2024年9月4日