インドネシアに一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールが、南ジャカルタ・クバヨランバルのムストポ(Moestopo)大学に誕生した。2月24日に開講式を行い、開講式の当日から27日までの4日間に第1期の座学、実技講習、試験が行われた。今後、2か月に1回、開講する方針だ。
スクールでは、JUIDAが業務を委託している広告業の中央宣興インドネシア(CSK)が派遣した講師が講習を担当した。インドネシア国内のドローンの飛行ルールは、運輸省航空総局が7キログラム以上の機体を150メートル以上飛ばすさいの取り決めなどに限りルールがあり、今後、現在活用の拡大に伴い、より軽い機体を含むルールの整備が進むと見込まれている。スクールの座学ではこうしたインドネシア国内の状況のほか、米連邦航空局(FAA)などのルールや安全対策、気象に関する講習が行われた。操縦の実技訓練も実施された。
最終日には試験が行われ、合格者にはJUIDAが「無人航空機操縦技術証明証」と「安全運航証明証」を発行する。
ムストポ大学でドローンスクールを担当するアンバール・プラティウィさんは「国内でドローンの産業利用が広まれば、国内の法律や規制が整備される。そうなれば法律や安全対策といった、ドローンの運用方法を体系的に学んだ操縦士が必要になる」との意義を説明したという。
JUIDAは2019年7月24日、ムストポ大学、CSKとドローンの人材育成などに関する覚書(MOU)に調印しており、それ以来、認定スクール開講に向けて話し合いを続けてきた。調印式には、ムストポ大学の運営責任者、THOMAS SUYATNO教授、CSKのRUDY HARJANTO会長らが出席。JUIDAからは鈴木真二理事長、熊田知之事務局長らが出席した。CSKのRUDY会長が「テクノロジーは人間の幸せのためにある。とりわけドローンに期待しており大学としてそれを担う人材育成に貢献したい」と発言し意気投合していた。
日本のドローン人材育成の仕組みには、海外から関心を寄せられ、200を超えるスクール網を持つJUIDAには世界各国の政府、企業、学校から問い合わせが相次いでいる。JUIDAも積極的に交流を進めていて、今回の開講はJUIDAの海外展開にはずみをつけそうだ。