日本航空株式会社(JAL、東京都品川区)とKDDI株式会社(東京都千代田区)は2月15日、ドローンの運航管理の体制構築やビジネスモデルの共同検討に関する基本合意書を締結したと発表した。両者でドローンの「社会インフラ化」に取り組む。同日KDDIが開催した「KDDIスマートドローン発表会2022」では社会インフラ化に必要な「2つの鍵」であるモバイル通信と運航管理の知見をそれぞれが持ち寄ると説明した。今月、東京都内で両社が取り組んでいる物流実験についても紹介した。KDDIはこのほか、ドローンの遠隔自律飛行向けの4GLTE通信ツールなどを提供する「スマートドローンツールズ」の発売も告知した。
提携に基づき、KDDIが開発した複数ドローン事業者の運航管理を行うシステムに、JALが培ってきた空の移動に関わる安全管理などの技術・知見を組み合わせる。これにより運航管理業務を行う体制を構築する。ドローン産業振興に必要な制度、ガイドライン作りにも貢献する。
またKDDIはこの日開催した「KDDIスマートドローン発表会2022」で、モバイル通信や運航管理システム、クラウドなど、ドローンの遠隔自律飛行に必要なツールを揃えた「スマートドローンツールズ」の提供を開始すると発表した。「スマートドローンツールズ」は、基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」と、用途にあわせて「オプション」を組み合わせる仕組み。
「4G LTEパッケージ」には、全国どこでもドローンの遠隔操作、映像のリアルタイム共有が可能な「運航管理システム」、撮影データを管理する「クラウド」、「モバイル通信」で構成し、月額4万9800円で利用できるという。2022年12月まで無料で利用できる「トライアルキャンペーン」を2022年2月15日から2022年3月31日まで実施する。
KDDIスマートドローン株式会社の博野雅文代表取締役社長は、スマートドローンツールズについて「ドローンの利活用を広がる機能をツールとして提供するもの」とアピールした。
またKDDIはドローン専用通信モジュール「Corewing 01」も2022年4月から提供を始める。国内外11機種のドローンに順次搭載する方針で、プロドローン3機種、ACSL、SkyDrive、イームズロボティクス、ヤマハ発動機、三菱重工、川崎重工、中国・DJI、台湾・CIRCの1機種ずつが含まれる。
KDDIの松田浩路執行役員は「2022年はレベル4解禁をきっかけにゲームチェンジの年になります。ドローンを活用した事業モデルを構築し、地域の運航支援を通じて利用促進を進めていきたい」と話した。
KDDIの発表会にはDRONE FUND創業者、代表パートナーの千葉功太郎氏も「2022年はレベル4が解禁され、東京の空でもたくさんのドローンが飛べる世界でも画期的な出来事。ドローンはインターネットにかわる巨大なインフラになります。連携してドローン前提社会、エアモビリティ前提社会を作っていきましょう」と、発足したばかりのKDDIスマートドローンの設立を祝うビデオでメッセージを寄せた。