マレーシアのAerodyne とNTT西系のJIWが業務提携 インフラ点検で「最強タッグ」

2019.07.10

 Drone Fundの投資先であり、世界25カ国でサービスを展開するマレーシアのドローンソリューションカンパニー、Aerodyne gronp(クアラルンプール)と、ドローンを活用したインフラ点検ソリューションを手がけるNTT西日本グループの株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、大阪市)は7月8日、日本国内の電力設備向けサービスの共同開発と独占販売で業務提携した。国内の点検現場が抱える費用、作業負担などの解消を実現するサービスの開発に取り組み、JIWが日本市場で独占的に販売する。海外に設備を持つ日本企業への展開も視野に入れる。JIWの柴田功社長は「世界がうらやむ最強タッグの業務提携」と胸を張った。

強みを持ち寄り要求高い日本基準をクリア 「JAPAN品質の商材で世界へ」

業務提携に調印したJIWの柴田功社長(左)とAerodyne Groupのカマルール・ムハンマドCEO

  提携では、JIWが30橋梁の管路点検や通信設備の鉄塔点検など日本国内の実績で培ってきた、日本の商習慣の中で高い要求水準を満たして実務を遂行するノウハウを「オペレーショナルエクセレンス」として提供する。たとえば、河川使用許可といった手続きなどの行政対応、ポスティング、掲示板のなど近隣対応などを受け持つほか、空撮や点検の実務、日本国内での機体の提供、営業活動、契約実務などを担う。

  一方、Aerodyneは年間26万5000フライト、総延長5万5000キロメートルの電線網など重要設備点検の実績で積み上げた点検技術を提供する。ドローン空撮の技術提供や作業の実施、プロセッシングノウハウの提供、AI、ソフトウェアの提供、活用などを持ち寄る。双方の強みを出し合うことで、要求水準の高い「JAPAN品質」のソリューションを商材として開発する。

  JIWは通信設備の鉄塔、橋梁、自治体法面など困難な場所でのドローンによる点検サービスを提供している。業務提携に伴う新たなソリューションの開発で、今後、電力会社の送配電設備点検にも進出する計画だ。

  電力会社も独自にドローン導入に向けて取り組んでいるが、業務導入には至っていない。JIWはその理由として①法規制(ガイドラインが未整備)②オペレーション(高い要求水準を満たして遂行できるオペレーショナルエクセレンスが未確立)③技術ノウハウ(生産性向上に役立つ度合いが未計測)―などが挙げられると分析。

  法規制については「ロードマップの公表で、しばらくすれば日本が世界で一番、ドローンが活用しやすい国になると信じている」(柴田巧JIW社長)と見込むが、オペレーション、技術の課題についてはこのままでは打開できないため、今回の業務提携で開発するソリューションで、打開を図る。

  電力設備点検への参入後は、2020年から洋上構造物、プラント、管路などへの拡大や海外への展開を模索。同年後半には日本国内でマレーシア留学生などによる「空撮/点検センター」の開設を視野に入れている。柴田社長は「雇用吸収力を高めて100人規模の点検体制を整えたい」と話している。これらの取り組みで2022年までに国内電力設備点検市場で30%のシェア獲得と、売上高30億円を目座す。売上のうちの海外比率も、2025年には20%に引き上げたい考えだ。

  発表会でAerodyne groupのCEO、カマルール・ムハンマド氏は、「この業務提携は大変光栄なこと。これまでAerodyneのテクノロジーは、送電線や太陽光、風力発電などクリティカルアセットの点検、プロジェクトマネジメントなど世界で幅広く活用され、企業のデジタルトランスフォーメーションを手伝ってきた。早い、安い、うまい、安全をモットーに、従来の点検の代替案を提唱しており、JIWとの提携でも即戦力となるサービスを提供したい」と抱負を述べた。

発表会で説明するAerodhyne groupのカマルール・ムハンマドCEO(中央)。左はJIW柴田功社長、右は伊藤英エアロダインジャパン社長
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