ドローンや関連製品の製造を手掛けるVFR株式会社(東京)は2月11日、代表取締役社長に留目真伸氏が就任したことを公表した。前代表の湯浅浩一郎氏は取締役と紹介されている。同社は2月9日、メーカーにかわって購入前の見積もり作成から購入後のトラブル対応などに対応するカスタマーサービス事業に参入することを公表しており、2月10日に取締役会を開き、新体制を決めたとみられる。3月からを見込む新事業の運用開始には新体制で臨むことになりそうだ。
新たに代表に就任した留目真伸氏は、レノボ・ジャパン、NECパーソナルコンピュータ代表取締役社長を経て、 SUNDRED株式会社代表取締役に就任。2020年VFR株式会社創業後、取締役を経て、代表取締役社長に就任した。就任同社公式サイトで「ご挨拶」として、「多様なパートナーとの共創を通じてイノベーションを推進します」、「『技術と情熱で、人と社会の可能性を切り拓く』をビジョンとして、産業の共創に取り組んでまいります。」などと談話を公表している。
VFRは2月9日、湯浅前代表の体制でカスタマーサービス代行事業の参入を決めた。カスタマーサービス代行事業は、開発、生産中心になりがちな国内のドローンメーカーの手薄になりがちな作業を代行するサービスで、問い合わせに対応して見積もりを作成したり、商品を紹介したりする業務から、購入時の支払い、使い方説明、購入後のトラブル対応、返品対応までを提供することを想定している。3月にコールセンターを開設する方針だ。開発中心の体制を持つメーカーの場合、トラブル対応などに追われることで、開発速度に影響が及ぶ恐れがあるため、その部分をVFRに代行してもらうことでリスク軽減が図れる。
サービス実施にあたり、VFRは関連事業を展開する高知県の企業2社を「サービスパートナー」として連携することも発表している。2社はソフトウェア企業向けにカスタマーサポートセンター事業を展開する株式会社SHIFT PLUS(高知県高知市)と、ITハードウェア販売やアフターサービス、ドローンの講習などを手掛ける株式会社エレパ(高知県高知市)で、2月9日に説明会を含むセミナーを開いていた。
株式会社では代表選出は取締役会が担い、取締役の選定は株主総会が担う。
代表に就任した留目真伸氏氏のあいさつの掲載ページはこちら
カスタマーサポート事業に関わる発表は以下の通り
VFR株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:湯浅 浩一郎 以下VFR)は、プリセールス及び販売後のカスタマーサポートと品質保証を行う、PC業界と同様のカスタマーサービスの開設に向けて、高知県企業2社と連携開始いたします。サービスパートナーとして、ソフトウェア企業向けにカスタマーサポートセンター事業を展開する株式会社SHIFT PLUS(本社:高知県高知市 代表取締役:綿貫健吾、以下SHIFT PLUS)と、高知県を中心にITハードウエアの販売及びアフターサービス・ドローン講習までを行う株式会社エレパ(本社:高知県高知市 代表取締役: 上田 哲也 以下エレパ)が参画します。2023年3月より開始予定です。
1, カスタマーサポート立ち上げの背景
2022年12月に、第三者上空飛行が可能となる「レベル4」が解禁とされる航空法の改正が施行され、ドローンの本格的な社会実装が始まろうとしています。人手不足を補い、これからのビジネス・地域創生を担うドローンは、物流・災害対策・点検など、様々なシーンで活躍していきます。そのため、社会実装に向けたカスタマーサービスの重要性が高まっています。
2, ドローン業界における課題
国産のドローンメーカー及びサービサーはスタートアップ企業が多く、カスタマーサポートを行うリソースがないことが課題となっています。スタートアップ企業の開発リソースがトラブル対応等もこなしているのが現状で、この課題を解決することで開発スピードを止めることなく、必要な情報を開発や製造委託業者へ適時フィードバックすることが可能になります。
3, サービスパートナーについて
VFRは、VAIO株式会社の子会社として設立され、ITハードウェアのカスタマーサポート・テクニカルサポートの重要性を理解しています。PC業界のカスタマーサポートのナレッジを活かしたカスタマーサポートを立ち上げるため、「ITソフトウェア」のカスタマーサポートのナレッジを保有している株式会社SHIFT PLUSと、高知県を起点として「ITハードウェア」のフィールドサービスを行う株式会社エレパと連携し、ドローン業界ベンチャー企業のカスタマーサービスを代行します。
まずは、2023年3月より、カスタマーサポートの基本である法人専用の「コールセンター」を立ち上げ、ドローンの社会実装を促進し、市場規模の拡大を狙います。
①購入前(before purchase)…コンサル、見積、製品紹介
②購入 (point of sales)…支払い、出荷、使い方
③購入後(after purchase)…トラブル対応、返品、TS
4, VFRの今後の役割
VFRはドローンの量産設計、量産、品質保証、販売サポート、アフターサービスなど、ドローンの社会実装になくてはならないサービスを今後も展開して参ります。カスタマーサポートサービスを皮切りに、ドローン業界として必要な情報を蓄積し、それを製品開発から製造にフィードバックすることで、安心安全なドローンの社会実装に貢献して参ります。
株式会社ACSLは2月21日、取締役会長の太田裕朗氏が退任する人事を内定した。3月 25 日開催の株主総会で正式に決定する。退任後は同社の顧問に就任する。
太田氏の取締役退任と顧問就任は、ACSLが同日発表した「役員の異動に関するお知らせ」の中で公表された。太田会長は2016年7月ACSLのCOOに就任し、2020年6月に代表取締役最高経営責任者(CEO)に就任した。21年6月に代表を退き、以降、取締役会長に就いている。
ACSLはこの間、2017年にVisual-SLAMで飛行する自律制御技術を開発して商用化したほか、2018年11月には日本郵便株式会社の郵便局間でのドローン輸送に機体を提供して話題を集めた。2018年12月には東京証券取引所マザーズに上場。ドローン専業のスタートアップとして国内で初めての上場企業となった。
この日公表された役員の異動には、鷲谷聡之代表取締役社長兼CООの再任を含む5人の名前が取締役内定者として連ねられている。新たに2021年5月から技術顧問を務める株式会社東芝出身の島津忠美氏が取締役に抜擢する。