空飛ぶクルマの開発を手掛ける株式会社SkyDriveと南海電気鉄道株式会社(大阪市)は4月7日、大阪エリアと和歌山エリアの「空飛ぶクルマ」の運航を目指し、連携協定を締結したと発表した。南海沿線地域や商業施設を中心に空飛ぶクルマの運航ルートの検討を進めるなど運航の実現を目指す。SkyDriveについては同日、近鉄グループホールディングス株式会社が出資決定と伊勢志摩など近鉄沿線での実用検討を発表しており、関西圏で空飛ぶクルマの検討が加速しそうだ。
南海電鉄とSkyDriveの協定での検討内容には運航を視野に入れた項目を含む。具体的には、フィールドの提供、ポートの整備、集客・チケット販売、機体の運航などの役割分担、南海沿線地域や商業施設等を中心とした具体的な運航ルート、オペレーション(運航時に必要な仕組み等)、収支予測などを盛り込んでいる。
発表内容は以下の通りだ(以下、引用)
株式会社 SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役 CEO 福澤知浩、以下「SkyDrive」)と南海電気鉄道株式会社(本社:大阪市浪速区、社長:遠北光彦、以下「南海電鉄」)は、大阪エリアと和歌山エリアにおける「空飛ぶクルマ」の運航を目指し、連携協定を締結したことをお知らせいたします。
SkyDrive は、空飛ぶクルマの機体メーカーとして日常の移動に空を活用することを目指し、2020年11月より大阪府が設立したラウンドテーブルの構成員として参加しています。また、2021年9月には大阪府・大阪市と「空飛ぶクルマ」実現に向けた連携協定を締結し、現在は2人乗りの機体を開発中です。2025年の大阪ベイエリアでのサービス開始を皮切りに大阪エリアでの事業拡大を目指しています。
また南海電鉄では、中長期的なまちづくりや沿線観光地への誘客の視点から、新たな技術を活用したモビリティを導入することで、先進的で魅力の高いエリアを構築できると考えています。その中で、今後世界的に普及すると考えられており、かつインパクトの大きい「空飛ぶクルマ」を沿線地域で早期に活用することで、住みたいまち・訪れたいまちとしての価値向上、当社が掲げるサステナブル重要テーマのひとつである「夢があふれる未来づくり」の推進につなげることを目指します。
今後、両社では事業スキームや導入エリアなどについて、さらに具体的かつ詳細な事業可能性の検討を行い、大阪エリアおよび和歌山エリアにおける南海電鉄の鉄道沿線地域や商業施設等を中心に、「空飛ぶクルマ」運航ルート開設の実現を目指します。
兵庫県と大阪公立大学は、多自然地域等でのドローン利活用の可能性を探る共同研究の一環として、兵庫県猪名川町でドローンを使った見守りや呼びかけ、オンライン診療機器の配送などの実証実験を行った。実証実験ではスピーカーを搭載したドローンを飛行させ音声が住民に届けられることや、住宅の新聞受けに配達された新聞がたまっていないかどうかが判別できることを確認した。主催した兵庫県は、「一定の有効性が確認できました。ドローンに求めたい性能もあり、今後も活用を見据えながら検証を続けたいと考えていきます」と話している。
実験は、兵庫県が研究機関や民間企業などと連携して課題解決にあたるために設置した「公民連携プラットフォーム」を通じて、大阪公立大学都市科学・防災研究センターと共同で実施した。実験には猪名川町、ドローン運用も手掛ける日本コンピューターネット株式会社(大阪市)、音響技術のTOA株式会社(神戸市)、医療機器のニプロ株式会社(大阪市)が協力した。
会場は兵庫県猪名川町の山間部で、「消防防災広場」と「上肝川」のバス停周辺エリアとの区間の約1.0 ㎞を、Matrice300RTKが、高精細カメラ、または、スピーカー、あるいは、③オンライン診療関連機器などを積んで飛行した。高精細カメラを搭載した飛行実証では、地域の住宅の郵便受けに新聞なため込まれた状態を再現し、ドローンで住宅の異変を検知することができるかどうか確認した。カメラでズームをすることで新聞のたまり具合を見ることができ、ふだんと違う乗用である場合、空からドローンで確認できる可能性を示した。
また、スピーカーを積んだ飛行実証では、上空から発した音声が地上に届くかどうかを確認した。ドローンは「地域の見守りの実証をしています」などのメッセージを流した。実証では地上でも明瞭に聞こえることを確認した。オンライン診療器具の配送実証では、血圧計を住民に届けるなどを実施した。
兵庫県と大阪公立大はこれまでもドローンを使った実証を重ねてきており、兵庫県は、「実証を通じて山間部の社会課題につきまとう“距離”の問題を、ドローンで埋め合わせることができることが見えてきました。十分に手を差し伸べるにはさらに長距離飛行が必要となるので、LTEやバッテリー技術の向上が図られることを期待したいと思います。コストも重要なので検証しないといけないと考えています。課題を洗い出したうえで社会に実装することを見据えて、これからも取り組みを進めたいと考えてます」と話している。