ドローン規制に影響力のあるドローン・アドバイザリー委員会Drone Advisory Committee、DAC)の議長に、法人向けドローン技術プロバイダー大手、プレシジョン・ホーク(PrecisionHawk、Inc.)のマイケル・チェイスンCEOが就任することになった。5月20日、米連邦運輸長官のイレイン・チャオ氏(Elaine Chao)が任命した。
任命されたマイケル・チェイスン CEOはDACでは現在、議長に次ぐNo.2の会長の立場で活躍。今回、インテルのブライアン・ザニッチ前インテルCEOの後任として議長に着任する。
2016年にスタートしたDACは、無人機やテクノロジー業界の幹部、研究機関関係者、学界、伝統的な航空関連産業で構成されている。この委員会は、FAAがドローンなどUASに関わる全体的な統合戦略とビジョンを設定するさい、課題や優先事項を洗い出す作業などを支えてきた。
UAS業界は飛躍的な成長を遂げていて、FAAは、商用ドローンの使用が2023年までに3倍になると予測している。そのためには、安全性と革新性を促進することができるバランスの取れた規制のフレームワークが必要となる。
FAAのDACの会長を務めた2年間の任期中に、チェイスン氏はFAAの任務を通して有意義な助言、戦略的指導を提供するため、広範囲にわたるステークホルダーのグループを率いてきた。チェイスン氏は、米国の空域での全種類の機体の完全で、安全な統合の達成に向けて努力し、伝統的なものから新興しいものまですべての空域技術が社会的および経済的利益を享受するために、FAAやその他の業界関係者とビジョンを共有してきた。官民のパートナーシップは、このビジョンを実現するために不可欠で、チェイスン氏の活躍の柱となっていた。
チェイスン氏は、2017年からプレシジョン・ホークのCEOを務めている。その間、ビジネスは拡大し、エネルギーと公益事業、再生可能エネルギー、石油やガス、電気通信、建築、エンジニアリング、建設が、それまでの航空や農業の事業に加わった。
プレシジョン・ホークは、パスファインダー・プログラム(Pathfinder Program)およびUAS Integration Pilot Programを通じて、業界のリーダーやFAAと提携して、安全性および規制における進歩を可能にした実績がある。
チェイスン氏は、Blackboard Inc(NASDAQ:BBBB)のCEO、SocialRadarのCEOとしての経験に加え、ドローン業界で2年以上勤務した後、会長に就任。同時にAmazon Prime Air、Wing、CNN、Lockheed Martin、UPS、DJI、AT&T、およびGarminの幹部を含む、35名のDACの業界リーダーに加わることになった。
チェイスン氏は次のように述べている。
「ここ数年で、FAAが定めた前向きな規制の枠組みのおかげで、ドローン業界全体で大きな成長を遂げています。われわれの会社にとっても業界全体にとっても、わくわくする時間です。そして、DACを通じてFAAと業界が直面する課題に取り組むことを楽しみにしています」
■プレシジョン・ホークについて
プレシジョン・ホーク(PrecisionHawk)は、企業向けの無人機テクノロジーの大手プロバイダーで、顧客リストには、農業、エネルギー、保険、政府、建設など、さまざまな業界にわたる、いわゆるフォーチュン500企業や、150カ国のマーケットリーダーが含まれている。これまでに、Third Point VenturesやMillennium Technology Value Partnersなどの大手ベンチャーキャピタルや、Comcast Ventures、DuPont、Intel Capital、NTT Docomo、Yamaha Motorなどの企業顧客などから、戦略的投資で1億ドル以上を調達している。2010年に設立された同社はノースカロライナ州ローリーに本社を置いている。