ブルーイノベーション株式会社、学校法人慶應義塾、神奈川県は1月18日、神奈川県小田原市内の急傾斜地で、約20㎏のみかんをドローンで配送する農作物自動運搬の実証実験を行ったと発表した。運搬には株式会社Skydriveのカーゴドローンを使った。ブルーイノベーションの農作物自動運搬実験は北海道当別町に続き2回目。今後地形、経路、搬送物など条件が異なる中で、地域ごとに最適化したドローン配送のプロセス構築を目指す。
実験が行われたみかん農園と集荷所は直線距離で約100m離れ、標高差が14mある急傾斜地。小田原市では多くのみかんが運搬車の立ち入りが困難な急傾斜地で栽培されており、農業従事者は収穫のたびに傾斜の上り下りを強いられ、生産効率化の阻害要因となっている。
実験では標高差のある農園から集荷所まで、ドローンでみかんを痛めることなく運べるかどうか、そのときの機体への影響、安全性、コストなどを確認した。あらかじめ待機させていたドローンを標高の高い場所にある農園に呼び、着陸したドローンにみかんを積み込み、集荷所まで運ぶ。集荷所では着陸したドローンから積み荷のみかんをおろした。
この結果、ドローンの農作物運搬の有効性と、実用化に向けた課題を確認した。
小田原市では2023年度にドローンによる安全な農作物運搬を軸とするビジネスを成立させることを目指しており、今回の実験でえられた知見をいかしていく方針だ。
なお、実験は環境省、国土交通省の「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業」の「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」の一環として行われた。慶應義塾が代表事業者、神奈川県が共同事業者、ブルーイノベーションが実験運営、Skydriveが機体提供、小田原市が協力団体として参画して行われた。