VAIO株式会社のドローン子会社、VFR株式会社(東京)は5月11日、株式会社自律制御システム研究所(ACSL)と国内市場向けの用途別産業用ドローンの機体開発で5月に協業を開始したと発表した。両者の強みを持ち寄り、ACSLの主力機体「PF-2」、「MINI」のアップデートと、用途別に最適化した新機体の共同開発を行う。2021年以降の導入を目指す。
両社は機体開発のほか、高度な産業用ソリューション開発も視野に入れ、共同調査を始めるという。またVFRはその他のパートナーシップの構築も随時検討する。協業について「VFRとACSL は共に、国内における産業用ドローンの本格的な普及には、用途別に性能・機能が最適化された社会実装可能な量産機体及びソリューションの開発が急務であるという課題意識を持っています。両社の知見や技術的な強みを掛け合わせることでその解決により大きく貢献していきたいという考えが一致したことから、今回の協業が実現いたしました」とコメントを寄せている。
今回の協業ではVFRがVAIOで磨いたコンピューティング技術、ロボティクス技術などを持ち寄り、ACSLの機体開発技術、自律制御技術等と融合することを目指す。開発する用途は今後検討することとしているが、橋梁、送電線、鉄塔の点検、運送などが有力だ。
両者は関連する規制や経済動向などの環境変化や推移を注視しながら役割分担などを具体化させる方針だ。
AIドローン開発の米Skydio.Incは1月22日、株式会社NTTドコモと、日本、東南アジアでのソリューション開発と販売での協業について検討に入ることで合意したと発表した。Skydioはインフラ点検ソリューションを手がけるNTT西日本系の株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク株式会社(JIW)と、点検仕様機「Skydio R2 for Japanese Inspection」(J2)の開発完了や、日本、東南アジアでの点検についての独占的パートナーシップ締結を発表しており、NTTグループとSkydioとの関係構築が進んでいる。
ドコモが協業検討を発表したのは、JIWの発表と同日。ドコモは検討のうえで協業が実現で、Skydioのドローンを活用したソリューションの開発や、新事業創出などに取り組むことになる。
ドコモはドローンを使って画像などのデータを収集する場面で、飛行準備から取得データの解析までを一貫して提供するためのプラットフォーム「docomo sky」を開発するなど、ドローンでのソリューション開発に取り組んでいる。また輸入、在庫管理、品質保証などでも経験があり、販売面での協業に生かせる。
ドコモは「これまでドコモが国内外で実施したdocomo skyの取り組みをさらに発展させ、日本および東南アジア市場への展開をめざしてまいります」とコメントしている。また、Skydio社のドローンを1月23、24日に東京ビッグサイトで開催するドコモのイベント「DOCOMO Open House 2020」で展示する。